オクターブ・チューニングは何のためにするのでしょうか

このコーナーでは、バンドのアンサンブルをはじめ、ボーカルやギター、ベース、ドラムなど、デジレコ・バンド・クリニックの講義の中で高校生の軽音楽部員から質問されることが多い「疑問」を取り上げ、誌面上で解説していきます。ぜひ参考にして、これからの練習に役立ててください。(2016/2/DiGiRECO.JR VOL.10 掲載) 協力:専門学校ESPミュージカルアカデミー

Q:オクターブ・チューニングは何のためにするのでしょうか

A:ギタークラフト科教務 長谷川英律先生

良い質問ですね!ズバリ答えを先に挙げるとすればフレット付きのギターやベースを『楽器』にするための調整です

【説明】

ギターやベースのようなフレットが付いた弦楽器は、調整をしないと音程が合わない楽器なのです。?と思われる読者もたくさんいらっしゃることでしょう。『各弦をチューニングしてフレットを押さえればきちんとした音程が出るんでしょ?』という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?それは違います。

フレットの取り付け位置は平面上の計算で割り出されていますが、現実には弦高というフレットとの隙間がナットからブリッジにかけて少しずつ広がる隙間が存在するためフレットを押さえたときの弦の引っ張りにより音程のズレが出てきます。また、そこに張られる弦の太さも弦を押さえる力も演奏者によってマチマチ、そうなると解放弦のチューニングだけでは各フレットのポジションの音程を合わせることはできないのです。

ギターと同じような弦楽器のヴァイオリンなどではフレットを持たないために正確な音程を出すために練習が必要ですが、押さえる場所の微調整ができるので正確な音程で音楽を演奏することができます。ギターやベースはフレットがあることで誰でも簡単に音程を取ることができ、誰でも少しの練習で音楽の演奏を楽しむことができる反面、正確な音程を出すことができない楽器になっているのです。

バンドで演奏する時にギター、ベース共に解放弦をチューニングしているので、いざ演奏すると音程がズレている。そんな経験はありませんか?これは正確な音程を出せる鍵盤楽器(キーボード)が入るとより顕著になります。

【調整方法】

オクターブ調整は解放音とフレットを押さえたときの音程の差を、ブリッジサドルを前後に動かすことによって調整します。

※ブリッジサドルはブリッジを構成するパーツの1つで弦が触れている部分のことを指します。

①具体的な方法は12Fのハーモニクスで解放音をチューニング。

②12フレットを押さえて出した音(12Fの実音)が同じ音程との差を確認。

③実音が高い場合はブリッジサドルをボディエンド側へ、低い場合はネック側へ動かす。このブリッジでは写真1のネジを回して調整します。(写真1)

写真1

④①〜③を繰り返しズレをなくす(写真2・3)。

写真2

写真3

⑤調整が終わったギターのサドル配置はこのようになります。(写真4)

写真4

ブリッジサドルの動かし方はブリッジの種類によりますが、弦が触れている部分を動かすためのネジがあるので探してみてください。また、サドルを動かす際は弦の張力によって動きが固い場合があるのでスムーズに動かない場合は少し弦を緩めてからサドルを動かしてください。チューナーだけに頼ると実際の音がずれている場合があるのでアンプからも音を出しながら調整すると精度が上がります。

【まとめ】

この調整を行う頻度はそれほど多くはありません。弦のゲージ(太さ)や同じゲージでもメーカーを変えた時や、ネックの反り調整、弦高調整を行った時には必要になります。弦を押さえる強さが人それぞれ違うので、できればプレイヤーが行った方が良い調整なので、ぜひトライしてみてください。

 

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