千葉県高等学校軽音楽連盟 事務局長 島 晴己子先生

千葉県高等学校軽音楽連盟は神奈川県や東京都の軽音楽連盟に続く形で、事務局長である島 晴己子先生を中心に2011年に設立されました。そんな島先生は東京都高等学校軽音楽連盟の成り立ちを見てきたほか、自身が勤める高校に軽音楽部を新たに作るのと同時に千葉県高等学校軽音楽連盟の立ち上げに尽力された先生です。早速、同連盟のこれまでの軌跡と今後の展望について伺いました。(2014/9/DiGiRECO.JR VOL.4 掲載)

千葉県高等学校軽音楽連盟〜その軌跡と今後の展望

ー どのような経緯で千葉県高等学校軽音楽連盟を発足することになったのですか

:関東地方では、まずはじめに神奈川県高等学校軽音楽連盟が立ち上がり、その次に東京都高等学校軽音楽連盟が発足されました。その流れで、「ぜひ千葉県も軽音楽連盟を作りましょうよ!」という神奈川県の先生方からの熱い要望があり、2008年から設立に向けて本格的に動き始めました。

ー 神奈川や東京の先生方からの要望があったのですね

:はい。それまで私は東京の高校に勤務しており、軽音楽部の顧問でもあったことから、東京都高等学校軽音楽連盟が設立されるまでの準備期間から連盟発足までの経緯を見てきました。その後、私は千葉県にある東海大学付属浦安高校へ転勤となったのですが、東京や神奈川の軽音楽部の顧問の先生方とのつながりがあったのはもちろん、東京の軽音楽連盟が設立される一部始終を見ていたので、私が中心となって千葉県高等学校軽音楽連盟を立ち上げることになりました。

ー はじめにどのような活動をされたのですか

:まず、千葉県内にある高校のうち、何校くらいに軽音楽部があるのかがわからなかったので、本校主催という形で合同ライブを開催することでいろいろな高校を招いたり、柏市で開かれているバンドフェスティバルに参加した高校に声をかけるところから始めました。ちなみに、着任当時は本校にも軽音楽部がなかったので、本校の軽音楽部と千葉県高等学校軽音楽連盟の立ち上げを同時期に進めているような状態でした。

ー その後、どうされたのですか

:2008年頃から、いろいろな高校の軽音楽部の顧問の先生方と緊密に連絡を取り始めました。「生徒の健全な軽音楽活動を推進するために」という目標の元に合同ライブを重ねることで発表の場を増やしていくのと同時に、顧問同士の横のつながりを作り、情報交換をしていきました。

そして、2009年8月に開催された神奈川県高等学校軽音楽連盟主催の「高等学校軽音楽コンテスト 南関東大会」に「千葉県枠」として出場するための予選会を埼玉県と合同で行いました。最初に大会に参加した高校は10校でしたが、2011年には20校に増え、正式に連盟を立ち上げることとなりました。

ー 加盟校はどのように増えていったのですか

:発足当時の加盟校数は10校で、現在は24校が千葉県の軽音楽連盟に加盟しています。いろいろな高校と合同ライブを行うことで交流を深めていったり、外部のコンテスト出場校などに声をかけさせていただいたことで、加盟校数を伸ばしていきました。

ー 加盟校間での意見交換会などは行っているのですか

:千葉県の軽音楽連盟は東京や神奈川、埼玉のように頻繁に役員会が開かれ、活発な話し合いが行われて、ルールが出来上がる…というよりも「生徒たちが不自由なく活動できる場を提供する」という側面が強く、あまり決めごとを設けていないところがあります。「今度の予選会は○○先生が中心となってやりましょう!」という感じで、中心となる役割を回していくスタイルを取っており、定期的な役員会も開いていません。連盟が出来上がった当時は私がすべてを担当していたのですが、「それだと大変でしょう…」という気遣いの声をかけていただき、今は加盟校の先生方と協力しながら運営しています。

