第110回 東京都立府中東高等学校 軽音楽部
第110回目のデジレコ・バンド・クリニックの実施校は東京都府中市にある東京都立府中東高等学校です。京王線飛田給駅から徒歩10分のところに位置する同校は東京都教育委員会より「進路指導研究校アソシエイト」と「スポーツ特別強化校」の指定を受けており、アクティブ・ラーニングに根ざした授業と文武両道の学校生活を推進しています。
定刻となり、クリニックがスタート。開会式で講師陣の紹介やクリニックの趣旨を説明し、軽音楽部の代表生徒や顧問の先生からも歓迎のメッセージをいただくと、早速、当協会の三谷理事長による「部活動としての軽音楽部」に関する座学から始まりました。
三谷理事長は「軽音楽部の評判を上げるのに大切なことは何だと思いますか?」と部員に問いかけ、部活動は学校に認められた「課外授業の一環」としての取り組みであること。サッカー部や野球部、吹奏楽部や美術部と変わらず、「ある目標に向かって一生懸命に努力し、結果を分かち合う」という部活動への姿勢や練習の成果を発揮する場への挑戦の大切さなどを述べました。
第2部は「音と電気の基礎知識」についての座学です。「音とは?」という基本的な部分から始まり、マイクロフォンの構造や集音した音がスピーカーから出力される仕組みを紹介。PAシステムを構成する各機材の解説をはじめ、外音と中音の違いやモニター・スピーカーの活用方法など、演奏時に役立つポイントも取り上げました。
第3部は当協会の辻副理事長による「アンサンブルが良くなるための練習方法」と題した講義です。「練習」という日本語を英語にすると「プラクティス」「トレーニング」「リハーサル」「ドリル」という風に様々な言葉にできるなど、目的に合った「使い分け」が大切であることを紹介。普段の練習を「個人の練習」「バンドでの練習」「ライブに向けた練習」という風に仕分けをし、それぞれの目標や要点を明らかにすることで練習の質が向上し、効率よくスキルアップできると述べました。
後半は代表バンドによるアンサンブルのクリニックです。コピー曲を中心に演奏を披露し、演奏後に専門学校東京ビジュアルアーツの加藤先生と当協会の辻先生がアドバイス。「正しい方向で上達しています。発表の数をこなしていけば、より良い演奏になるので、ぜひ頑張ってください」「みんな上手に演奏していますが、体がフラついてしまっています。全員でリズムを取り、特にドラムのスネア・ドラムを叩くところ…2拍目と4拍目でノレるようになると、さらにグルーヴが出て、アンサンブルにまとまりが生まれるので、意識してみましょう」など、今後につながる講評と自分の音がよく聴こえるようになるアンプや機材の置き場所についても紹介しました。
顧問の先生の声 |
講義の中で講師の先生が伝えてくださったことは部員たちにとって新鮮なことばかりで、とても勉強になりました。生徒たちにとって、ためになる時間になったと思います。部活動のあり方や機材の扱いについて、合奏力を高める意識など、これからも生徒たちが主体となって、本校の軽音楽部を盛り上げて欲しいと思います。 |