第111回 サレジオ学院中学校・高等学校 軽音楽部
第111回目のデジレコ・バンド・クリニックの実施校は神奈川県横浜市にあるサレジオ学院中学校・高等学校です。横浜市営地下鉄グリーンライン北山田駅から徒歩7分のところに位置する同校は中高一貫教育を行う私立男子校で、部活動や委員会の数が多いなど、勉強はもちろん、課外活動も積極的に行われています。
定刻となり、クリニックがスタート。同校での実施は2013年以来、実に10年ぶりとなります。開会式で講師陣の紹介やクリニックの趣旨を説明し、軽音楽部の代表生徒や顧問の先生からも歓迎のメッセージをいただくと、早速、当協会の三谷理事長による「部活動としての軽音楽部」に関する座学から始まりました。
講義の冒頭に「軽音楽部の評判を上げるのに大切なことは何だと思いますか?」と、生徒たちに質問。部活動は学校に認められた「課外授業の一環」としての取り組みであること。また、サッカー部や野球部、吹奏楽部や美術部と同じように「目標に向かって一生懸命に努力し、結果を分かち合う」という部活動に取り組む姿勢や練習の成果を発揮する場への挑戦の大切さを図例を用いながら説明しました。
第2部は「音と電気の基礎知識」に関する座学です。マイクロフォンの構造や集音した音がスピーカーから出力される仕組み、一般的なPAシステムの組み方などを紹介。各機材の役割をはじめ、「外音」と「中音」の違いやモニター・スピーカーの活用方法など、演奏時に役立つポイントを取り上げました。
第3部は協力校である専門学校東京ビジュアルアーツ/音楽総合学科の中村先生による「アンサンブルが良くなるための練習方法」と題した講義です。「コミュニケーションを取りながら演奏する」「グルーヴを共有して演奏する」「常に音量バランスを考えて演奏する」という3つのポイントを取り上げ、アンサンブルにはコミュニケーションが重要であり、常に相手の気持ちを尊重し、演奏時も思いやりの気持ちを忘れないことが上達の秘訣であると述べられました。
後半は代表バンドによるアンサンブルのクリニックです。Saucy Dogやback number、Adoなどのコピー曲を披露し、演奏後に当協会の辻 副理事長と専門学校東京ビジュアルアーツの中村先生がアドバイス。「人前で演奏するのは初めてとのことですが、正しい方向で上達しています。数をこなしていけば、より良い演奏になるので、頑張ってください」「上手に演奏できているのですが、少し体がフラついています。全員でリズムを取り、特にドラムがスネアを叩くところ…2拍目と4拍目でノレるようになると、さらにグルーヴが出て、アンサンブルにまとまりが生まれるので、意識してみましょう」など、今後につながる講評が伝えられました。
顧問の先生の声 |
講師の方々が教えてくださった内容は部員にとって新鮮なことばかりで、顧問の私も勉強になりました。特にアンサンブルのクリニックは、どのバンドにも当てはまることばかりで、参加できなかった部員にも聞かせたいです。今日の講義を部内で共有し、新学期からの活動につなげていきたいと思います。ありがとうございました。 |
協力:専門学校東京ビジュアルアーツ