Vol.80 東京都立篠崎高等学校 軽音楽部

第80回目の訪問校は東京都立篠崎高等学校です。江戸川区の東側に位置する同校の最寄駅は都営新宿線の篠崎駅で、バスで10分ほどのところにあります。取材時は校舎の建て替え工事中でしたが、2学期からは新校舎での生活が始まるとのこと。「伸ばします あなたの可能性」を学校の目標に掲げており、生徒の学力の伸長や規範意識の醸成、希望する進路の実現を目指し、教育活動を行っているそうです。早速、軽音楽部の様子を顧問の常泉大介先生に伺いました。


ー 部活動の歴史を教えてください

常泉着任当時、部活動としては存在していましたが、アンプがベースとギターのそれぞれ1台ずつしかなかったのと、マイクをギター・アンプにつないでいるような状態で、ドラムも古く、チューニングはめちゃくちゃでした。とはいえ、当時の3年生は頑張っている状況だったので、これでは面白くないと思い、1年生をまとめて、しっかりやろうということで始めました。最初は出欠を取りつつ、自費でいろいろな機材を購入してスタートしましたが、徐々に部費が集まり、見通しがついてきたところです。

ー 軽音楽部の地位はどのような感じですか

常泉顧問に就いた当初から、運が良く、活動場所に使えそうな教室が複数ありました。休日は特に、ある程度自由に使用できそうだったため、学校に申請し、スタジオ練習も個人練習も教室が確保できています。音は大きく、迷惑をかけていますが、生徒の頑張りを理解してもらい、活動させてもらっています。

ー 現在の部員数を教えてください

常泉:総員数60名です。2、3年生が15名ずつくらい、1年生が30名です。女子が8割、男子が2割くらいです。

ー 部員数の推移を教えてください

常泉:今年の1年生の入部は30名でした。人数は例年通りですが、今年の1年生は出席率が良いので、しっかりやろうとしている姿勢が見られます。毎年、総員数は60名前後で活動しています。

ー3年生の引退時期はいつになりますか

常泉:文化祭での発表が最後になりますので、9月です。今年は校舎の建て替えのため、文化祭が10月になりましたので、3年生の引退は10月です。

ー 新入部員の募集方法や入部規定はどのようにされていますか

常泉:「新入生歓迎ライブ」を行い、その後「体験会」を実施しています。入部時は人数の制限を設けたいと思いましたので、今年から「部則を書き写すこと」「部活動に入部したら、どんなことをしたいかの作文を書いてくること」を課題にしています。他にも「8の字巻きができるようにしてくること」や「シールド・ケーブルの種類」などのテストを通過してから入部させています。

ー 普段の練習時間はどのくらいありますか

常泉:全員出席するのが、火曜、水曜、木曜、土曜の4日あります。放課後の15時45分から18時30分までです。その他の曜日も週の7日をバンドごとに充てて、シフト制にして活動しています。

ー 練習場所はどのくらいありますか

常泉:各パートごとに分けて、講義室を3つから4つ使用し、練習しています。吹奏楽部と兼用ですが、音楽室も使用できます。音楽室では、許可が出ている時は生ドラムでの練習ができますが、ダメな時は電子ドラムを使用したスタジオ練習になります。ドラムは電子ドラムですが、アンプは使用できるので、サイレントにまではしていません。スタジオとして利用できるのは音楽室を含めて、2箇所あります。

ー 各バンドのスタジオの利用方法はどのように組まれていますか

常泉:各バンドの希望を翌月のカレンダーに記入させています。それをこちらで割り振って、ローテーションを組んでいます。全員が集まる日は出欠を取り、全体練習をします。その後、スタジオに入っているバンド・メンバーは移動して、練習します。その他の部員は各パートごとにそれぞれの部屋に移動し、練習しています。

ー 練習メニューはどのようなことをされていますか

常泉:全体練習はデジレコ・ジュニアを参考にさせてもらい、拍を取りながらのリズム練習と、腹式呼吸を全員でクリックを流しながら、という練習を取り入れています。パート練習はパート・リーダーを選任してありますので、練習メニューを作らせています。水曜日はバンド練習を前半に入れずに、全員でのパート練習の時間にしてあります。その時間は「休むことなく、全員でしっかりやろう」ということで行っています。

