第112回 杉並区立荻窪中学校 軽音楽部
第112回目の開催となる今回は東京都杉並区にある杉並区立荻窪中学校を訪問。JR中央線西荻窪駅から徒歩15分のところに位置する同校には公立中学校としては珍しく軽音楽部があり、パートごとの基礎練習からバンド練習を中心に精力的に活動しています。
定刻となり、クリニックがスタート。開会式で講師陣の紹介やクリニックの趣旨を説明し、軽音楽部の部長や顧問の先生から歓迎のメッセージをいただくと、早速、当協会の三谷理事長による「部活動としての軽音楽部」に関する座学から始まりました。
講義の冒頭に「軽音楽部の評判を上げるのに大切なことは何だと思いますか?」「荻窪中学校の中で、軽音楽部の評判はどうですか?」と、部員たちに質問。部活動は学校に認められた「課外授業の一環」としての取り組みであること。また、サッカー部や野球部、吹奏楽部や美術部と同じように「目標に向かって一生懸命に努力し、結果を分かち合う」という部活動に取り組む姿勢や練習の成果を発揮する場への挑戦の大切さを図例を用いながら紹介しました。
第2部は「音と電気の基礎知識」に関する座学です。マイクの構造や集音した音がスピーカーから出力される仕組み、一般的なPAシステムの組み方などを解説。各機材の役割をはじめ、「外音」と「中音」の違いやモニタースピーカーの活用方法など、演奏時に役立つポイントを取り上げました。
第3部は「ボイストレーニング」に全員で挑戦です。ボーカル講師の伊丹谷良介先生が発声する際の体の使い方や腹式呼吸のコツ、基礎練習としての「リップロール」について触れ、実践しながら理解を深めました。その後のボーカル、ギター、ベース、ドラムのパートレッスンでは、楽器の正しい構え方やアンプの使い方、いつでもできる基礎練習などに取り組みました。
後半は代表バンドによるアンサンブルのクリニックです。White Berryや[Alexandros]、Vaundyなどのコピー曲を披露し、演奏後に講評を伝授。「人前で演奏するのは初めてとのことですが、正しい方向で上達しています。数をこなしていけば、より良い演奏になるので、頑張ってください」「全員でリズムを取り、特にドラムがスネアを叩くところ…2拍目と4拍目でノレるようになると、さらにグルーヴが出て、アンサンブルにまとまりが生まれるので、意識してみてください」「演奏に関しては十分にできているので、今後はメンバーでアイコンタクトを取ったり、体を動かしながら演奏するなど、見た目にも楽しめる演奏を目指してください」など、今後につながるアドバイスが伝えられました。全体の講評後はパートごとに集まって、より具体的な指導を行い、見学者も自分のことに置き換えて、参考にしました。
顧問の先生の声 |
今日のクリニックの内容は部員にとって新鮮なことばかりで、顧問の私も勉強になりました。特にアンサンブルのクリニックは、どのバンドにも当てはまることばかりで、講評の前後でガラリと変わっていたのには驚きました。今日の講義を部内で共有し、これからの活動につなげていきたいと思います。ありがとうございました。 |