埼玉県高等学校軽音楽連盟 委員長 鈴木和彦先生、事務局長 斉藤教雄先生

大会や技術講習会を開催することで埼玉県内の高校間の交流や演奏技術のレベルアップを図り、軽音楽部としての活動を充実したものにする…。そんな目的の元に設立された埼玉県高等学校軽音楽連盟は今年度で設立4年目となります。そんな同連盟のこれまでの軌跡と今後の展望について、委員長の鈴木和彦先生と事務局長の斉藤教雄先生に伺いました。(2014/9/DiGiRECO.JR VOL.4 掲載)

埼玉県高等学校軽音楽連盟〜その軌跡と今後の展望

ー 埼玉県高等学校軽音楽連盟のこれまでの軌跡や、連盟発足までの経緯を教えてください

鈴木:埼玉県高等学校軽音楽連盟の発足は2011年(平成23年)です。前年の2010年11月に民間企業とテレビ局が主催するインストアのコンテストが開かれた際に埼玉県内の軽音楽部があるすべての高校に声がかかり、そのコンテストでいろいろな高校が初めて一堂に会することになりました。21校が集まり、「軽音楽部のある高校がこんなに集まったのだから、埼玉県も軽音楽連盟を作りましょうよ」という話になって、発足に向けて動き出しました。また、私立高校が先行して「私学文化祭」を開催したり、東京や神奈川の軽音楽連盟の方々とつながっていたこともあり、「我々も東京や神奈川で行われている軽音楽コンテストに参加したい…。そのためには埼玉県も軽音楽連盟を作るべきだし、県大会も開催しなければいけないのでは?」という意見が出ていたことも連盟を立ち上げることにしたキッカケと言えます。「軽音楽連盟を作るということは部活動としての裾野を広げられたり、高校間の連携につながるほか、軽音楽部員の目標となる大会を開催することができるなど、いろいろなメリットがあるな…」ということで、翌年に埼玉県高等学校軽音楽連盟を発足させました。

ー 既に神奈川や東京に軽音楽連盟があったことから、「埼玉県も作らないの?」という声がかかったわけではないのですね

鈴木:実は、そうではありません。先述のコンテストで多数の高校が集まっていなかったら、恐らく、埼玉県の軽音楽連盟は立ち上がらなかったと思います。

ー 発足以降は東京や神奈川といった近隣の軽音楽連盟と連携を取られたのですか

斉藤:はい、すぐに連携を取りました。私学文化祭に出ていた、埼玉平成高校などが「東京や神奈川の軽音楽連盟はどれくらい進んでいるのか?」ということをよくご存知だったので、そういったお話を伺ったり、いただいた資料を参考にしながら連盟の運営をスタートしました。また、東京や神奈川の軽音楽連盟の委員の先生からも会計のやり方や大会を開催するにあたっての注意点など、様々なご指導をいただきました。

ー 加盟校の推移はいかがですか

鈴木:一堂に会した高校さんの中には軽音楽連盟に加盟しなかったところもあるので、最初は19校の加盟校でスタートしました。その後、23校になり、32校に増えて、連盟発足から4年目となる現在の加盟校数は43校44部活です。

ー 埼玉県の軽音楽連盟では、どのようなところに力を置いているのですか

鈴木:軸足として置いているのは「部活動として、きちんと学校内で活動をする」ということです。ここが一番のポイントで、部活動であろうが、同好会であろうが、形態は問いません。組織として、ちゃんと活動していることが前提となります。どちらかと言うと、軽音楽部は学校の中であまり日の目を浴びるような団体ではなく、「音が大きい」とか「マナーが悪い」などと言われることが少なくありません。そこで、時間を守ることの大切さや身の回りや練習場所を綺麗にし、使ったものは元に戻すなど、学校生活を送る上での生徒指導を顧問の先生にしっかりと行っていただくことをお願いしています。

ー 埼玉県の軽音楽連盟として、具体的にはどのような支援をされているのですか

斉藤:まず、埼玉県高等学校軽音楽連盟主催という形で「顧問意見交換会」を1年に1回のペースで行っています。連盟への加盟/非加盟を問わずに顧問の先生をお招きして、「それぞれの学校ではどんな風に活動しているのか?」などの事例報告を発表したり、意見交換という形でお互いのノウハウを共有できるような場を設けています。

