企画の立案から運営までを行います

職業としての音楽/エンタメ業界 2021

音楽やエンターテインメントにまつわる職業や業界は多岐に渡りますが、一体どんな世界なのでしょうか。今回は「コンサート制作」にまつわる仕事について、日本工学院専門学校のコンサート・イベント科/コンサート制作コースの森永さんに伺いました。(DiGiRECO.JR VOL.45〜2021年10月号〜掲載)

企画の立案から運営までを行います

ー コンサートやイベント制作の仕事について教えてください

森永:アーティストのワンマンライブから日本各地を回る全国ツアーやフェスへの参加に至るまで、多様化したコンサートやイベントの企画立案から運営までのすべてを行う仕事です。具体的には「人」「モノ」「お金」「時間」の管理を行います。また、イベントを開催する会場が大きくなると、それに関わるスタッフの人数も増えます。すると、食事や備品等の数も増えるので、必然的に経費も増える…という具合に、すべてが連動しています。それから、想像力を働かせて「ひょっとしたら、こうなるかも…」ということを考え、その対策を先に立てておくこともあります。例えば、「イベントの本番に台風が来たらどうする?」とか「アーティストが体調不良になったらどうする?」など、あらゆる危機に対する管理能力が必要になり、それらを仕事を通して鍛えることができるのも、この仕事の一面です。

ー 入学前に、ある程度の知識は必要ですか? 高校時代にやっておいた方が良いことも教えてください

森永:プロとして音楽業界で働くということは、自分の好きな音楽だけに関われるということではないので、まずは「さまざまな音楽を知っておく」ということが大切です。つまり、普段は聴かないような音楽もたくさん聴くようにしてください。また、アーティストと会話する際に「あのアーティストの、あの演出!」などの話題が日常会話でも出てくることが多いので、洋楽まで手広く知っておくと、アーティストとの信頼関係を早く作ることができます。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で「ライブ配信」をする際の「映像」の知識も必要となりました。演出としての映像や収録としての映像などは切っても切れない関係ですので、映像作品(映画やMVなど)もたくさん知っておいた方が良いと思います。

ー この仕事の楽しいところを教えてください

森永:楽しいことはたくさんありますが、一番はコンサート会場で見るお客様の笑顔やアーティストの笑顔を見た時です。「こんな素敵な空間を作る一員になれた!」という気持ちは、この仕事の醍醐味です。また、自分が関わったイベントがテレビで放送されたり、映像作品として商品化されたりすることも多く、時にはスタッフ欄に自分の名前が掲載されることもあるので、自分の仕事を誇り高く思える瞬間も多くあります。それから、全国ツアーに出る制作仕事の場合、ご当地の名産や、その土地でないと体験できないことも多々あるので、仕事をしながら地方の魅力を感じることもあります。コンサート制作は人と多く関わる仕事なので、日本全国に幅広い人脈ができるというのも他の仕事にはない部分だと思います。

ー この仕事の大変なところを教えてください

森永:一番大変なのは「急な変更が多い仕事」という部分です。曲順や演出などのステージに関わることもあれば、悪天候で中止や延期などの運営に関係することまで、「ライブが終了するまでは何が起こるかわからない」という懸念を抱えながら仕事をするのが大変な部分です。また、アーティストによって準備するものや段取りが違うことも多いので、現場によって正解が変わります。「前回は褒められたことでも、今回は必要がなかった」ということも日々あるので、自分のモチベーションを保ちながらも仕事を先に進めないといけない部分も大変なことの1つかもしれません。

ー この仕事は、どんな人にオススメですか?

森永:「とにかく音楽が好き!」ということが基本にありつつ、「人のためになりたい!」というホスピタリティーがある人にオススメです。「人見知りだし、いろいろな人とコミュニケーションを取りながら、物事を進めていくのは自分には無理かも…」と思っていても、日々強制的に人と交流することになります。すると、気が付いたら「なりたかった自分」になっていたりもするので、「人見知りを直して、音楽の仕事に携わりたい!」という人にもオススメです。

ー この仕事を続けるのに大切なことは何でしょうか。3つほど教えてください

森永:コンサート制作の仕事は「懲りない」「めげない」「驕(おご)らない」が大切です。また、この仕事は華やかな反面、大きなプレッシャーもかかります。その重責を楽しめる「楽観性」と絶対に失敗できないことへの「責任感」という、一見相反するように見えますが、この2つのバランスも大切です。また、感染症の影響で今までの常識が通用しなくなっている現状もあるので、新しい発想や感性を持つことも今後は大切になると思います。

▲Zepp Haneda(TOKYO)とKT Zepp yokohamaでの外部実習ライブ

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