ー 貴校らしいユニークな練習方法はありますか

常泉:デジレコ・ジュニアを見ながら他校の記事を参考にさせていただき、部員に提案しながら取り入れているところです。

ー 校内での発表の場はありますか

常泉:4月に新入生歓迎ライブ、5〜7月には校内発表、9月に文化祭、12月にクリスマスライブがあります。田舎ですので、あまり校外でライブハウスを貸し切ってやるような地域環境ではないため、校内での発表の場を多くしています。校内で開催するライブは基本的に部員以外の生徒も見られるようにしていますが、今年に関しては部内発表会として行っています。

ー 近隣校との交流はありますか

常泉:現在は建て替え中ということもあり、場所がないので、お呼びすることはないのですが、近隣高校との合同練習には参加させていただいています。新校舎が完成したら、本校でも開催できればと思っています。

ー 受賞歴はありますか

常泉:連盟の大会では去年の夏に準決勝まで行きましたが、賞は取れませんでした。民間のイベントではフェイス・オン主催の「高校生ライブMUSIC DAYS」に去年と今年に参加しています。今年は7月に初戦に出場する予定です。

ー 郊外活動は許可されていますか

常泉あまりそのような事例が今までないので、制限は特にしていないのが実情です。今後は活動していく上で、しっかりとルールを決めてやっていこうと思っています。リハーサル・スタジオの利用に関しては近隣の「教育プラザ」というところと交流があり、スタジオも含めて、様々な支援をされているようなので、そこでは安心してスタジオを使用しています。

ー 現在はどのような部活動ですか

常泉:熱心に活動を続けられる部員を選別するため、厳しいことも言いながら、指導している段階です。それでも頑張りたいと言う部員が残っていますので、その頑張りたいという気持ちを応援して、形にできたらと思っています。

ー 今後はどのような部活動にしたいですか

常泉:すべてのバンドがオリジナル曲を作って、どんどん発表する部活動にしたいです。友人や顧問など、身内だけでなく、いろいろな人に聴かせて欲しいです。「自分たちにしかできないオリジナルを作って、たくさんの人に思いを伝える部活動」が伝統となって、世代や環境が変わっても、人を楽しませる部活動であったくれたら嬉しいです。

ー 部活動のモットーや部則はありますか

常泉:「365日、軽音楽部員であれ」という言葉をいただいて、部員に書かせています。基本的な挨拶のほか、「ルール違反はするな」「いろいろなことを勉強して軽音楽部に生かせるように」などは言い聞かせています。

ー 指導方針や注意事項などはありますか

常泉:特別なことはありませんが、まずは学校生活をしっかりとする。勉強では赤点を取らないように頑張る。挨拶はもちろんですが、軽音ノートに何でもメモを取るように指導しています。

ー 顧問として苦労したところや、やりがいを感じるのはどんなところですか

常泉:全体で動くだけの部活動ではないので、現状はまだ私の力不足のため、すべてのバンド、すべての部員に向き合って指導してあげられないところで苦労しています。演奏や練習も細かく毎回見に行くことができないので、こちらの知らないところで間違った練習を続けていたら、もっと早く教えてあげられれば良かったと思ったこともあります。反対に、個々でいつの間にかオリジナル曲を作っていたり、上達していたりするなど、予想を超えてくれる部分を見るとやりがいを感じます。

ー 軽音楽部の目標を教えてください

常泉:オリジナル曲を作ることと校内だけではなく、大会などの校外に出て行って、多くの人に認めてもらう経験をして欲しいと思います。そこで得たことをまた試行錯誤して、自分なりの表現力を磨いていければ良いと思います。

ー 誌面を通して、部員にコメントをお願いします

常泉:「楽しませることが楽しい」と実感して欲しいです。辛いことがあるかもしれないけれど、自分たちの表現活動で、喜んでもらえたときの感動を知って欲しいです。誰かのためになって、楽しいと思うことができれば、どんな社会に出ても輝けるし、必要とされると思います。苦しいことも乗り越えて、喜びのために頑張りましょう。

ー デジレコ・バンド・クリニックを実施した感想をお聞かせください

常泉:このクリニックは部員たちも本当に楽しみにしていて、「しっかりやろう」という目標を持つキッカケにもなりました。実際に開催をお願いしてみて、プロの方の生演奏を聴く姿勢や指導を受ける部員の顔つきが普段とは違いました。私がいつも話している内容であっても、環境の違う中でプロの先生から言われると、部員も飲み込んでくれていたように感じました。本当にありがたい機会でした。

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