レポート

講習会/演奏会

静岡県立沼津東高等学校でバンドクリニックを開催

第115回 静岡県立沼津東高等学校 ギターアンサンブル部

第115回目の開催となる今回は、静岡県沼津市にある静岡県立沼津東高等学校を訪問。1901年に静岡県立沼津中学校として開校した静岡県の公立高校で、県下でも特に広い敷地を有しています。部活動も盛んで、陸上競技部をはじめ、フェンシング部やボート部、競技カルタ部や新聞部は東海総体や全国大会の出場権も獲得しています。

開会式で講師陣の紹介やクリニックの趣旨を説明し、ギターアンサンブル部の部長や顧問の先生からも歓迎のメッセージをいただくと、早速、当協会の三谷理事長による「部活動としての軽音楽部」に関する座学からスタート。部活動に取り組む姿勢や練習の成果を発揮する演奏会やコンテストに挑戦すること。また、軽音楽部の活動で得られるスキル(コミュニケーション、チークワーク、クリエイティビティ、エンターテインメント)など、様々な視点から部活動の在り方を紹介しました。

▲課外活動の一環である部活動の在り方や心構えなどを紹介

第2部は辻副理事長による「音楽理論講座」です。コードの成り立ちやメジャーとマイナーの違い、王道のコード進行パターンやJ-POPを中心とした例題曲の紹介など、スライドや鍵盤を使用しながら解説。今後はオリジナル曲の制作にも取り組んでいきたいとのことで、熱心にメモを取ったり、講義後に質問に来る部員の姿がありました。

▲音楽理論の講座ではコード進行の成り立ちをゆっくり解説

昼食休憩を挟んで、午後は「アンサンブルが良くなる練習方法」に関する座学です。普段、何気なく行っている練習を「個人練習」「バンド練習」「ライブ練習」の3つに分類し、目的を明確にしながら取り組むことで、成果がまったく異なることを解説。特に部活動で、メンバーが集まって取り組む際は個人練習ではなく、バンド練習や本番に向けたライブ練習を行うべきであり、目標設定や振り返りを行う時間も大切であると述べました。また、演奏する際はメンタルの共有も重要で、演奏曲の歌詞や世界観をメンバー間で共有するのはもちろん、積極的に意見交換をしたり、「皆で合わせよう!」という意識を持ちながら演奏するなど、「練習はミーティングです」と、辻副理事長が解説しました。

▲練習を個人・バンド・ライブに分けて取り組みましょう

後半は代表バンドによるアンサンブルのクリニックです。SHISHAMOやヨルシカ、aikoや10-FEET、あいみょんや優里のコピー曲を披露し、演奏後に総評やアドバイスを伝授。「全員でリズムを取り、特にドラムがスネアを叩くところ…2拍目と4拍目でノレるようになると、さらにグルーヴが出て、アンサンブルにまとまりが生まれるので、ぜひ意識してみてください」「演奏に関しては十分にできているので、今後はメンバーでアイコンタクトを取ったり、体を動かしながら演奏するなど、見た目にも楽しめる演奏を目指してください」など、今後につながるアドバイスやメッセージが伝えられました。

▲各バンドが演奏を披露し、アドバイスや講評を受けました

顧問の先生の声
顧問の私も勉強になるテーマばかりで、特に部活動としての軽音楽部の在り方は共感するものばかりでした。アンサンブルのレッスンは、どのバンドにも当てはまる課題が中心で、講評の前後でガラリと変わっていたのには驚きました。生徒たちの目もキラキラと輝いていたので、これを機にますます部活動を盛り上げていきたいです。
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