第1回 ギターを弾く時のフォームを気にしよう

プロのギタリストがプレイしている姿はかっこ良く、憧れる人も多いと思います。もちろん、立ち姿やポーズがかっこ良いのは当たり前なのですが、もう1つ言えるのは、弾いている時の体の使い方とバランスが良いということです。ギターを弾く時のフォームや弾き方は、上達のためにとても大事なポイントなのです。(文・岩尾 徹)

STEP1  ギターが上達する姿勢と弾き方

ギターを上手に弾けようになるには、ギターの持ち方や構え方、姿勢、弾き方を正しくすることが近道です。ギターを弾くということは、ギターを持つことから始まっているのです。

ギターの形を考えた構え方

ピッキング、ストローク、チョーキングなど、ギターの基本奏法をスムーズに行うには、なるべく余計な力を使わずリラックスして弾くことが大切です。そのためには、まず「違和感なくギターを構える」ことがポイントになるわけですが、変形ギターを除いてエレキ・ギターのボディー形状にはどのメーカーでも共通な部分があります。例えば、ボディー中央部のくびれや、ストラトキャスター・タイプにある「コンター」と呼ばれる加工箇所は、いかにギターを体にフィットさせるかを目的として作られたものです(写真1、2)。

写真1 ストラトキャスター・タイプの表側コンター

写真2 ストラトキャスター・タイプの裏側コンター

ギターの形状を意識して構えてみると、右腕で自然とボディーを抱え込むことができ、弦を弾く場所もネック・エンドとブリッジの中間ぐらいにくると思います。弦は弾く位置によって音色が変化するので、極端にブリッジ側やネック側に寄ることはなるべく避けましょう。この状態でリラックスして肘を中心に腕を上下に振って、すべての弦を弾くつもりでピッキングしてみてください。この動作がストロークの基本となります。ストロークは体で覚えるしかないので、安定してできるまで毎日少しずつ練習していきましょう(譜例1)。

ギターを弾く時の姿勢

座ってギターを弾く時に、ギターを寝かせて体との間に隙間ができた状態になっている人をたまに見かけます。しかし、そのまま立って弾くことはまず不可能なので、フレーズによっては、「座って弾けるけど立っては弾けない」ということになりかねません。

また、はじめの頃は弦を押さえる指やフレットを確認するために、どうしても前屈みになりがちです。しかし、そうなるとギターのヘッドがボディーよりも下を向いてしまい、全体のフォームが崩れたり、体に無理な力みが生じて手や腕を痛める要因にもなります。ポジション・マークはネック上部にもあるので、そちらを見るようにすると覗き込まなくて済みます。

座って弾く時にも、ストラップを使用してギターの下部をしっかりと腰に密着させると姿勢も自然と良くなります。  これらのことを日頃から常に意識して弾くだけで、練習がより効率の良いものになります。たまには鏡などに自分の弾いている姿を映して、姿勢をチェックしてみましょう。

 

STEP2   フィンガリングとピッキングを再チェック

ギターを弾く時に当たり前のように行っている「フィンガリング」と「ピッキング」ですが、ギター上達のためには、その2つのシェイプ・アップがとても大事です。

フィンガリングの再チェック

フィンガリングをする時に、まず気にして欲しいのが親指を置く位置です。例えば、チョーキングをする時は親指をネック上部に引っ掛けるように置くと楽にできます。また、速弾きやスウィープなどのテクニカルな演奏は、ネック裏の中央部分あたりに親指を置くとフィンガリングの自由度が増します。

弦を押さえる指は、指板に対してやや斜めに押さえると良いでしょう。しかし、速弾きなどのテクニカルなフレーズを弾く場合は、指板に対して垂直ぎみに押さえた方がスムーズに弾けます。理想は、フレーズによって押さえ方を変えられるようになることです。また、必要以上に指板から指を離さないこともポイントです。弾いていない指で他の弦を「ミュート」して、余計なノイズを出さずに弾いているフレーズをクリアにするためです。

図1のようなメカニカル・トレーニングを行うとフィンガリングの良い練習になります。指がムダに暴れないように意識しながら、ゆっくり繰り返し練習しましょう。

図1 これは基本的なパターンなので、慣れてきたら運指の順番を変えて練習してください

ピッキングの再チェック

ピッキングのフォームには、絶対にこれというものは特にありませんが、ピッキングのダウン/アップに柔軟に対応できることが大事です。ピックは親指と人差し指で支えるのが基本ですが、ギュッと力を入れて握ることは良くありません(写真3)。ピックを持つ手に余計な力が入ると、スムーズなピッキングの妨げになるだけではなく、リズムも硬くなりピッチ(音程)もうわずってしまいます。しかし、だからと言ってピッキングが弱いとアンプで歪ませた時のドライブ感やエフェクターの効果が薄くなるなど、サウンドに悪影響が出てしまいます。また、ピックが弦に対して必要以上に深く入ってしまっても、弦の抵抗力に負けないように思わず力を入れて握ってしまうので、日頃から気をつけて練習しましょう。

写真3 握る深さはそれぞれやりやすい位置でOK

ピッキングは弦を確実にヒットできていれば良いので、適度な力加減で、ピックの先端できちんと弦を捉えるようにしましょう。演奏中にピックがずれたり飛んでいってしまう人は、ピッキングが不安定だということなので特に意識しましょう。

練習してもなかなかうまくいかないと感じている人は、ピックの硬さや形状を変えてみると、意外とすんなりできる場合もあるので試してみてください(写真4)。

写真4 ピックの形状が小さくなるほど単音弾きはやりやすいが、バッキングは難しくなる

 

ストラップで演奏が変わる!?

ストラップは、素材によって演奏性が大きく変わります。ボディーとヘッドの重量バランスが良いギターだと弾き方に自由度が増しますが、ギブソンのSGやホロウ(空洞)・ボディーのような重量バランスがヘッド側に偏っているギターの場合は、勝手にヘッドが下がって地面の方を向いてしまい腕で支えながら演奏しなくてはならないので、疲労がたまります。そんなギターは滑りにくい素材のストラップを使って、肩で支えるようにするのも1つの方法です。

しかし、重量のあるギターを長時間立って弾いていると肩への負担も大きくなります。それを軽減するためにネオプレン素材が付いているストラップなどもあります。自分のギターにあった機能的なストラップを探してみるのも、プレイにきっとプラスになりますよ。

▲ネオプレン素材が肩の部分に付いているコンフォート・ストラップ

関連記事

ページ上部へ戻る