顧問はかく語りき – 阪南大学高等学校 軽音楽部顧問 丹波 陽先生

全国学校軽音楽部協会の理事長と、全国各地の軽音楽部の顧問とが自校の現状や軽音楽部の将来について徒然なるまま、熱く語る。

全国の顧問の皆さんの中には、今までバンドや楽器の経験がないのに軽音楽部の顧問を任されて、指導や運営に困惑されているという方も少なくないのではないかと思います。長年、阪南大学高等学校の軽音楽部の顧問をされている丹波先生もそういった経験を持つお1人です。

話される熱血な言葉からは生徒への想いが伝わります

— 軽音楽部の指導方法や運営方針は様々です。丹波先生の取り組み方を教えてください

▶︎私は、1991年に軽音楽部の顧問になりました。中高大と、それまでずっと体育系の部にしかいなかったので、「軽音楽部」というものがどういうものか全然知りませんでした。しかし、逆にそれが助かった部分だと思います。私の頭には「バンド活動」というものがそもそもありませんでしたから、体育系と同じように「みんなでやるのが当たり前」と確信していましたし、生徒もそれに付いてきてくれました。ある意味ラッキーだったかもしれません。

— 顧問に音楽経験はなくても良いと?

▶︎はい。軽音楽部に限らず、顧問がその部活動の専門性を持っている必要はないと思います。顧問に必要なのは、生徒に寄り添うこととフットワークの軽さです。顧問は生徒指導とマネージメントが仕事です。もし、生徒に技術的な指導が必要だと感じれば、指導者をどうやって呼ぶかを考えれば良いだけです。自分で教える必要はありません。それに、先輩が指導できるようになれば部活動は成立します。今は情報も多いし、デジレコ・ジュニアもあるじゃないですか(笑)。私も顧問になった時は、楽器演奏や機材のことなどは一切、知りませんでした。音楽は好きでしたが、生徒が弾いているのを「かっこ良いな〜」と思って、ギターを始めたのは顧問になって2年目の頃のことです。

軽音楽部外での活動は禁止

—「外でバンド活動をしたい」と言い出す生徒はいなかったのですか?

︎いなかったですね。昔、地元のバンドから「軽音楽部の子を紹介して」と言われた生徒がいたのですが、そんなことをされたら部活動が成り立たなくなる、と言って即禁止にしました。外部のバンドと掛け持ちも一切なしです。絶対に部活動には迷惑をかけないというのが共通の認識です。それは今でも変わっていません。

— ライブハウスに出演したり、外部のリハーサル・スタジオを使うことは?

▶︎ライブハウスに出演することは、本校では金銭的なトラブルの心配から禁止しています。私が所属する連盟では、扱いは各校に任されていますが、連盟の生徒のつながりをチケット売買や対バン募集に安易に使ってはいけない。ライブハウスに行くと退部というクラブもあることを理解して、顧問に確認を取るなどして勧誘すべき、といったことが会議で確認されます。リハーサル・スタジオに関しては、当校の場合は高い部費(1人/月1,000円)を取って、スタジオと同等の機材を揃えているつもりなので、特に禁止はしていませんが、それ以上にお金のかかるスタジオに行っている生徒は、まずいないと思います。

— 民間のイベントに出場するといったことは?

▶︎「このイベントに出てみようか」というものに関しては、軽音楽部として出ることはありますが、生徒が個人的に出ることはありません。連盟のイベントや合同ライブなども十分にありますから。

集団指導体制でカバーしながら

— 今後の軽音楽部について、どうお考えですか?

▶︎軽音楽部は様々なアプローチが可能なので、なかなか簡単ではないと思いますが、47の都道府県すべてに軽音楽連盟が設立されて、日本全国みんなで1つになっていく方向に向かわないといけないと思います。細かいことは置いておいて、同じ高校生が同じ音楽をやっているわけですから、全国の生徒がその想いを共有できて、充実した高校生活を送れたと思えるような環境作りをしていくべきだと思います。よく顧問の間で言っていたのが、「集団指導体制」という言葉です。お互いがお互いをカバーしながら、みんなで良い方向に向かっていきましょう。

話される熱血な言葉からは生徒への想いが伝わります

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