第4回 歌心溢れるバッキングを目指そう

楽曲の魅力をアップさせるためには、リズミカルかつメロディーに寄り添うバッキングが不可欠です。ギターはソロなどの派手なプレイに目が向きがちですが、すべてバッキングというものがあるからこそ成り立っています。曲の流れやリズムに自由に対応できるバッキングを目指してスキル・アップしましょう。(文・岩尾 徹)

STEP1  スムーズにカッティングする方法

バッキングをする時に、何となくピックを持って、自分なりの弾きやすいやり方でストロークをして、カッティングしていないでしょうか。ピッキングとストロークは、「腕を上下に振って弦をヒットする」という単純な動作ですが、単純だからこそ意識しなければいけないポイントがいくつもあります。

ピックの持ち方とピッキング

ピックは基本的に親指と人差し指で握ります(写真1)。この時、必要以上に力を入れないことが大事なポイントです。力が入るとストロークしている腕に力みが生じ、ストロークのスピードを速くすることができなくなり、バッキングのリズム全体がしなやかではなくなってしまいます。

写真1 親指と人差し指で軽く握るのが基本

ピックを強く握ってしまう原因として、「ピッキングが弦に対して常に一定に当たっていない」という理由が挙げられます。ピックが弦に必要以上に深く入ると、弦をヒットする時に力が入ってしまうだけではなく、ストロークしている間にピックがズレたり、飛んでいってしまう…といったトラブルも起こります。なるべくピックの先端で弦を弾いて、安定したピッキングにすることを意識しましょう(写真2)。

写真2 ピックの先端で弾くように意識しよう

鏡などに自分の弾いている姿を映してチェックしてみるのも効果的です。ストロークが安定してくるとフォームに無駄がなくなり、以前よりかっこ良く見えると思います。ぜひ、時々行ってみてください。

基本はオルタネイト・ピッキング

ストロークは、常に規則性があることが大切です。基本的なストロークやピッキングの方法は「オルタネイト・ピッキング」と呼ばれる、アップとダウンを規則的に繰り返す動きによってできています。アップ・ピッキングとダウン・ピッキングの音は異なるので、上級者ともなればニュアンスを優先して、この規則性を意図的に崩すこともありますが、まずは自然にオルタネイト・ピッキングができることを目指しましょう。無意識にきちんとオルタネイト・ピッキングができるようになって、はじめて崩すことも可能になります。

まず行って欲しいのは、どんなバッキング・パターンでもピッキングのアップ/ダウンを規則的に繰り返して弾けるようにすることです。中でも、譜例1のようなパターンの場合に休符の部分でストロークが止まってしまいがちです。音を出していない時でもフレーズがリズムに乗るように、しっかりとストロークするように心がけましょう。

 

STEP2  カッティングを自由自在に演奏する

カッティングは、ただ指定されたコードを押さえて、テンポに合わせてストロークすれば良いというわけではありません。ストロークしている腕はリズムの変化に柔軟に対応できなければならず、ピッキングはいつでも6弦すべてを弾いてしまって良いものではありません。弾く弦の場所によってフレーズのニュアンスが変わるからです。

オルタネイト・ピッキングをシェイプアップする

オルタネイト・ピッキングは、楽曲の基本ビートによってアップ/ダウンの規則性が変わりますが、実際の演奏ではニュアンスを重視するため、8ビートと16ビートのオルタネイト・ピッキングが混在していることが多々あります。また、コード・ストロークは、出したいサウンドによって「すべての弦」「6弦から4弦を中心」「3弦から1弦を中心」…というようにピッキングを変えていくので、意識的なコントロールが必要になります。

オルタネイト・ピッキングを思い通りにコントロールできるようになるには、「パルス・チェンジ」というトレーニングが有効です(譜例2)。注意点としては、ビートが変わった時にストロークが乱れないようにすることと、「6弦から1弦」「3弦から1弦」というように、弾くべき弦をあらかじめ決めて、必ずそこを狙ってオルタネイト・ピッキングでストロークすることです。

譜例2 弾きやすいコードで良いので、必ずメトロノームに合わせて体でリズムを取りながら行おう

バリエーションを増やす

カッティングには、コード・ストロークの他に、ストロークをしながら決められた1音だけを弾く「単音カッティング」や、ブリッジ・ミュートをしながら1音を弾く「単音ミュート・カッティング」などがあります。

音カッティングは、弦を押さえていない指で、鳴ってはいけない弦を確実にミュートすることが重要です。音を出す弦を意識しながら譜例3を弾いてみましょう。単音弾きをコード・ストロークの要領でカッティングすることで、ブラッシングしている音も混ざり、フレーズに勢いが出ます。

譜例3 ストロークはコード・カッティングの要領で、休符はしっかりとブラッシングしよう

単音ミュート・カッティングは、ブリッジに軽く手を置いて弦をミュートしながら行いますが(写真3)、ミュートしすぎると音程感がなくなってしまうので、注意してください。ブリッジに手を置いているので少し難しいですが、ゆっくりなテンポから始めて、手首をうまく使って必ずオルタネイト・ピッキングで弾くように練習しましょう(譜例4)。

写真3 軽くブリッジに手を乗せる

譜例4 ★印以外の音はすべてブリッジ・ミュートしながら弾こう

奏法によってピックの種類を変えてみる

ピックで弾きながら、途中で指弾きもしなければならない場合、潔くピックをそこら辺に置いてしまっても良いのですが、ステージなどではあまりかっこ良いものではありません。プロ・ギタリストはこのような時、ピックを小指と薬指で握ったり、指のつけ根でピックを挟み込んだりして、自由に指を動かせられるようにしたりします。

かし、これは難易度が高い方法です。もう少し簡単にできる方法は、ピック自体の種類を変えてしまうことです。例えば、親指にはめて使う「サムピック」というピックは、人差し指を軽く添えることで普通のピックに近い感覚で弾くことが可能です。メーカーによって様々な形状がありますが、いろいろ試してみて、弾いている感覚がいつものピックとあまり変わらないものを選ぶと良いでしょう。

▲いろいろなサムピックの形状

 

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