来年の夏は、音楽合宿に行こう!

皆さん、全国の軽音楽部の中には夏休みなどを利用して「合宿」を行なっている学校も少なくないって知っていますか? 野球部やサッカー部などの運動部ではよく聞く話だけど、軽音楽部で合宿なんてできるの? と思っている人も多いのではないでしょうか。音楽に没頭できる環境と設備の整ったスタジオ、それに発表会ができるイベント・ホール。軽音楽部の仲間と過ごす音楽漬けの数日間は、きっと部活動全体のレベル・アップにつながり、高校時代の良い思い出となるでしょう。まだ行っていない学校は、来年度こそ合宿を実施して、バンドや部全体の底上げを狙いましょう!

合宿を行うメリット

  1. 設備の整ったスタジオが使える
  2. 練習時間を長く取れる
  3. 音楽に没頭できる
  4. 合宿ならではのメニューができる
  5. 全員の状況が一気に把握できる
  6. 部員同士の絆が強まる
  7. 高校生活での良い思い出となる

演奏しっぱなし。練習スタジオが24時間利用可能!

練習時間が普段の20倍

学校によって違いはあると思いますが、普段の部活動で1バンドに与えられる練習時間は30分ぐらいが平均のようです。短い時間だからこそ前もって準備をしたり、集中して練習ができていることと思いますが、そこで出た問題点や修正点は次回に持ち越されてしまうことが多いのではないでしょうか。もちろん、後でゆっくりと冷静に考えることも大切ですが、その日のうちに解決した方が良いことも多いはずです。

合宿所となるホテルやロッジなどの宿には、メンテナンスの行き届いた機材が一通り揃ったスタジオが複数用意されています。多くの場合24時間利用可能で、宿のルールや別団体の有無などにもよりますが、基本的には自由にスタジオを使うことができます。当然、それぞれのバンドに与えられる練習時間も格段に多くなるでしょう。スタジオに入って音を出せる時間が多いこと、それが合宿の最大のメリットです。

睡眠や食事、入浴、ミーティングなどの時間を除いても、1日のうちにスタジオに入れる時間は10時間ほど捻出できます。普段の練習時間が30分だとすると、ざっと20倍(!)です。細かいアレンジのチェック、様々なシミュレーション、バンドだけでの基礎練習、曲作り、アンプや楽器の音作りなどを、じっくりと行うことができます。大会などの前に合宿を実施する学校が多いのもうなずけます。

音楽に没頭できる環境

合宿で何よりも嬉しいのは、日常を離れて「音楽に没頭できる」ことです。バンド練習、全体練習といったメニューはもちろんのこと、個人練習、ロビーや部屋での会話など、睡眠時間以外は音楽のことだけ考えていれば良いという、普段では絶対にありえない夢のような時間を送ることができます。

自由時間には散歩でもして歌詞を考えたり、自然に囲まれたベンチでギターを練習したり…。雑音に惑わされない、いつもとは違う環境に、集中力も増すかもしれません。

特別メニューで、一気にスキル・アップ!

合宿ならではのメニューを取り入れる

時間的に余裕があり、音楽に没頭できる合宿では、普段の練習よりも時間をかけたメニューや課題を行うことができます。普段のルーティン練習を長めに行っても、合宿時にしかできない特別メニューを行っても良いでしょう。また、多くの場合、宿泊する宿にはライブができるステージが併設されているので、最終日に「発表会」を行ったり、ホールで基礎トレーニング・メニューを全員で行うこともできます。事前に使用状況などを確認しなければなりませんが、普段広い場所で練習することの難しい学校には特にありがたいのではないでしょうか。

中には、割り切って「合宿の時だけのバンド」を編成する学校もあるようです。全員がフラットな状況で合宿期間中に楽曲をまとめ上げなければならないので、即戦力と集中力が鍛えられます。その場合、好きな者同士組むのではなく必ず先輩と後輩が組むようにすると、部員同士の関係性も向上します。

「合宿中に1から楽曲を作らなければならない」という課題も面白いでしょう。曲作りに慣れていなくても、普段と違う環境ならできるかもしれません。特に都会から来た学校の場合、食後の散歩でもしながら大自然のきれいな空気を思いっきり吸っていたら、頭がスッキリして素晴らしい曲ができるためのアイデアが溢れ出てくるかもしれません。

同じ釜の飯を食って、部員同士の絆が強化!

