8月31日に開催した「第1回 近畿北陸高等学校軽音楽コンテスト」では、来賓の挨拶として、7月末に開催した中部大会に続き、文化庁より芸術文化・芸術教育担当の坪田知広参事官にご登壇いただき、大会の開催にあたってのお言葉をいただきました。また、参事官は全出場バンドの演奏を鑑賞され、閉会式でも出場した高校生に向けてのお話をいただきました。
以下、当日のスピーチを掲載します。
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皆さん、こんにちは。文化庁で芸術文化・芸術教育担当の参事官をしております、坪田知広でございます。コンテストの開催にあたりまして、挨拶を述べたいと思います。
今日は第1回目の近畿北陸高等学校軽音楽コンテストということで、本当にフレッシュな雰囲気で、皆さんも適度な緊張感を抱いていることと思います。文化庁としては、どうしてもオーケストラやオペラといったクラシック音楽の推進を中心に取り組んでいると見られがちですが、私自身はポピュラーミュージックも大好きで、普段聴いています。高校の部活動としては吹奏楽や合唱の発表は本当に素晴らしいもので、全国各地の大会にお邪魔しているのですが、この度、軽音楽に関しても高校の部活動として、教育的な意味合いを込めて広げていこう。大会への参加の機会をどんどん与えていこうという流れが生まれたことは、公私共々、本当に嬉しく思っているところです。大会に出場する生徒の皆さん、そして、それを支えている顧問の先生や指導者の皆さんにおかれましては、ご労苦が多いと思います。本当に頭が下がる思いです。
文化庁としては高校生の文化部活動の全国大会として、全国高等学校総合文化祭を行っており、今年も佐賀県で盛大に開催されました。ただ、軽音楽については全国的な団体ができていないこともあり、年度によって軽音楽部門の大会が開催されたり、されなかったり…という動きが続いていたのですが、来年度の高知県大会では軽音楽部門が設けられることが決定しています。この軽音楽部門大会が恒常的に開催され、そして、この近畿北陸高等学校軽音楽コンテストも大いに盛り上がり、どんどん広がっていくことを文化庁としても望んでいるところであります。この大きな動きを組織立って支援していただいている、特定非営利活動法人 全国学校軽音楽部協会の皆様、本当にありがとうございます。また、共催として、この場を提供いただきました舞鶴市の皆様にも感謝を申し上げます。これを機に部活動としての軽音楽が大いに盛り上がり、全国的に波及していくことを心から祈っておりますし、ますますの発展に期待しています。出場する高校生の皆さんにとっては夏休み最後の、もう既に2学期がスタートしている学校もあると思いますが、明後日から本格的に学校が始まる前のこの日、思いっきり演奏していただきたいと思います。
さて、主催者の三谷さんのご挨拶にもありました通り、この大会は「チームワーク」がとても重視されると伺っています。7月の中部大会も見させていただいたのですが、どの審査員もコメントをするのが「ギターとベースのタイミングが合っている」とか「全員のリズム感が感じられる」といった観点です。ぜひ演奏中はメンバーとアイコンタクトを取り、お互いの顔を見て、うまく音を合わせて、綺麗なアンサンブルを聴かせて欲しいと思っています。
出場する高校生の皆さんの中には、将来は音楽業界や楽器業界への就職を考えている人もいると思います。ぜひキャリア教育の一環としても大会への出場の機会を大切にしていただき、皆さんの演奏を支えてくださるスタッフの方々への感謝の気持ちにも思いを馳せられるような、そんな成長をして欲しいと思います。今日は皆さんの演奏を楽しみにしています。