コンパクト・エフェクターの歪み系は電池が切れそうな状態の方が良い音が出る

世の中には人から人へと伝え継がれている話がたくさんあります。それがウソかホントかわからない話だったりして、聞かされた方としてはとっても微妙な気分だったりします。でも、とりあえず信じてしまうのが不思議!しかも教えられた人も真偽のほどはよくわかっていないのですが、自分の知人にまた教えてしまう…。そうやってこのウンチクはネズミ講のように広がっていきます。こうなったらもう一昔前に流行った伝言ゲームと同じです。途中で聞きまちがいやその人なりのアレンジが入ったりして、いつ東京湾にゴジラが上陸してもおかしくない状況…(笑)。いわゆる都市伝説の類いですね(笑)。「友達から聞いたんだけど…」という、あいまいだけどリアルな話にちょっと専門的な知識が乗っかってものすごく「しっくりくる話」になる、というのがこのテの話の基本的な構造かもしれません。これらの中には「完全に事実から逸脱してしまったモノ」があるかと思えば「正解のモノ」もあり、「ある意味では正解」なんていう質の悪いモノまで多種多様。でも、結構おもしろかったりして憎めない…そんな話って皆さんのまわりにもたくさんありませんか。

そこでエレクトリック・ギターとその周辺機器に関する都市伝説の特集です。とは言え、この僕も伝説に踊らされているかもしれませんので、専門的な検証は株式会社インフィニティー・プロダクツの代表取締役、木庭啓惟氏にお願いしました。(文:近藤正義/WIRED)

(2008/5/ElectricGuitar VOL.19 掲載)

#23:コンパクト・エフェクターの歪み系は電池が切れそうな状態の方が良い音が出る

わははは…そんなことは絶対にありません。電圧が下ると歪み系エフェクターはより汚く歪んでしまうはずです。空間系なら動作に支障をきたしますので問題外です。

しかし、歪みの世界は奥が深くて何をもって良い音と定義するのかは本来、決まりなどないところがクセモノなのです。たまたま電池の切れかけたエフェクターの歪みが濁っていてもイイ感じに聴こえた…なんて現象はアナログ・エフェクターでは有り得ます。それを良い音と定義するなら、それはそれで真実なのだと思います。

考えてみれば、今でこそギター・アンプによる歪みは当たり前の概念ですが、それ以前の時代では考えられない技だったはずです。歪みという概念がもともとそういうモノなのです。したがってSN比的にはいい音が出るはずないのですが、それが求めるサウンドと合致する場合もある、ということですね。常に消耗したマンガン電池のスペアを持ち歩かなければいけませんが…(笑)。

関連記事

ページ上部へ戻る