団体行動から生まれる、チームワーク

部活動で最も大切なのは、部員同士の関係です。軽音楽部は「バンド単位」の活動がメインになりがちなので、部活動としての統率が取りにくい場合も多くなります。しかし、それは普段の活動の中では先輩後輩の関係や同級生同士の関係を深めることがなかなか難しいからだとも言えます。

合宿では、数日間部員全員が寝食を共にします。よく言う「同じ釜の飯を食う」ことで、チームの結束力は格段に高まります。それは、ただ単に皆で食事をすることが大事なのではなく、配膳、席順、お茶の配布、片づけなどを共同で行うことや、周りに気を配ることによってチームワークを生むためです。それは、相部屋で過ごすことも同じです。自分勝手な行動は慎み、周りの状況をよく見て把握し、今自分は何をするべきなのかを考えるといった感覚は、部活動やバンドというチームの中での責任感とコミュニケーション力を育てます。

共同生活が苦手だという人も、軽音楽部の仲間同士なら安心できるのではないでしょうか。

個々のつながりが深まる

合宿では、先輩後輩や同級生との個人的なつながりも深まります。「普段の練習ではとっても厳しい先輩が、話してみたら意外に優しかった」「いつもチンタラしている下級生が実はとても行動力があった」「顧問の先生がすごく音楽に詳しかった」…などというのはよくあること。いつもより長い練習時間、食後の休憩時間、部屋やロビーでの会話など、合宿は普段以上にコミュニケーションが取りやすく、それぞれの知らなかった一面が見えたりします。部員同士の絆が深まって、休憩時間や自由時間に音楽談義に花が咲くことでしょう。

部員同士の距離が縮まれば、先輩に質問したり、個人的な指導を受けたりするきっかけにもなります。「空いてるスタジオで音を出して説明しよう」「じゃあ、晩ご飯が終わったらギター持って部屋に行くね」など、普段ではできないコミュニケーションが生まれ、悩みを抱えていた同級生や後輩が相談するきっかけ作りにもなります。部員それぞれがより密接な関係を築くことで、自発的に動き出せるようになる環境があることも合宿の魅力の1つです。

全体が見えて、部活動の運営に反映できる!

すべての部員とバンドの、状態を把握

部活動の運営に欠かせないのは、「バンドごとの状況や部員それぞれの状態を把握する」ことです。特に軽音楽部の場合、練習やミーティングといった活動がバンド単位で行われることが多い分、個々の感じていることや考えを聞くチャンスがなかなかなかったりするのではないでしょうか。もちろん、それは顧問の先生や部長などの仕事ですが、逆に言えば、先生や部長が全体のことを把握してくれていないと、今の軽音楽部には何が足りないのか、今後どうすれば良いのか…といったことが見えてきません。部員1人1人の考えていることや悩み、やる気、バンドごとの進行状況、仲の良さ、抱えている問題の有無…といったことは、普段の部活動では隠れていたりする場合があります。しかし、合宿で数日間を共に過ごすことによって、そういったことがつぶさに把握でき、今後のアドバイスや運営に反映させることができます。

顧問の先生や幹部部員にとっても、部員それぞれの成長度、バンドのまとまり具合や楽曲の完成度などを把握しておくことは大事なことです。合宿時にはノート片手に各スタジオを回り、バンドごとの進行状況をチェックしてみてはいかがでしょうか。また、下級生バンドなどは思いもよらないところでつまずいている場合もあります。そういったことにいち早く気づいて相談に乗ってあげられることも合宿の利点です。入部間もない1年生に意見を求めたら、意外と思いもしなかったアイデアが飛び出すかもしれません。

長めのミーティングで、意思疎通を図る

ある意味、閉ざされた環境の中での共同生活は、必ず音楽と軽音楽部に向き合わなければならない状況です。普段、部員同士で話し合う機会がないという学校も、朝礼に始まり、夕食後の1日の報告会や反省会など、合宿では部員全員による少し長めのミーティングも可能です。普段思っていることや改善点、何かしらの不満や悩み、お互いの演奏についてなど、意見交換や議論し合うことも、部活動としてまとまっていくための大切なプロセスです。

高校時代の、一生の思い出になる!

