顧問はかく語りき – 埼玉平成高等学校 軽音楽部顧問 市野 昇先生

全国学校軽音楽部協会の理事長と、全国各地の軽音楽部の顧問とが自校の現状や軽音楽部の将来について徒然なるまま、熱く語る。

県大会や全国大会の常連校として名高い埼玉平成高等学校。埼玉県高等学校軽音楽連盟設立当時から副委員長としてご尽力され、前身校の時代から30年に渡って軽音楽部の顧問をされている市野先生に、軽音楽部にかける想いやその歴史などをお聞きしました。

頑張りが形になる

ー 軽音楽部は他の部活動よりも運営が難しい部分もあります。

▶︎埼玉県の軽音楽連盟では、毎年「技術講習会」を開催していて、その中で主に軽音楽部顧問の初心者の先生方に、運営方法やいろいろなことをお話しさせていただいています。私もギターはやっていましたが、誰かに習ったこともなく、「習わないもの」という世代でしたし(笑)、バンドについてとか、音量バランスについてなど、どう指導すれば良いかなんてまったくわかりませんでした。合同演奏会でいろいろな顧問の先生方の指導を見たり、技術講習会でのプロの方のお話から学んでいった感じです。でも、技術的な指導とかは専門の方にお任せして、顧問は生徒指導をしっかりとするべきだと思います。やはり、挨拶や集団行動がちゃんとできている学校さんは演奏も上手なんですよね。

ー 軽音楽部は部活動ですから、顧問は生徒指導がメインだということですね。

▶︎はい。しかし、生徒指導は生活指導だけではありません。実は今の3年生が2年生時の時、ちょっとグダグダで、12月の新人戦で結果が出ず、辞めたいという部員もいたんです。しかし、技術的なことが重要な「重音祭」に向けて練習したり、バンド・クリニックなどを受けて上達してくると、少しやる気が出てきたようだったので、たくさんの合同演奏会に参加させました。すると、毎日が充実してきたんだと思います。結果、全国大会に出場することもできました。ダメな状態だからこそ、ちゃんとさせられるんだと思います。「ほら、自分の頑張りがきちんと形になっていったじゃないか」と。

毎日全員分に目を通しています

ー 普段はどのようなご指導をされていますか?

︎基本的に私は直接指導はしません。練習室が使える15分前に集合とか、まずは全員で発声練習、水曜日はすべてパート練習…などは決まっていますが、練習内容は自分たちで前日までに決めて、行ったことや感じたことなどを「部活ノート」に書いて提出させています。部活ノートは部員全員が朝に提出し、放課後の部活動の時に返却しています。私は毎日全員分に目を通し、メッセージやアドバイスを書くのですが、部員が多い年は大変なんです(笑)。でも、この間、10年以上前の卒業生と会った時、「部屋の整理をしていたら部活ノートを見つけて、見入ってしまった」と言っていました。自分のその時の感情が素直に書き綴ってあるので、感慨深いみたいですね。「宝物だ」と言っていて、嬉しかったです。

ー 最初からこういったスタンスなのですか?

▶︎いえいえ、いろんなことがあって少しずつ今の形になってきた感じです。かなり昔ですが、学校から信頼を得るために、半年間自主的に一切練習せずに校内清掃を行ったこともあります。それからですね、生活態度も勉強の方もしっかりと頑張って、きちんとした部活動として認められるようになろうという考えになったのは…。

横のつながりを作ること

ー 全国には、悩んでいらっしゃる顧問の方がたくさんいらっしゃいます。

▶︎埼玉県も横のつながりができたことによって交流が一気に深まり、お互いを尊重しながら良いところを取り入れ合ってきました。他県であっても連絡を取って、合同演奏会に入れてもらう、ということから始めても良いと思います。きっとそういった学校の顧問の方々はウェルカムだと思います。横のつながりを作っていくと、やり方なども見えてくると思います。

「しまらない毎日を充実させていってあげることが大事」と語る市野先生

関連記事

  1. 顧問はかく語りき – 国際学院高等学校 軽音楽部…

  2. 顧問はかく語りき – 神奈川県立弥栄高等学校 軽…

  3. 顧問はかく語りき – 静岡県立静岡西高等学校 音…

  4. 顧問はかく語りき – 阪南大学高等学校 軽音楽部…

  5. 顧問はかく語りき – 名古屋経済大学市邨中学校・…

  6. 顧問はかく語りき – 千葉英和高等学校 軽音楽部…