第1回 「指弾き」の上達メソッド

ベースの弾き方にはいろいろありますが、一番スタンダードなのが「指弾き」です。直接弦に触れるので初心者でも取りかかりやすいと思いますが、実は指弾きで良い音を鳴らすのは意外と難しく、間違った方法で弾いている人も少なくありません。構え方や上達のコツなどをしっかりと理解しましょう。(文・山田潤一)

STEP1   指弾きの基本フォームと弾き方

スポーツをする時と同じように、楽器を弾く場合も正しいフォームを身につけることで上達のスピードが格段に上がり、弦を弾く手への負担も軽減されます。ベースを弾く前に、まずは指弾きの正しい基本フォームを確認しましょう。今回の解説に使用するベースはジャズ・ベース・タイプでしますが、違うタイプのベースでも基本は同じです。

2フィンガー

ベーシストによって指弾きの方法は様々ですが、人差し指と中指を使って弾く「2フィンガー」が基本です。ベースを抱えたら、親指をフロント・ピックアップの上に乗せます。親指は弾く弦によって位置が変わりますが、これが基本形です。指弾きをする人差し指と中指の位置は、2つのピックアップの真ん中あたり、ピックガードとボディの境目くらいで弾くのが理想です(写真1)。今後、いつでもこの基本フォームに立ち返って、鏡の前などでチェックするようにしてください。

写真1 指弾き(2フィンガー)の基本フォーム

構えができたら、実際に弾いてみましょう。譜例1をメトロノームに合わせて弾きます。テンポはゆっくりで構わないので、♩=80前後の無理のない速さで練習してください。この時に気をつけて欲しいのは、「アポヤンド奏法」で弾くことです。アポヤンド奏法とは、例えば、3弦を弾いた時にはその指を4弦で止める奏法です。これによって指に力が入り、弦を振動させやすくなります。さらに、演奏中に余計な音を出さないための「ミュート」もしやすくなるので、2フィンガーの場合は必ず心がけてください。また、弦をはじく時に指を当てる場所も大切です。指先から5mmから7mm程度の場所で弾くと、しっかりと弦をはじくことができて良い低音が得られます。意識してみてください。

譜例1 アポヤンド奏法を意識して弾こう

これらはあくまで基本フォームなので、ベースの種類や手の大きさ、音楽のジャンルなどによって変わります。今回のレッスンをもとに自分なりのフォームを考えてみてください。

利き指を把握しよう

指弾きにおいて重要なのは、自分の「利き指」を把握することです。人には利き腕があるように、指弾きの時には利き指が存在します。これを知っておくだけで、2フィンガーが楽に演奏できるようになるので、ぜひ自分の利き指を把握しておきましょう。

利き指の見つけ方は簡単です。8分音符を連続して弾いてみて、最初にどちらの指から弾くかを見るだけです。人差し指から弾く人は利き指が人差し指、中指からの人は利き指が中指ということになります。

 

STEP2   オルタネイト奏法の練習法

指弾きをする時にとても重要になるのが、2本の指で交互に弾く「オルタネイト奏法」です。場合によっては、指順を変えて弾きやすくすることもありますが、最初は指順を崩さないで弾くように練習していきましょう。

スケールを使った練習

連続した8分音符を弾く場合、オルタネイト奏法では基本的に利き指で「表拍」を、もう一方の指で「裏拍」を弾きます。利き指で表拍を弾く方がアクセントなどをコントロールしやすく、リズムの変化などにも対応しやすくなります。体に染みつくまではしっかりと指順を意識して、演奏中に指順が逆にならないように注意しましょう。

では、Cメジャースケールを使ってオルタネイト奏法の練習をしていきます(譜例2)。メトロノームを使って、はじめは♩=70ぐらいのゆっくりなテンポで確実に弾いてください。ポイントは「弦の移動をいかにスムーズに弾くか」というところです。オルタネイトでつまずきやすいのはこの弦移動なので、指弾きのフォームとオルタネイトの順番に注意して弾きましょう。また、弦移動することで弦のはじき方が荒くなりやすいので、フレーズのツブが揃うように丁寧に弾きましょう。

譜例2 指順は利き指からです。指順を逆にしたりアクセントをつけて様々なパターンで練習しよう

慣れてきたら、少しずつテンポを上げたり、スタートを利き指とは違う指から始めると良い練習になるので試してみてください。また、アクセントを裏拍だけにつけるなど、自分でアクセントのポイントを決めて弾くと、より細かいコントロールの練習にもなります。

開放弦を交互に弾く

4弦と3弦の開放弦(0フレット)を交互に弾くだけの練習も、弦の移動をスムーズにするための練習として効果的です。はじめは人差し指で4弦、中指で3弦を弾きます(写真2)。慣れてきたら、指順を逆にしたり弦を移動したりしてみましょう。

写真2 テンポ♩=70~100の16分音符で練習しよう

指弾きにとって、オルタネイト奏法は重要なものですが、ライブなどで演奏する時に指順をいちいち考えているとリズムやコード進行といった大事なことに集中できなくなってしまいます。意識しなくてもオルタネイト奏法がスムーズにできていることが目標です。体に染みつくまで毎日コツコツ練習していきましょう。

 

進化する指弾き「3フィンガー」

指弾きには、スタンダードな2フィンガー以外にも様々な奏法があります。中でも代表的なのが、速弾きタイプの人がよく使う「3フィンガー」です。人差し指と中指に薬指を加えて3本の指で弾くことによって、より速く細かく弾くことができます。弾き方は、薬指→中指→人指し指の指順で弾いていくだけなのですが、普段使わない薬指のコントロールがとても難しく、はじめは薬指1本だけで弾くなど、薬指の強化が必要となるでしょう。さらに、8ビートの場合はアクセントの指が毎回変わるので、練習する時は音のツブが均等になるように意識しましょう。

興味がある人は、3フィンガーの代表的なベーシスト、ビリー・シーン(ミスター・ビッグ)、ジョン・マイアング(ドリーム・シアター)などの演奏を聴いてみてください。

▲3フィンガーでベース・ヒーローを目指そう!

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