こだわりを持つことが大切です

▲最新技術を駆使したプロジェクション・マッピング実習

職業としての音楽/エンタメ業界 2021

音楽やエンターテインメントにまつわる職業や業界は多岐に渡りますが、一体どんな世界なのでしょうか。今回はテレビや映像に関する仕事について、専門学校名古屋ビジュアルアーツの内藤さんに伺いました。(DiGiRECO.JR VOL.44〜2021年8月号〜掲載)

こだわりを持つことが大切です

ーテレビや映像の仕事について教えてください

内藤:非常にたくさんの職種があるので、すべてを説明することはできないのですが、テレビを例に挙げると、番組を作る上での中心になる「制作スタッフ」という仕事があります。その中にアシスタント・ディレクターやディレクター、プロデューサー、もっと細かいところでは、リサーチャーや編集マン、MA、音響効果、放送作家といった職種が挙げられます。その制作スタッフの両脇を固めるのが、「技術スタッフ」と「美術スタッフ」です。カメラや音声、照明などが技術系の仕事で、大道具や小道具、持ち道具、メイク、衣装などが美術系の仕事になります。細かい部分の言い方の違いや、さらに細分化されるものもあると思いますが、テレビをはじめ、映画やミュージックビデオ、CMなどの「映像を制作する」という仕事で考えると、制作・技術・美術の3つに分類することができます。

ー 入学前に、ある程度のスキルや知識は必要ですか?

内藤:番組制作や技術、美術に関する仕事は、なかなか高校生のうちから体験したり、経験できる分野ではないので、特に必要なスキルや知識はありません。ただ、「高校生の間にやっておいた方が良いことはありますか?」という質問をいただくことが多いので、そこでお伝えしているのは、テレビや映画、ミュージックビデオやYouTubeなど、プロが制作した番組や作品をただ見るのではなく、様々な視点で視聴する姿勢をオススメしています。制作の裏側であったり、「どういう意図で、こういう番組構成にしているのだろう?」「どんな手法で、こんな撮影をしているのだろう?」という点に注目したり、気にしながら視聴するのは高校生のうちから実践できると思います。ボーッとテレビを見ながら笑うのではなく、制作の背景を意識しながら視聴することができると、そこから新たな興味が湧いたり、意欲が高まってくるものなので、オススメです。

ー この仕事の楽しいところや、やりがいを教えてください

内藤:1つ目は、いろいろな職種や業種の方々と仕事ができるのが、やりがいの1つに挙げられます。ミュージシャンや俳優、お笑い芸人やタレントなど、芸能界で活躍されている方をはじめ、専門家の監修が必要な番組の場合は医師や弁護士、国家公務員や大学教授など、なかなか普段は話を聞くことができなかったり、接することがない方々と仕事をすることができます。2つ目は、特にテレビの仕事に言える部分なのですが、視聴者の反応がダイレクトに伝わってくる点です。例えば、自分が担当した番組はオンエアを確認するのですが、その際にTwitterで視聴者の投稿をチェックしています。テレビ番組や映像媒体というのは視聴してくれた人たちの感想をダイレクトにキャッチしやすいメディアなので、そこが仕事のやりがいにも直結すると思います。

ー この仕事の大変なところを教えてください

内藤:一概には言えない部分もあるのですが、テレビにしろ、映画や映像作品にしろ、いわゆる本番までの「仕込み」の部分が最も大切であり、大変に感じる部分だと思います。撮影の開始/終了時間をはじめ、こだわりたい部分や修正が必要なところなど、編集にあてる時間もかかるため、いわゆる「9時に出社して、18時に退勤…」という世界ではない、勤務体型が特殊な業界です。また、特に地上波の番組は撮影や編集のタイムリミットがとてもシビアなので、そこへのプレッシャーもあると思いますが、それらを上回るくらいに楽しくて、面白い業界です。

ー この仕事は、どんな人にオススメですか?

内藤:好奇心が旺盛な人に向いていると思います。テレビや映画をはじめ、映像作品全般に言えることですが、「面白い」「感動した」「すごい」と視聴者が口にするなど、この業界は人々の感情に問いかけていく部分が大きい世界です。その際、新しいアイデアを盛り込んだり、切り口を変えてみることが大切であり、これまでやってきたものを続けていくだけでは飽きられてしまうので、想像力を駆使できる人や何事にも興味や関心を持てる姿勢が重要です。また、特に映画やミュージックビデオは最新技術や表現方法を積極的に取り入れる分野なので、そういった業界の動向やトレンド、新しい技術にも目を向けていくことになります。結果的に、それが興味や関心、好奇心につながるように、どんな部分にも「こだわりを持つこと」が大切です。これが「仕事」ではなく「作業」になってしまうと、どんどん質が低下し、つまらないものになってしまいます。映像制作に関わる仕事というのは、いわゆる1つの「表現者」ですので、どんな番組にしろ、作品にしろ、こだわりを持って臨む姿勢が必要だと思います。

▲撮影した映像に特殊効果を施す技術も授業で学びます

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