ワイヤレスを使うと音が痩せる

世の中には人から人へと伝え継がれている話がたくさんあります。それがウソかホントかわからない話だったりして、聞かされた方としてはとっても微妙な気分だったりします。でも、とりあえず信じてしまうのが不思議!しかも教えられた人も真偽のほどはよくわかっていないのですが、自分の知人にまた教えてしまう…。そうやってこのウンチクはネズミ講のように広がっていきます。こうなったらもう一昔前に流行った伝言ゲームと同じです。途中で聞きまちがいやその人なりのアレンジが入ったりして、いつ東京湾にゴジラが上陸してもおかしくない状況…(笑)。いわゆる都市伝説の類いですね(笑)。「友達から聞いたんだけど…」という、あいまいだけどリアルな話にちょっと専門的な知識が乗っかってものすごく「しっくりくる話」になる、というのがこのテの話の基本的な構造かもしれません。これらの中には「完全に事実から逸脱してしまったモノ」があるかと思えば「正解のモノ」もあり、「ある意味では正解」なんていう質の悪いモノまで多種多様。でも、結構おもしろかったりして憎めない…そんな話って皆さんのまわりにもたくさんありませんか。

そこでエレクトリック・ギターとその周辺機器に関する都市伝説の特集です。とは言え、この僕も伝説に踊らされているかもしれませんので、専門的な検証は株式会社インフィニティー・プロダクツの代表取締役、木庭啓惟氏にお願いしました。(文:近藤正義/WIRED)

(2008/5/ElectricGuitar VOL.19 掲載)

#31:ワイヤレスを使うと音が痩せる

このような伝説が広まったのもワイヤレス・システムの仕組みに問題ありと考えてよいでしょう。ワイヤレス・システムは入力した信号を一度圧縮して電波に乗せて飛ばすモノですから、受信機で受けた時には圧縮されていた信号を再び引き伸ばす必要があるのです。つまり、もともとギターの信号をそのまま再生する仕組みではないのです。

それではワイヤレスを使用するといったいどのような音になるのでしょう?これは機種によってそれぞれ特徴がありますから一概には言えませんが、一般的に言われているのは「コンプレッションのかかった音」になるということです。決して悪い音というわけではありません。このサウンドが好きか嫌いかというのも人それぞれなので、プロでも絶対に使わない人がいるかと思えばスタジオ内のレコーディングにも使う人だっています。

だから「音が痩せる」というよりも「音が変化する」といったほうが表現としては正しいのでしょうね。

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