今だけのかけがえのない時間

大人になって振り返った時に、高校時代の思い出がキラキラ輝いている人とそうではない人の違いは「一生懸命に何かに打ち込んだかどうか」かもしれません。個人的に、あるいは気の合う仲間と精一杯取り組んだことは、生涯の良い思い出となります。ましてや、数日間寝食を共にして一緒に練習した合宿の思い出は、大切な宝物になることでしょう。高校生時代の「今」しかできないかけがえのない時間と、軽音楽部でしかできない経験を、仲間と一緒に共有しましょう。

「合宿のしおり」を作ろう

イベントや合同ライブを開催する時などと同様に、合宿にもスケジュール管理、部員管理、機材管理、部屋ごとのリーダーなど、様々な係が必要です。部員に仕事を振り分けることによって、それぞれに責任感が生まれます。

事前の準備の確認のためには「合宿のしおり」を作ることが一番です。しおりには合宿のすべての情報が載るので、良いしおりを作るためにはそれぞれの係がちゃんと準備をして資料を提出する必要があります。すなわち、しおり作りは部員全員の協力が不可欠な共同作業なのです。合宿は、合宿を計画した時点で既に始まっています。ぜひ、合宿の係の中に「しおり係」を設けましょう。

部活動として、ルールを守って参加する

部活動で合宿を行うためには、学校の許可が必要です。普段からルールを守り、目標に向かって切磋琢磨している部活動でなければ、合宿の許可はとても出ません。学校は合宿を行うことで皆さんがさらに成長することを期待しています。部活動とは「学校に認められた団体」であることを忘れずに、合宿に行ける部活動になりましょう。

騒いで他のお客さんの迷惑にならないようにする、宿のルールや時間はしっかりと守る、といったことは当たり前ですが、それだけではなく、大きな怪我をしてしまったり、宿のものを壊してしまわないように気をつけましょう。下手をすると弁償や合宿の中断だけではなく、次年度から合宿が行えなくなる可能性もあります。もちろん、飲酒や喫煙、不純異性交遊などはもっての他です。未来の後輩たちのことまで考えて、高校生らしくルールを守って合宿に参加していれば、きっと素敵な一生の思い出となるでしょう。


軽音楽部合宿 宿選びの4つのポイント!

せっかく合宿に来たのに、満足のいく練習ができなかった…。なんてことにならないために重要なのは1にも2にも「宿選び」です。もちろん、すべてが希望通りにいくとは限りませんが、条件に優先順位を付けて、我慢するところはガマン、ゆずれないところはゆずれない!と前もって決めておきましょう。また、次年度以降のために、合宿先として合格かどうかを行った人たちで見極めることも大事です。

①機材

軽音楽部の合宿で最も大切なのはやっぱり「機材」。シーズン前にメンテナンスがされているであろうとはいえ、あまりにも古かったり、スタジオによって機種が違ったりすると、その度に音作りをし直さなければいけなくなります。ホールの常設機材も含めて、公式戦で使われている機材を標準と考えて確認しておくと良いでしょう。

Check Point!・・・ ミキサーの種類、常設マイクの本数、キーボードや譜面台の有無など。

スタジオとホール

希望の機材が揃っていても、部屋が狭すぎたり、防音がなされていなかったりすると、メンバーの人数や楽曲のスタイルによってはストレスを感じてしまいます。広ければ良いというものではありませんが、長い時間を過ごす場所なので、大きなポイントとなります。また、ライブができるようなホールがあるかどうかは、合宿内容の組み立てにとても重要です。

Check Point!・・・ スタジオの数、使用できる日にちや時間帯など。

大広間

合宿では、全員が集まれる場所が必要です。ミーティングができる大広間があるか、あるいは食堂やライブホールなどが使用できるかどうかを確認しておきましょう。

Check Point!・・・ 使用できる時間帯、収容人数など。

宿

合宿先の宿の場所が遠ければ、当然合宿の費用も高くなります。客室や食事などの満足度は人によってそれぞれですが、スタジオの音がかなり大きく漏れ聴こえてくるとか、食事のメニューが聞いていたものと違う…などといったことは次年度に向けての大きな確認事項です。また、スタッフの方に機材の使い方を聞いたら丁寧に教えてくれた、トラブルに素早く対応してくれたなどの気持ち良さは意外と重要なポイントかもしれません。

Check Point!・・・ 利用者の声、ホームページの写真、入浴時間帯など。