鈴木:連盟の活動で一番大きなものは、夏の大会です。今年度で4回目の開催となりました。また、「技術講習会」も行っており、形態は毎年変わっているのですが、今年度が今までで一番規模の大きな技術講習会と言えます。

斉藤:軽音楽部として活動していくにあたって、しっかりと指導できるような先生が顧問ではない場合は、我々が主催している技術講習会に部員を連れてきて欲しいと思います。参加することで演奏技術を向上させるキッカケが得られるのはもちろん、今後の目標などを見つけることができると考えています。

今年度は年に3回、講習会を行う形となりました。それぞれの内容は「バンドクリニックと楽器講習会を合わせた技術講習会」と「エフェクターセミナー」、「ドラムセミナー」です。こういった講習会にはたくさんの高校から軽音楽部員が集まるものの、「話を聞いて終わり」になってしまうと部員も面白くないので、なるべく自分の手を動かして体験する「ワークショップ形式」の講習会にこだわって、企画しました。

また、ただ教わるだけでなく、「生涯、音楽を続けていきたいな…」と思うことができる、生徒たちに夢を与えられるような活動を連盟としても行っていきたいと考えているので、今年度のドラムセミナーにはGLAYのサポート・ドラマーであるToshi Nagaiさんや元JUDY AND MARYのドラマーの五十嵐公太さんをお呼びしました。普段、なかなかお会いできない方々に教えていただいたり、話を聞く経験を通じて、「音楽は本当に素晴らしいものだし、ゆっくりなペースでも続けていれば、段々と面白くなるものなんだ!」ということを感じてもらいたいと考えています。

ー 技術講習会は、いつ頃にどのくらいの参加者が集まるものなのですか

斉藤:今年度の技術講習会は6月と10月と来年2月の計3回です。参加人数は各回70〜100名ほどで、人数をなるべく絞るために今年度は東と西の2つの会場に分けています。3つのセミナーをローテーションさせる形で行い、講習会に3回参加すると、すべての講習を受けることができます。東会場はエフェクターセミナー→ドラムセミナー→バンドクリニック&機材講習会という流れで、西会場はバンドクリニック&機材講習会→エフェクターセミナー→ドラムセミナーとなっています。「東と西の会場を跨ぐことはできない」というルールを設けたほか、なるべく多くの生徒が楽器に触れたり、体験できるような講習会とするために、今年度は「埼玉県高等学校軽音楽連盟の加盟校限定」とさせていただきました。

ー 会場はどういったところを使用されるのですか

斉藤:今年度は各セミナー会場を「学校」としました。6月に開催された第1回では東会場が越谷南高校、西会場は立教新座高校、10月に開催される第2回では東会場は越谷南高校、西会場は川越女子高校となる予定です。来年の2月に行われる第3回の各会場は未定となっています。

ー セミナーは、それぞれどんな様子でしたか

鈴木:バンドクリニック&機材講習会では、講師の先生の前で演奏してアドバイスをいただく…というスタイルで、午前中に3つのバンドのクリニックを行いました。ジャンルや形態が異なる3つのバンドに参加してもらったので、残りの部員たちには自分のバンドのことに置き換えながら受講してもらいました。そして、お昼休憩の後はボーカルやギター、ベース、ドラム、作詞作曲など、それぞれのパートごとに分かれてセミナーを行い、自分の興味があるものを2つ受けられるように講座数は2コマを用意しました。

ー エフェクターセミナーはいかがでしたか

斉藤:こちらのセミナーでは「歪み系」や「空間系」、「モジュレーション系」といったテーマごとに「どのような使い方ができるか?」という講義を3コマ行いました。また、「生徒がどのような音楽をコピーしているのか?」というアンケートを事前に行っておき、それらの曲の「音作りのコツ」や「プロのギタリストはエフェクターをどのように組み合わせているのか?」を紹介していただきました。

ー 埼玉県の軽音楽連盟に加盟するためには費用や条件はありますか

斉藤:連盟が主催する行事に顧問の先生が引率していただけるのであれば、それ以外に加盟の条件はありません。なお、加盟費は年間で3,000円です。また、大会に参加する場合は連盟加盟校と非加盟校で金額に若干の違いがあり、加盟校の場合は1バンド3,000円、非加盟校の場合は1バンド5,000円となっています。

