レポート

顧問向け/提案

軽音楽部と地方自治体の協業〜「音楽で町おこし」舞鶴市議会で一般質問〜

▲仲井議員と「軽音楽部の現状と展望」について打ち合わせをする三谷理事長と辻副理事長

(顧問通信 VOL.26/2019.11掲載)

去る8月31日、京都府北部の舞鶴市で「第1回近畿北陸高等学校軽音楽コンテスト」を開催しました。当協会では、各県単位の大会よりも参加エリアを広げた地方大会の開催を検討していました。7月31日に中部地方を中心にした「第1回高等学校軽音楽コンテスト中部大会」を愛知県で開催、次は関西圏でも…と考えていたところ、ご縁があり、舞鶴市と共催で「第1回近畿北陸高等学校軽音楽コンテスト」を開催する運びとなりました。

きっかけは昨年の3月に「音楽による地方創生」というテーマで舞鶴市の記者会見があり、そこで多々見市長と出会ったことから始まりました。その後、観光振興課の皆さんと実現の方法を模索、ようやく今年の夏に現実のものとなりました。その間、公約の1つに「音楽で町おこし」を掲げる市会議員がおられるということを耳にしました。当協会は軽音楽部の活動を通して青少年の育成に寄与することを理念にしていますので、ぜひ話を聞きたいと面談を申し込み、意見交換をしました。その後、市議会の定例会で仲井議員が質問の1つとして軽音楽部を取り上げてくださることになり、本誌でその全文を掲載する許可をいただきました。

当協会としては、今後も舞鶴市と連携を取りつつ、他の自治体とも協業を図り、軽音楽部の活動を通して青少年の育成に寄与していきたいと思います。

舞鶴市議会 令和元年9月定例会 第4日(9月18日)

舞鶴市議会の本会議(映像)    www.youtu.be/lS7U3K7zGRc
質問 仲井玲子議員    1:41:50 ~ 1:47:35 付近
回答 市民文化環境部 西嶋久勝部長 1:53:38 ~ 1:57:15 付近

一般質問:仲井玲子議員

●一般質問で、音楽で町おこしの提案をする仲井玲子議員

新政クラブ議員団の仲井玲子です。発言通告書に基づき、2項目について一括質問させていただきますので、よろしくお願いします(第一の質問は省略)。続きまして、音楽のまち舞鶴としてのまちづくりについてであります。先月8月31日に舞鶴市総合文化会館大ホールにおきまして、第1回近畿北陸高等学校軽音楽コンテストが開催されました。これは、2018年3月「全国に先駆けた「ミュージックツーリズム」による地方創生」と題し、舞鶴市・日本観光振興協会・oriconMEコンフィデンスがタッグを組んだ共同記者発表をご覧になったNPO法人 全国学校軽音楽部協会が多々見市長にコンタクトをとったことで実現いたしました。舞鶴市の「ミュージックツーリズム構想」には他に一般社団法人コンサートプロモーターズ協会も支援されていて、2018年5月に設立されました「舞鶴ミュージックコミッション」により音楽関係者との連絡窓口を一本化し、音楽エンターテインメントから新たな地域文化を創り、地域資源・施設を活用した交流人口の拡大を目指すものであります。

第1回近畿北陸高等学校軽音楽コンテストは、もうすでに2学期が始まっていたのですが、石川県、大阪府、兵庫県、京都府の高校から11バンドが出場し、ゲストとして愛知県の高校生が演奏されました。高校生の皆さんの元気な明るさはすがすがしく、来年度からもここ舞鶴で開催して欲しいイベントです。ミュージックツーリズムによる地域活性化を目指す舞鶴にとっても主要なイベントになるのではないでしょうか。主催者である全国学校軽音楽部協会さんによると、舞鶴市総合文化会館のホールとしての音響は大変素晴らしい、しかしながら、ミキサー、照明などは少しバージョンが古いものがあり、横浜から機材を搬入したということです。舞鶴のものすべてが使えないということではなかったそうですが、どちらかに統一してもらうと助かるとのことでした。音楽のまち舞鶴ということで、開催地を舞鶴市に決定されたいきさつを考えますと、音楽イベント開催にサポートしていくべきではないかと思います。

そこで、第3の質問です。舞鶴では良い音が出せる、ということで演奏者を呼び込むためにも舞鶴市総合文化会館の機材の整備を充実させるべきと考えますが、いかがでしょうか。

