東京都軽音連の軌跡 第17回

高等学校における軽音楽活動の健全な向上発展と、加盟校が相互の親睦を図ることを目的に2007年の11月に発足。2009年には、東京都高等学校文化連盟に軽音楽部門として認可を受ける。現在、加盟校数は116校、所属部員数は約5,800名を数える大きな組織へと発展。生徒たちが演奏技術や芸術性を競うことはもとより、マナーやルールを守ること、親睦を深めることなど、学校教育の一環としての軽音楽活動の推進に主眼を置いている。活動内容、加盟校、沿革などは連盟公式ホームページに掲載。

http://www.tokyo-keion.com/


今回は「TKKR BND CLUB」(ティーケーケーアール・ビーエヌディー・クラブ)という、顧問の先生が集うバンドサークルについてご紹介いたします。

前号でも少し触れましたが、顧問同士が横のつながりを持つには、音楽活動で意気投合するのが一番の近道と考え、連盟発足の際に呼びかけたのが、この活動の始まりです。東京都の軽音楽部顧問であれば誰でも入会でき、これまで50名以上の顧問の先生が活動に参加されました。主な活動は、年に1〜2回のスタジオセッション大会と、定例のライブコンサート(近年は毎年6月下旬に実施)です。また、連盟主催大会のゲストバンド枠(審査待ちの時間)に、顧問バンドとして出演することもあります。会員は専用のBBSを通して情報交換をし、ライブやセッション大会の前には、演奏したい曲やスケジュールなどを書き込んで、バンドを編成したり、演奏曲や練習日程などを決めていきます。

TKKRの活動で演奏するのは、コピー曲に限定しています。ジャンルは問わず、自分が若い頃に聴いていた曲、弾いたことのある曲、弾いてみたいと思っていた曲、最近興味のある曲などを、同志を募って演奏します。また、往年の名曲を若い世代に伝えたり、新しい音楽を幅広い世代で共有することも活動目的の1つです。会員の中には、個人の活動でオリジナル曲を発表している方もいらっしゃいますが、皆さん、この趣旨に賛同され、コピー曲の演奏を楽しんでいます。

「スタジオセッション大会はとにかく楽しみ(自己満足あり)、ライブでは人をうならせる演奏を!」をモットーにしていますが、生徒の技術レベルが各段に上がっている昨今、決勝大会のステージに立つ時には、プレッシャーを感じることもあります。しかし、生徒たちと同じ舞台で演奏し、一喜一憂することは部活動指導に大いに役立つと考えています。ですので、一人でも多くの方に大会のステージを経験していただき、生徒と話題を共有していただければと思っています。

TKKRは連盟の歴史と共に歩みを続けています。今では気心知れた仲間たちが集い、新たなメンバーを歓迎する環境も整いました。しかし、10年前の第1回目のスタジオセッション大会の時には、集まったメンバーが互いの好きな音楽はおろか、名前や所属校すらわからない中で夢中で演奏をし、まさに音を通して親交を深めたことをよく覚えています。初めて出会った方と演奏を楽しみ、音楽談義や教育談義に花を咲かせる機会を持てるのは、とても素晴らしいことと感じました。

現在は、連盟の業務に追われる中、校務やプライベートでも以前よりもはるかに時間を取られるようになり、個人的には青色吐息で活動している感があります。しかしながら、TKKRを通して築いた先生方との信頼関係はかけがえのないもので、皆が一堂に会して演奏したあとは、毎回本当にやって良かったと感じます。忙しさを理由に文化活動をなおざりにしてはいけないと、心してこの活動を続けています。

定例のライブには、東京以外の先生方も参加してくださっています。初期の頃は、千葉や大阪の顧問の先生がご出演くださいました。また、神奈川の連盟役員で、素晴らしいミュージシャンでもある先生方に、第1回目のライブからゲストとして出演していただいています。毎回、クオリティーの高い演奏を披露してくださるので、TKKRの会員は大いに刺激を受けてきました。

そして、4年前には「TKKRの活動に倣って、神奈川でも顧問バンドのライブをやることになったので、ゲストで来てくださいよ」とお声がけをいただきました。東京に先んじて連盟を立ち上げ、たくさんのことを教えてくださった神奈川の先生方から、そのようなお誘いをいただいた時は本当に嬉しく思いました。それ以降、神奈川では「Kライブ」という顧問バンドのライブを毎年行っており、東京のメンバーも毎回出演させていただいています。

また、ここ何年かは埼玉の顧問の先生方にもお声をかけています。都県の枠を越えたメンバーで編成するミックスバンドも多く出演するようになり、音楽を通したつながりはさらに広がっています。

ところで、連盟の大会ではオリジナル曲でのエントリーが圧倒的に増えてきましたが(連載第6回参照)、コピー曲やカバー曲に限定した大会の待望論も根強く寄せられています。そこで、昨年度、生徒たちが出場するコピー曲限定の大会「コピバン祭」をTKKRが主催してスタートさせました。次回はこの大会について、ご紹介させていただきます。

TKKRライブの大団円。ラストは、出演バンドの代表がステージに上がって共演する


東京都高等学校軽音楽連盟 委員長 成女高等学校 LM-CLUB顧問

佐々木弘人

連盟の設立に携わり、現在委員長を務める。LM-CLUB(軽音楽部)では、すべてのパートの指導にあたり、作詞・作曲・アレンジ・音楽理論も教える。部の公式HPには活動の様子や大会での成績が掲載されているほか、200曲近くにのぼる歴代のオリジナル曲が紹介され、一部試聴もできる。http://lm-club.com/

関連記事

  1. 東京都軽音連の軌跡 第19回

  2. 東京都軽音連の軌跡 第18回

  3. 東京都軽音連の軌跡 第16回

  4. 東京都軽音連の軌跡 第15回

  5. 東京都軽音連の軌跡 第14回

  6. 東京都軽音連の軌跡 第13回