第2回 右手と左手のバランスが上達への第1歩

「左手で指板を押さえて、右手でピッキングする」という、ギターを弾くシンプルな動作がどれだけタイミングよく行われているかで、弾いているフレーズの説得力や音色の良さが違ってきます。フィンガリングやピッキングの精度を上げるためには、単に曲を弾いて練習するのとは別に、テーマを絞って練習することが大事です。(文・岩尾 徹)

STEP1   両手のバランスを重視したメカニカル・トレーニング

フィンガリングとピッキングに特化した練習方法の1つとして「メカニカル・トレーニング」が挙げられます。とてもシンプルで効率の良いエクササイズですが、両手の動作をしっかりと確認しながら、常に体でリズムを取ることを意識して行ってください。

クロマチックでのエクササイズ

まずは、6弦1フレットから半音ずつピッキングしていくという、クロマチック(半音階)進行を使ったエクササイズです(譜例1)。ピッキングは、オルタネイトで常にダウン/アップの繰り返しで行います。慣れないうちは、ダウン/アップの規則性が崩れやすいので、目で確認しながら行いましょう。自分が「できる」と思っているテンポよりも遅くメトロノームを設定して、必ず右手と左手の動作を意識できる速さで行ってください。しっかりと弦を押さえて確実にピッキングして、弾き損じがないように心がけましょう。

人差し指が6弦の1フレットを押さえるところから12フレットまでを1セットとして、途中で休まず最後まで連続して弾けることを目標にします。フィンガリングは、なるべく指が指板に対して寝ないようにして、指の先で弦を押さえ、必要以上に指が指板から離れないように意識しましょう。次の指に移行する時は、前の指を同時に弦から離します。

▲指を立てて、指の先端で弦を捉えよう

 

パルス・チェンジのエクササイズ

まずは、6弦1フレットから半音ずつピッキングしていくという、クロマチック(半音階)進行を使ったエクササイズです(譜例1)。ピッキングは、オルタネイトで常にダウン/アップの繰り返しで行います。慣れないうちは、ダウン/アップの規則性が崩れやすいので、目で確認しながら行いましょう。自分が「できる」と思っているテンポよりも遅くメトロノームを設定して、必ず右手と左手の動作を意識できる速さで行ってください。しっかりと弦を押さえて確実にピッキングして、弾き損じがないように心がけましょう。

譜例2 パルス・チェンジする時のピッキングが狂わないように意識しよう

このエクササイズも、フィンガリングとピッキングを意識しながら、人差し指が6弦の1フレットを押さえるところから12フレットまで連続して行いましょう。

 

STEP2   フィンガリングとピッキングをより自由に

フィンガリングとピッキングに、より自由度を求めるのであれば、「やりづらいフィンガリング」や「弾きにくいピッキング・パターン」をエクササイズに取り入れることが効果的です。スムーズなフィンガリングやオルタネイト・ピッキングができるようになると、運指の自由度が上がり、ギター・プレイの様々な部分にレベル・アップが期待できます。

「ディミニッシュ」を使ったエクササイズ

1つ目は「ディミニッシュ」というコードの構成音を指板上に並べて弾いていくエクササイズです(譜例3)。フィンガリングは、必ず譜面に指定してある指で押さえてください。最初のうちはやりづらいと思いますが、フィンガリングの柔軟性を増す効果があるので、ゆっくり確実にトライしましょう。ピッキングは、ブロックを移る際の4弦から6弦に飛ぶ時に、弦をしっかりとヒットできていなかったり、オルタネイト・ピッキングが崩れてしまいがちなので、確実に弾けるテンポでリズムを取りながら行ってください。

譜例3 ディミニッシュ・コードの構成音を使ったエクササイズ。指定された指で押さえよう

「3連符」のエクササイズ

3連符のエクササイズは、拍の頭でピッキングのダウン/アップが交互に入れ替わることがポイントとなります(譜例4)。慣れないと拍の頭をすべてダウン・ピッキングしてしまいがちなので、オルタネイト・ピッキングをしっかりとキープするように心がけましょう。また、ブロックを移行する時に、弾く弦が1弦から6弦に飛ぶので、オルタネイト・ピッキングを保ちつつ、指板も指で確実に押さえて弾き損じのないように気をつけましょう。

譜例4 ※のパターンが基本形で6弦まで下りていきます。ピッキングに注意しよう

▲弦を飛ぶ時のピッキングに注意しよう

まずはリズムが狂わないようにゆっくりとしたテンポから始めてください。実際の楽曲のギター・フレーズでは、隣の弦ではなく弦を飛び越して弾くことも多いものです。これらのエクササイズを繰り返し練習することで、そのようなフレーズにも対応できるようになります。

ウォーミング・アップは大切だ

「ギターを弾く」という動作は、「指と手首のスポーツ」だといっても過言ではありません。スポーツをする時、事前にストレッチなどのウォーミング・アップをするように、ギターを弾く前の体の準備はとても大切なことです。万が一、指や手首を痛めてしまって、その状態を放置していると、指や手首を動かす部分が炎症を起こす「腱鞘炎」になってしまう可能性もあります。そうならないためにも、ギターを弾く時に使う関節を十分にほぐしてから練習や演奏をするようにしましょう。

ちなみに、今回のメカニカル・トレーニングのメニューは、ウォーミング・アップの1つの方法として最適です。また、指や手首のストレッチをするのも効果的なので、練習前やライブ前などに行うように、普段から習慣づけるようにしましょう。

▲ウォーミング・アップにストレッチは欠かせません

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