ハーモニクスではチューニングは合わない

世の中には人から人へと伝え継がれている話がたくさんあります。それがウソかホントかわからない話だったりして、聞かされた方としてはとっても微妙な気分だったりします。でも、とりあえず信じてしまうのが不思議!しかも教えられた人も真偽のほどはよくわかっていないのですが、自分の知人にまた教えてしまう…。そうやってこのウンチクはネズミ講のように広がっていきます。こうなったらもう一昔前に流行った伝言ゲームと同じです。途中で聞きまちがいやその人なりのアレンジが入ったりして、いつ東京湾にゴジラが上陸してもおかしくない状況…(笑)。いわゆる都市伝説の類いですね(笑)。「友達から聞いたんだけど…」という、あいまいだけどリアルな話にちょっと専門的な知識が乗っかってものすごく「しっくりくる話」になる、というのがこのテの話の基本的な構造かもしれません。これらの中には「完全に事実から逸脱してしまったモノ」があるかと思えば「正解のモノ」もあり、「ある意味では正解」なんていう質の悪いモノまで多種多様。でも、結構おもしろかったりして憎めない…そんな話って皆さんのまわりにもたくさんありませんか。

そこでエレクトリック・ギターとその周辺機器に関する都市伝説の特集です。とは言え、この僕も伝説に踊らされているかもしれませんので、専門的な検証は株式会社インフィニティー・プロダクツの代表取締役、木庭啓惟氏にお願いしました。(文:近藤正義/WIRED)

(2008/5/ElectricGuitar VOL.19 掲載)

#10:ハーモニクスではチューニングは合わない

昔はチューニング・メーターなんてなかったんですよ。使っていたのは音叉やハーモニカみたいな音の出る笛でした。今でも職人さんや楽器屋さんは音叉を使っていますけどね…。

チューニング・メーターが現れたのは80年代になってからでしょう。メーターがない時に使われていたのは5フレット上や7フレット上のハーモニクスを使って隣り合った弦を合わせていくという耳チューニングの調弦法だったのです。しかしチューニング・メーターが普及するにしたがっていろんなことが囁かれるようになり、こんな伝説も登場したようです。おそらく、この根拠は隣り合った弦のピッチが完全に合っていないと最終的に1弦と6弦のピッチが合わないということだと思われます。

しかし、これは間違いです。確かにいい加減に合わせていたのでは酷いことになりますが、しっかりと合わせればメーターで視覚的に合わせるのより完璧に合います。

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