第2回 左手フォームの基本

ベースを弾く時にネックを押さえる左手のフォームが悪いと、「音色」や「音程」などすべてのプレイに影響します。右手がどんな奏法で弾く場合でも、左手のフォームをしっかりと意識することによって良いプレイができるようになります。左手の正しい基本フォームを覚えて、ベーシストとして1つ上のステップを目指しましょう。(文・山田潤一)

STEP1   正しい左手の構え方、押さえ方

ネックを押さえるフォームで共通して意識して欲しいポイントは「指を立てる」ことです。もちろん、奏法やストラップの長さによって異なる押さえ方をする場合もありますが、はじめはしっかりと指を立てて弾きましょう。イメージとしては「指先で物をつかむ」感じです。指の力だけで物を持ち上げる時と同様に、力をうまく伝えるために指を立てるようにしましょう。

4フレット・4フィンガーでの練習

まずはじめに、4フレットを4本の指を使って弾いてみましょう(譜例1)。5フレットから8フレットまでを、各弦それぞれ人差し指、中指、薬指、小指で押さえていく運指練習です。この練習で大事なのは「押さえる指の数」です。例えば、最初の1弦5フレットは人差し指で押さえ、次の6フレットは中指で押さえますが、この時5フレットを押さえている人差し指もそのまま押さえ続けることでより安定します。この場合、押さえる指の数が「2本」になっているということです。これは、薬指と小指で押さえる時も同様で、他の指は押さえた状態のままになるようにしましょう。戻りの時も、小指で8フレットを押さえている時は 5、6、7 フレットを押さえたまま、順番に離していきます(写真1)。

譜例1 フレットの真横を押さえて音符が短くならないように弾こう

写真1 押さえる時は指を立てて押さえよう

また、押さえた時に力を入れすぎて弦を下に引っ張らないように注意してください。弦を引っ張ると音程が変わってしまうので、チューナーを使って音程を気にしながら練習すると良いでしょう。この練習は雑に弾いてしまうと意味がないので、♩=70くらいのテンポを守って丁寧に弾くように心がけましょう。指の形に慣れない人は、はじめはメトロノームを使わずに、自分のペースで弾いてみてください。同時に、弦を押さえる時にはフレットの端を押さえるようにすると音色が安定します。

3フレット・4フィンガーでの練習

「3フレット・4フィンガー」は、低いポジションを弾く時などに使う押さえ方で、手の小さい人にはお勧めです(譜例2)。3フレットは「薬指と小指は2つで1本の指」というイメージで押さえましょう(写真2)。

譜例2 3フレットを押さえている時に人差し指と中指を離さないようにしよう

写真2 薬指と小指は同じ動きをするように意識

 

STEP2   薬指、小指を使いこなすトレーニング

本来、ベースという楽器は薬指と小指を細かく使う楽器ではありませんでした。しかし、それは既に「今は昔」の話。激しいフレーズを弾いて楽曲を支配したり、1人で演奏した超絶プレイを動画サイトに投稿するなど、ベーシストの幅やスタイルは多種多様になっています。STEP 2では、普段あまり使わない、薬指と小指を重点的に強化する練習方法を説明していきます。

薬指と小指の強化のための反復トレーニング

まず、1弦7フレットと6フレットを薬指、中指で交互に弾き、次に1弦8フレットと7フレットを薬指と小指で交互に弾く練習です(譜例3)。注意点は、動かしていない人差し指と中指で、5、6フレットをしっかりと押さえることです。これにより薬指と小指に力が入りやすくなって、安定して弦を押さえることができます。すべての指を意識しながら練習しましょう。

譜例3 力が弱い指なのでしっかりと音を伸ばして弾くようにしよう

このエクササイズは、♩=70くらいのゆっくりなテンポで1弦から4弦すべてで行います。単純なフレーズですが、指をバラバラに動かすための基礎として非常に有効な練習です。地道に集中して行ってください。

▲無駄な動きがないように少ないモーションで

柔軟性のためのトレーニング

続いて少し難易度は上がりますが、1弦と2弦を使ったフレーズです(譜例4)。このエクササイズでも注意点は同様で、2弦の5、6フレットの人差し指と中指など、動かさない指をフレットから離さないようにします。人差し指と中指が固定できたら、次は薬指と小指を交互に動かしていきます。この時に大事なのは、交互に弾く指を「次の音を弾いてから離す」ということです。こうすることによって音価を長く保てるようになります。音価とは、音符や休符の長さのことで、楽器を弾く時に非常に重要なものです。左手はその音価に最も影響しやすく、指を一瞬でも離してしまうと音が止まってしまいます。意識しながら練習しましょう。

譜例4 慣れてきたら指の順番を変えて弾いてみよう

▲次の音を弾いてから指を離すことを意識

慣れてきたら、2弦と3弦、3弦と4弦でもやってみてください。この練習を根気よく続けていれば、左手のスムーズな動きが習得できるでしょう。

実用的!? グリップ・フォームのメリット

「グリップ・フォーム」とは、ネックを握ってしまう押さえ方のことで、ポジションを固定したり、激しく動いてもぶれないようにする奏法です。4本の指を駆使した細かいフレーズを演奏する場合などには向いていませんが、ジャンルやバンドのスタイルによっては非常に有効なフォームです。ピックでかっこ良くゴリゴリ弾く時や、スラップでバキバキ弾く時にも使用できるので覚えておくと便利です。さらにスラップ奏法をする時には、ネックを握り込むことで親指が4弦をミュートして、プルのフレーズも安定して弾けるなんてメリットもある、一石二鳥のフォームです。

実用的なフォームというのは流動的なもので、手の大きさやベース・スタイルによって変わっていきます。自分のスタイルに合ったフォームを見つけていきましょう。

▲グリップ・フォーム。4弦を親指で押さえよう

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