さらに、軽音楽連盟の主催行事として、夏の大会以外にも昨年の冬から「新人大会」を開催しています。これは審査員の方々を迎えるのではなく、軽音楽部員同士で投票を行い、「お互いの演奏を聴き合う場」として始めたものです。あくまでも「皆さんで発表しましょう!」という場なので、参加費は加盟校1,000円、非加盟校は2,000円としています。

▲埼玉県の大会で恒例となっているコメント用紙の交換。用紙は演奏を聴いて良かったと思うバンドの代表メンバーに手渡しします

ー 投票形式なのですね

斉藤:はい、そうです。また、埼玉県の軽音楽連盟ではコメント用紙の交換を恒例行事として行っています。新人大会の際もコメント用紙の交換を行ったほか、「良かったと思う5つのバンドに○を付けてください」というアンケートを行い、一番多くの票を獲得したバンドを「優秀バンド」として表彰しました。

学校生活の中では、なかなか軽音楽部員が表舞台に立てる機会というのは少ないと言えます。例えば、学校の全体集会などの場で、「軽音楽部が○○大会で優秀賞を獲得しました」と紹介されて、校長先生から賞状を渡されると、「軽音楽部も頑張っているんだね!」というアピールが全校生徒に対してできるので、軽音楽連盟としても「表彰」はしっかりと用意するようにしています。また、年度末には連盟加盟校の各顧問の先生から、軽音楽部の活動に貢献してくれた1名を選んでいただき、その部員に軽音楽連盟が表彰状を贈る「優良生徒表彰」という取り組みも行っています。

ー 他県の軽音楽連盟との関わりはありますか

鈴木:一番大きな関わりとしては、「埼玉県大会」の決勝を勝ち抜いた上位2バンドが「全国大会」に出場することができます。また、東京都の新人大会や千葉県の県大会など、他県の大会の審査員として、我々にお声がかかることがあります。

ー 埼玉県高等学校文化連盟(高文連)の軽音楽専門部の立ち上げへの取り組みは、どのようなことをされているのですか

斉藤:埼玉県高等学校軽音楽連盟としての活動も充実し始めており、高文連に専門部を立ち上げた場合でも、十分に活動していくための役員の数や経験を積んできていると言えます。ただ、トップになっていただける方が決まらないと設立を申請できないので、まずは引き受けていただける方を見つけないといけません。

ー これからの活動目標を教えてください

鈴木:3部構成となっている技術講習会がまだ1巡していないので、まずは1年間しっかりと取り組んで、どのような広がりがあるのかをリサーチしたいと考えています。また、新人大会も今年度が2回目の開催なので、次年度に向けた登竜門のようなものになってくれれば…と思います。

斉藤:近々の目標として、「大会の数をもう少し増やす」ということが挙げられます。夏の大会は3年生の最後の大会、新人大会を1年生のデビューライブと捉えると、2年生にもそういった機会を与えられれば…ということで、年に3回は大会を開きたいと考えています。また、どんな形でも生涯に渡って音楽活動を続けて、「音楽って楽しい!」と思ってもらいたいので、プロのライブを見ることで本物のパフォーマンスを体験したり、バックステージの見学などができれば良いな…と考えています。

ー 軽音楽連盟にまだ加盟されていない方々へのメッセージをお願いします

斉藤:活動の主体は「部員」なので、たとえ顧問の先生が音楽に詳しくなくても、まずは連盟の活動を見に来ていただきたいです。自分たちと同じ高校生がしっかりと挨拶をし、大会で頑張って演奏している姿を見ると、部員たちは自ずと刺激を得て、成長していくと考えています。県大会や技術講習会の開催など、今後もいろいろな高校の軽音楽部員が一堂に会する機会を作っていくことが充実した軽音楽部の活動につながると考えているので、ぜひ一緒に上を目指していければ…と思います。

鈴木:「軽音楽連盟としての活動が、こんなに充実しているんだ!」ということを肌身で感じ取っていただき、それらすべてが部員に活かされていることを知っていただければ…と思います。直近で言うと、10月5日(日)に第2回目となる技術講習会があります。顧問の先生の飛び入り参加も可能ですので、ぜひ見学に来ていただけると嬉しいです。詳細は事務局までお問い合わせください。

埼玉県高等学校軽音楽連盟 公式ホームページ http://music.geocities.jp/keionsaitama­

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