制作職と技術職の2つに分けられます

▲音響やディレクター、アシスタント業務の実習中

職業としての音楽/エンタメ業界2021:ラジオにまつわる仕事(制作・技術)

音楽やエンターテインメントに関する職業や業界は多岐に渡りますが、一体どんな世界なのでしょうか。今回はラジオにまつわる仕事について、日本工学院専門学校/音響芸術科の古川(こがわ)先生に伺いました。(DiGiRECO.JR VOL.46〜2021年12月号〜掲載)

制作職と技術職の2つに分けられます

ー ラジオにまつわる仕事全般について教えてください

古川:ラジオに関わる仕事は大きく分けると「制作職」と「技術職」という2つのカテゴリーに分かれます。

制作業務の役割としては、番組を作る上で全体を統括する「プロデューサー」やプロデューサーの指示の元で番組制作を指揮する「ディレクター」、ディレクターをアシスタントする「アシスタントディレクター」といった職種が挙げられます。これらの職種における仕事の内容としては、放送局や企業(番組を提供する会社)から依頼を受け、企画の立案からキャスティング、番組をスムーズに進行するための台本作りなどを行います。

一方の技術職では、リスナーが聴きやすいように音をミキシングする「ミキサー」の仕事があります。また、放送局において機材の管理や運用をする「送出・技術」という仕事もあり、機材の管理や運用を行う役割を担っています。このように「制作」と「技術」の力が合わさって、ラジオ番組が作られています。

ー 入学前に、ある程度の知識は必要ですか? 高校時代にやっておいた方が良いことも教えてください

古川:入学前に「これが必要!」というものはありませんが、強いて言えば、多くのラジオ番組を聴いて、感性を磨いておいて欲しいと思います。自分の好きなジャンルのラジオ番組だけを聴くのではなく、選り好みせずにラジオを聴くことで、多くの「気づき」が生まれます。

また、ラジオ番組だけではなく、映画やテレビ、コンサートやイベントなどに参加するのも勉強になります。多くの作品に関わることで、ラジオ番組制作のヒントになることも多くあると思いますので、常に興味や関心を持って過ごして欲しいと思います。

高校時代にやっておいた方が良いことに重複する部分もあるのですが、ラジオ制作ではたくさんの「音楽」を扱うケースが多いため、クラシックや洋楽、邦楽など、多くの曲を聴き、楽曲を知っておいた方が選曲のレパートリーが増えるので、オススメします。

ー この仕事の楽しいところを教えてください

古川:一番は自分の関わった番組が放送され、多くの方々からの反響があった時は達成感があります。また、ラジオ番組はテレビ番組と違って、出演者の方が本音でトークをすることが多くあるので、そこも面白いところだと思います。それから、「公開ラジオ収録」といったイベントもあるのですが、実際にお客さん(リスナー)が会場にいて、収録を聴いているお客さんの笑顔を見た時にも仕事へのやりがいを感じます。

ー この仕事の大変なところを教えてください

古川:番組を制作する上で大変なところの1つに、出演者のスケジュールによって時間が左右されることが挙げられます。それによって業務時間が不定期になり、深夜まで収録作業が行われるような場面は大変なところかもしれません。

また、アイドル関係の番組制作では出演者の都合によって地方まで収録をしに行くことや、場合によってはコンサート会場の楽屋で、限られた時間の中で収録を実施するなど、臨機応変に対応できるスキルと行動力が必要不可欠になるため、「自分のペースで仕事がしたい!」という方には難しく感じる部分もあるかもしれません。

ー この仕事は、どんな人にオススメですか

古川:第一に、ラジオやテレビ番組が好きな人でしょうか…。「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるように、自分の好きなものには、どんな苦しいことがあったとしても、情熱を持って、最後まで取り組めると思います。

それから、「フットワークよく行動ができる人」「コミュニケーションを取ることがうまい人」も、この仕事に向いていると思います。先述の「仕事の大変なところ」でも言いましたが、収録を行う上で、地方への出張や不規則な時間帯での作業などが多い現場のため、何事においてもフットワークよく行動ができる人は強いです。

ー この仕事を続けるのに大切なことは何でしょうか

古川:1つ目は「発想力」が挙げられます。番組を制作する上で最初に行うのが、企画の立案です。新しく番組を制作する場合は「ターゲット層はどの年代なのか」「放送時間は何時頃か」「それらを踏まえ、出演者は誰にするのか」といったことを検討しながら番組制作を進めていくので、柔軟な発想力が必要になります。

2つ目は「コミュニケーション能力」です。テレビ番組と違い、少ないスタッフで制作していることが多いので、出演者や他のスタッフとの連携が必要不可欠です。このため、出演者との信頼関係やリスナーとの親密感が高くなるため、本人がプライベートな情報などを自ら放送することも、そのためです。誰とでも良好なコミュニケーションを取れるスキルが必要です。

3つ目は「フットワーク」です。収録場所や時間など、急に変更がかかる場合も多々あり、それに対応できる能力が必要です。震災などの緊急事態が起きた場合はテレビやインターネットよりも公共放送としての放送に対応することもあるため、臨機応変にフットワークよく行動できる力が求められます。

▲FM yokohamaの「Startline」の公開収録時の様子

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