雑草という草はない③

▲狙われた隣人…。

こりもせず、また実家の庭手入れ=雑草駆除の話です。今回は「蔓(つる)チーム」最強、ヤブガラシという植物についてです。子供の頃、蔦の絡まる洋館やチャペルに憧れたこともありましたが、葛(くず)や山芋(ヤマノイモ)といった他の蔓性植物と比べても、ヤブガラシは厄介雑草軍団のラスボスの1人。その名の通り、藪も枯らす恐怖の大魔王なのです。

ヤブガラシの根は他の樹木に絡みつき、蔓をぐるぐると絡ませながら上へ上へと伸びていきます。そして、その樹木に覆い被さるように葉を広げ、覆い被された方は日光が当たらず、なすすべもなく枯れていく…という流れです。しかも、何本も枝分かれした蔓は空中で隣の木に移ることもでき、次から次へと巻きついていきます。まさに悪魔が触手を伸ばしていくような感じです;(>_<)。しかし、ラスボスの恐ろしさはそれだけではありません。根は根で浅い土の中や地面の上を這って四方八方に伸びていき、他の樹木に辿り着くとまたぐるぐると巻きついて蔓が上へ上へと成長していきます。上から下からの攻撃で、放っておくと周辺の樹木は全滅。まさにヤブガラシ!恐るべきモンスターです。

しかも、この最強ラスボスは別方面の厄介ごとも呼び込みます。ヤブガラシは夏になると小さな白い花を咲かせるのですが、どうやら蜜が多いらしく、ハチが寄ってきて近くに巣を作るのです。去年、ばっちりアシナガバチに刺されましたが、スズメバチも来るようなので厳重警戒が必要です。ヤブガラシは、蔓や地下茎をちぎってもそこから再生するので、完全駆除はまず不可能です。初めて庭で出会った時は、どのくらい放置されていたのか、本体を直径5センチほどの幹に成長させ、立派な樹木として君臨していました。それがまた赤紫のキョーレツな色で恐ろしいかったこと…汗。

そんな最強のヤブガラシですが、駆除の方法は意外と簡単でした。エイリアン系のSF映画でたまにある「えっ、そんなことで?」的なやつです。グーグル先生に教わったその方法は、木に巻きついている蔓をちぎれないようにほどき、クルクルと丸く巻いてしまうだけです。音楽関係者ならよく知る「八の字巻き」な感じです。そして、それを土の上にそっと置いておくと、数週間で枯れていきます。ああ、何という儚いラストシーン。破壊された街に死体を横たえるモンスターのようです。

…しかし、物語はそれで終わりません。ヤブガラシ本体がそれで駆逐されたわけではない場合があります。ほら、平和の訪れを噛み締める主人公を嘲笑うかのように、また小さな触手がひょこっと顔を出しています…。(2021/06/25)

▲巻き巻きしてそっと置いておく。「お前の役目は終わった」と言うと良いらしい

 

辻伸介:全国学校軽音楽部協会副理事長/ドラマー/サウンド・プロデュース&ディレクション/専門学校ESPエンタテインメント東京講師/ライター◉藤子不二雄と手塚治虫の蔵書は1500冊以上/昼寝うたた寝愛好家/古代史&日本史好き

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