次に舞鶴における音楽合宿の可能性について考えたいと思います。全国学校軽音楽部協会さんでは、高校や大学のサークルに向け音楽合宿のご紹介もされています。主に長野県に音楽合宿ホテルが存在しているそうですが、近畿北陸高等学校軽音楽コンテストの開催地を舞鶴で続けていくならば、遠くの長野県まで行くよりも各学校から移動時間が2時間圏内の舞鶴市で合宿ができれば…というお話もされていました。音楽合宿に必要とされる防音できる練習部屋、楽器、機材など、既存の音楽合宿並みに揃えようと思うと大変な費用がかかりますが、現在音楽合宿をされている長野県のホテルは堅調な経営状況であるようで、ここ舞鶴で展開した場合も大きな経済効果が期待されます。仮に、初期費用を極力抑制し、音楽合宿の誘致をしようとするならば、既存のものを最大限に活用する必要があります。例えば、合宿に来られた方を一か所に集めず、舞鶴市内のいろんな地域の民泊や公民館、施設を利用し、音漏れOKということを近隣住民の方にご理解いただいたり、時間を決めて演奏するなど、ご近所と折り合いをつける。また、機材は舞鶴で音楽活動をされている方からレンタルするなどの方法もあります。こうした様々な工夫を施すことで、投資やランニングコストを抑制しつつ、利用ユーザーに他地域よりもリーズナブルに場所と機会を提供することも可能になるのではと考えますがいかがでしょうか。

軽音楽部の学生さんだけでなく、京阪神あたりの音楽好きがギター1本を持って舞鶴に来て、土日は舞鶴の音楽好きと話したり、セッションしたりする音楽ぶらり旅、または週末の隠れ家のようなのもいいなあと、舞鶴の音響氏と話しました。音楽のまち舞鶴から、音楽好きが集まるまち舞鶴に。ここ舞鶴には音楽好きな人がたくさんいらっしゃいます。趣味が音楽という人が集まり、お酒を酌み交わしながらギターをかき鳴らす。それもミュージックツーリズムですね。

そこで、第4の質問です。経済効果が期待される音楽合宿の誘致について、本市で行うことをご検討いただけるかどうかお伺いします。

質問の回答:市民文化環境部 西嶋久勝部長

●仲井議員の質問に回答する市民文化環境部 西嶋久勝部長

音楽のまち舞鶴としてのまちづくりについてのご質問にお答えいたします。本市では昨年5月に赤レンガ建造物や豊かな自然、地域資源を生かした音楽イベントの誘致やミュージックビデオの撮影によります観光民客と公民人口の増大を目的に舞鶴ミュージックコミッションの設立をいたしました。それ以降、コンサートや音楽フェスなどの誘致、ミュージックビデオの撮影など、適地を紹介する活動を続けて参りました中で、今回舞鶴ミュージックコミッションとして初めての音楽イベント、第1回近畿北陸高等学校軽音楽コンテストの開催を行なったところであります。この音楽イベントは、高校の部活動として日々練習に励んでいる生徒たちの日頃の成果を発表する場として開催したコンテストであり、軽音楽に取り組む高校生たちによる素晴らしい演奏が繰り広げられる中、多くの市民のみなさまに鑑賞いただいたところでございます。会場であります総合文化会館は平成26年度から29年度の間に大ホールの内装、舞台機構をはじめ、外壁までの全面改修を行なっており、参加をされた高校生からも良い施設として大変好評をいただいておりました。今回のコンテストでは、主催者であります特定非営利活動法人全国学校軽音楽部協会の方々が舞台演出や音響を担われ、必要な音響機材については持ち込まれたものとお聞きをしております。一般的なコンサートでは使い慣れた機材を持ち込まれるのが通例であり、文化会館は音響、照明等の標準的な整備を備えてご利用をいただいておりますが、機材の整備につきましては、今後、利用者のニーズをよく把握しながら検討して参りたいたいと考えております。

次に音楽合宿についてでありますが、ミュージックコミッション事業におきましては、コンサートや音楽イベント、さらには音楽合宿等の誘致の取り組みを進めているところであり、そのため本市の音楽施設や宿泊施設等をホームページなどでPRするとともに、様々な音楽関係団体と連携を行い、視察やモニターツアーなど、広く情報発信を行なっているところでございます。今後は今回の軽音楽コンテストを機に様々な高校、大学等の音楽サークルに対し、本市の音楽施設や宿泊施設、観光情報等の発信を行い、 音楽合宿が誘致できるよう取り組んで参りたいと考えております。いずれに対しましても、今後ともミュージックコミッション事業を通じ、本市の魅力や音楽環境をPRする中で音楽イベントや合宿の誘致を行い、交流人口の拡大に努めて参りたいと考えております。

仲井玲子議員

御答弁いただきまして、ありがとうございました。また、音楽のまち舞鶴についてでありますが、音楽のまち舞鶴から音楽好きが集まるまち舞鶴へと、週末、音楽という趣味を楽しむために人々が集うまちになればいいなあと思っております。ミュージックツーリズムの推進に舞鶴の音楽家を巻き込んでいただければと思いますので、また舞鶴市総合文化会館におきましては音楽好きに選ばれるための整備も、ぜひともお願い申し上げます。これで質問を終了します。どうもありがとうございました。

 

 

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