福岡県立筑前高等学校 大谷伸弥先生、福岡県立常磐高等学校 福田紋一郎先生

今までいろいろな都道府県の軽音楽連盟を取材してきましたが、今回は異例です。博多どんたくで盛り上がるゴールデンウィーク、北九州市小倉にある常磐高等学校で開催された合同練習会にお邪魔して、福岡県の軽音楽連盟設立準備委員会から設立準備委員会の名称が取れる瞬間、連盟が立ち上がる瞬間に立ち会わせていただきました。設立準備委員会の福田先生、軽音楽連盟の大谷先生のお2人に、福岡県高等学校軽音楽連盟の軌跡と今後の展望などについて伺いました。(2015/6/DiGiRECO.JR VOL.7 掲載)

福岡県高等学校軽音楽連盟〜その軌跡と今後の展望

ー これまでの活動についてお伺いします

福田:はじめのキッカケは大谷先生とお互いに似ているんです。ティーンズロックの全国大会があり、そこで東京の高校の軽音楽部の顧問の先生とお話しする機会がありました。それでいろいろな話を聞かせていただきまして、「なるほど」と感じたんです。その後、しばらくして、私に福岡県の仮の代表になってくださいという話をいただいたので、学校長に許可を得た上で、代表という立場になったというのが始まりです。

ー それは何年頃のことなのですか

福田:2013年の全国大会だったと思います。その後、「全国高等学校文化連盟軽音楽専門部設立準備委員会」のホームページに福岡県の代表ということで名前が載っていたことに驚きました(笑)。漠然としてですが、ずっと県大会をしたいと思っていたんです。私の性格上、各高校の軽音楽部の顧問の先生に会議の招待状を送って、会議を開くというのはどうも性に合いません。それなら「イベントを開催しますので来てください」という方が私らしいので、そういうことをしたいしたいとずっと思いながらも、でも、実現は5年後かな、3年後かな、と先延ばしにしていました。そんな時、デジレコ・ジュニア誌の連盟ニュースのコーナーへの寄稿の話が来ました。まだ書けるようなネタはありませんでしたので、1回目では相当困りましたね。その時は宮地嶽神社で開催されている「ミヤジック」が福岡県で唯一、高校生が集まっているところでしたので、それしか書くことがないと思いました。5年後にやろうと思っていたことを「来年しよう!」と思えたのは、デジレコ・ジュニア誌のプレッシャーのおかげだと思っています(笑)。

ー それまでは、そういう集まりはなかったのですか

福田:はい。そういった集まりは福岡県には今までは一切、ありませんでしたね。 大谷:そういう話をさせていただいたのも今年のミヤジックの時が初めてでしたね。ついこの間、話をさせていただいたので、まだ始まったばかりです。私も福田先生と同じように、ティーンズロックに行かせていただきました。私も「福岡にも高校生の軽音楽部の母体になるような組織があれば良いな」と思っていましたし、他校にもそういう先生がいると思います。福岡県で連盟を作って、生徒たちを全国大会に出せるようにしたいと思っていました。

ー まだ始まったばかりですが、連盟の立ち上げで苦労したことはありますか

福田:学校の中で軽音楽部という存在が認められるには、何かを変えないといけないと常に思っていました。そこで考えて考えて、考え抜いたのが、野球部やバスケット部の練習試合に当たる「合同練習会」なんです。第1回目の合同練習会では公文書はなしで、ただ、「練習しませんか?」というような感じで各高校の軽音楽部の顧問の先生に連絡をして開催しました。知り合いの熱い先生方は公文書なしでも来ていただけました。しかし、今回の合同練習会では、照明が倒れてくるなどの事故やケガにあった時には責任問題などが出てくるので、公文書がないと参加できません…という声が1つ2つと聞こえてきました。やはり私の名前で公文書を出すことができれば、もう少し集まっていたんだろうな、というのが今回の反省点だと思います。

ー 複数の学校で動くにはその辺が難しいのでしょうか

大谷:そうですね。まず、各高校の軽音楽部によって温度差があります。全校的に軽音楽部が認められているわけではないのが現状だと思います。ですので、一応、高校の中に軽音楽部はあるけれど、対外的な活動を活発にすることは控えるように、と言われてしまう高校も中にはあるようです。今は連盟と名のつく組織や団体がない状態ですが、たとえそれが公的に認められていなくても、任意団体だったとしても、連盟という名前が付いているだけで、各高校も安心して出て来やすくなり、参加できる軽音楽部が多くなるのではないかと思います。

