マルチよりコンパクトのほうが歪みが良い

世の中には人から人へと伝え継がれている話がたくさんあります。それがウソかホントかわからない話だったりして、聞かされた方としてはとっても微妙な気分だったりします。でも、とりあえず信じてしまうのが不思議!しかも教えられた人も真偽のほどはよくわかっていないのですが、自分の知人にまた教えてしまう…。そうやってこのウンチクはネズミ講のように広がっていきます。こうなったらもう一昔前に流行った伝言ゲームと同じです。途中で聞きまちがいやその人なりのアレンジが入ったりして、いつ東京湾にゴジラが上陸してもおかしくない状況…(笑)。いわゆる都市伝説の類いですね(笑)。「友達から聞いたんだけど…」という、あいまいだけどリアルな話にちょっと専門的な知識が乗っかってものすごく「しっくりくる話」になる、というのがこのテの話の基本的な構造かもしれません。これらの中には「完全に事実から逸脱してしまったモノ」があるかと思えば「正解のモノ」もあり、「ある意味では正解」なんていう質の悪いモノまで多種多様。でも、結構おもしろかったりして憎めない…そんな話って皆さんのまわりにもたくさんありませんか。

そこでエレクトリック・ギターとその周辺機器に関する都市伝説の特集です。とは言え、この僕も伝説に踊らされているかもしれませんので、専門的な検証は株式会社インフィニティー・プロダクツの代表取締役、木庭啓惟氏にお願いしました。(文:近藤正義/WIRED)

(2008/5/ElectricGuitar VOL.19 掲載)

#36:マルチよりコンパクトのほうが歪みが良い

確かに歪み系に関してはこの意見が多数派を占めていますね〜。

まず、マルチの初期はデジタルの技術が現在ほど進歩していなかったせいでしょうが、無機質に感じられる歪みが気になることがよくありました。しかし、技術的に改良や進歩を重ねた現在のマルチの歪みは物凄くリアルな域に達しています。ヘッドホンで聞いているかぎりでは完璧だと思います。ところが、実際にアンプから音を出してバンド・アンサンブルの中で演奏した時に音が前に出てこないと感じる人が多いのも事実です。

逆にコンパクトのアナログによる歪みはスピーカーから風圧を感じるほどの迫力で他の楽器にも負けません。「コンパクトのほうが歪みが良い」というのはこういった状態を指しているのだと思います。宅録や小音量での演奏などではマルチの歪みのほうがよかったりしますので、結論としては適材適所で使い分ければよいのだと思います。

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