ー 今後のことになりますが、連盟への加盟条件や費用などはどのような感じですか

大谷:現時点では特にまだ決めていないのですが、福岡県内の高校であること、軽音楽部や同好会があることくらいです。もちろん生徒が勝手に入りたいということではなく、前提として高校の許可が必要となります。費用に関しては、まだ何にどれだけの費用がかかるのか、具体的にはわかっていませんので、今年度は取らないで、もし大会などで費用がかかる場合は「参加料」という形で徴収するくらいに思っています。来年度以降、きちっとした形で連盟ができて、通信費などの必要な経費が出始めたら、徴収することになるかもしれませんが、現時点では取るとか取らないとか、取るならいくらにするとか、いつから取るかなどの具体的なことは何も決まっていません。

ー 連盟の立ち上げは6月9日ですか

大谷:はい。「ロックに因んでわかりやすいかな」と勝手に思っています(笑)。

福田:私は大谷先生に任せています。

ー 今後の目標は

大谷:まずは「福岡県の代表を決めるような大会を開く」ということですね。近々で言えば、来年、広島で開催される総文祭に福岡県の代表として参加できるバンドを選ぶということです。どこの県でも同じだとは思いますが、生徒たちに「横のつながり」を持たせたいのです。私が理想にしているのは野球です。例えば、松坂世代だと、杉内とか、和田とか、甲子園で一緒に投げ合った連中はチームが違ってもすごく仲が良くて、切磋琢磨していたんです。残念なことに、今の福岡の軽音楽部ではそういうことができていないのが現状です。将来は、一緒に競い合う場があって、他校を認め合うことで深く知り合う。そんな切磋琢磨した相手を尊敬できる仲間として、大人になってもつながりを持っていけることが大切だと思います。将来、プロになってもならなくても、高校時代で得た「軽音楽部の仲間」というのは、間違いなくかけがえのない彼らの「財産」になると思うんです。そうなるためには、やはり大会が開ける母体が絶対に必要だと思います。

ー 何か目標を作ってあげないといけませんよね

大谷:はい、そうなんです。今の福岡県の軽音楽部では文化祭が最高の発表の場で終わりなんです。しかし、東京などはそうではなく、もっと高いレベルで各高校と勝負というか、切磋琢磨していると思うんです。それを福岡県にも持ち込みたいです。将来的には全国にも出て行きたいと思います。

ー そういうことがあると校内での地位も向上しますね

大谷:福岡県大会を行う時も、多少お金がかかったとしても、それなりの会場で開催することで周りにアピールできると思うのです。そういう実績を作ることができれば、大いに福岡県を盛り上げていくことになると思います。やはり部活動では何か目標を持たせないと生徒も育ちません。その目標が高ければ高いほど、顧問も生徒も一丸となれるはずなんです。そこで少しでも成績が出せたら学校内での地位も上がるのですから、学校や生徒たち、また顧問にとっても「軽音楽連盟」の設立というのは大切なことなんだ、意義のあることなんだということをご理解いただきたいと思います。

ー 他の高校への呼びかけは

福田:参加の呼びかけのファックスは4月1日に福岡県内の軽音楽部のあるすべての高校の顧問の先生に送っていますので、それを読んで、返事をしてくださいということですかね(笑)。

大谷:各高校によって、軽音楽部に対する温度差があると思います。ですので、まず軽音楽連盟を設立するにあたり、各校の意見も伺おうと思いました。それで4月に「軽音楽部に連盟ができた場合、加盟したいか、したくないか」という内容のアンケートを各校に送りました。「加盟したい」という高校が10校を超えたら連盟を設立しようと思っていましたが、「加盟したい」と回答してくださった高校が10をゆうに超えましたので、やはり動き出さないといけないと強く感じました。部活動として軽音楽部が高校に存在しているはずなのに、学校側が対外的な部活として認めていないところが、福岡ではまだまだ多いと思います。一方で、他県では軽音楽のいろいろな大会が開かれていることも事実です。福岡県はまだ始まったばかりですが、軽音楽連盟というきちんとした形で活動できれば、各校の認識も少しずつ変わっていくのではないかと思います。

ー 6月9日に設立と伺いましたが、その後の活動の具体的なスケジュールを教えてください

大谷:大きなイベントとしては秋に大会を行います。また、各地で合同練習会を行う予定です。福岡県は地域的に離れていますので、他の部活なら地域の大会があり、県大会に勝ち進むというのが一般的です。軽音楽部はまだ参加校が少ないですので、いきなり県大会ということになってしまうと思いますが、福岡に集まるにしても交通費の問題もありますので、参加したくても参加できないという状況の高校も出てくるかもしれません。福岡県は4つのエリアに分けることができ、筑後、筑豊、福岡、北九州となるのですが、現状ではそこまで分ける必要はないと思いますので、当面は私の筑前高校が福岡エリアの、福田先生の常磐高校が北九州エリアの拠点にならざるを得ないと考えています。

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