ー 連盟に加盟するための条件や費用はかかりますか

:いいえ、加盟するための条件はなく、加盟金も必要ありません。本当に「千葉県内の軽音楽部同士で仲良くやっていきましょう!」という感じなのです。また、軽音楽部がある千葉県内のすべての高校に「○月に大会を開催します」といったお知らせを送付しているのですが、残念ながら、返事をいただけるところは限られています。「もうこれ以上、加盟校は増えないかもしれないな…」という気もしており、今後は既に連盟に加盟している高校の顧問の先生が転勤されて、赴任先である新たな高校から再び千葉県の軽音楽連盟に加盟していただくことで加盟校が増える…という推移の仕方が中心になると考えています。

ー 軽音楽連盟の主な活動を教えてください

:千葉県高等学校軽音楽連盟では、今年度から全国大会となった「全国高等学校軽音楽コンテスト」の決勝大会に出場するための予選会を7月と8月に行っています。また、一昨年の11月からは1・2年生の発表の場である「新人コンテスト」も行うようになったほか、さわやかちば県民プラザさんが主催されている「高校生バンドフェスティバル」に共催という形でご協力させていただいています。発表する場を「文化祭」以外にも設けることで、部活動の活性化や部員1人1人に目標を持たせることを目指しています。

▲8月8日に行われた千葉県大会の決勝戦でグランプリと準グランプリを獲得したバンドが全国大会の決勝戦へと駒を進めました

ー 他にはどんな活動をされていますか

:大会の開催以外に軽音楽連盟が主催する形での技術講習会などは行っていませんが、各校が主催される合同ライブや音楽専門学校の出張クリニックなどの案内は加盟校にお知らせしています。例えば、合同ライブでは東京学館船橋高校さんがたくさんの高校を集めて、2月に大きなイベントを開催されています。恐らく、参加校数は千葉県の軽音楽連盟が主催する大会に出場する高校数よりも多いと思います。

ー それは大規模な合同ライブですね

:また、専修大学松戸高校さんも10校くらいの高校を集めた合同ライブを主催されています。どちらも年に1回の大きな合同ライブで、あとは各校が小規模な合同ライブを行っているようです。ちなみに、本校では夏の終わりにコピーバンド限定の合同ライブを開催しました。

ー 各校が偏りなく集まることができるのは、千葉県内ではどのあたりなのですか

:千葉の問題は、そこなのです…。拓殖大学紅陵高校さんや木更津工業高等専門学校さん、木更津東高校さんなどが軽音楽連盟主催の大会に参加していただいているのですが、何ぶん会場までが遠いんです。「じゃあ、真ん中をとって、千葉市で開催するのはどう?」と言いたいのですが、千葉市には軽音楽部のある高校があまりないので、どうしても大会や合同ライブの開催地は習志野市や船橋市、八千代市などになってしまいます。

ー 千葉県は東西南北に広い県ですよね

:そのような感じなので、「県大会の前に各エリアごとに分けた『地区大会』を行った方が良いのかな…」ということも考えているところです。また、柏市にはリハーサル・スタジオやライブハウスなどが多数あり、不自由なくバンド活動ができる環境が整っているということで、柏市周辺には軽音楽部のある高校は存在するのですが、私たちの軽音楽連盟に参加している学校は数校を除いてあまりありません。

ー 同じ県内でもそんなことがあるのですね

:我々は軽音楽部をあくまでも「部活動」として捉えているので、「時間を守りましょう」「挨拶をしましょう」「人の演奏をしっかりと聴きましょう」ということを重視しており、ただ演奏がうまければ良いわけではありません。「カッコ良いパフォーマンスをしよう!」「もっとうまく弾けるようになろう!」といったライブハウスやリハーサル・スタジオが掲げているものとは活動趣旨が異なるのです。

ー「時間厳守」や「挨拶励行」などは社会人として生きていく上でも大切なことですよね

:はい、そう思います。大会や合同ライブを開いた後は生徒自らがゴミ拾いを始めて、使用した会場を綺麗にしてから去るなど、大会を開催する上での心配事もほとんどありません。これは私が東京の高校でも軽音楽部の顧問をしていたから言えることなのですが、東京の軽音楽部もしっかりしているとはいえ、千葉県はさらにそれが強い印象で、生徒指導がちゃんと行われている高校ばかりなので、全体的にビシッとしています。

ー 先日、行われた千葉県の決勝大会が終了した際も、部員の皆さんがゴミ拾いをしている姿が印象的でした

:「挨拶をすること」や「時間を守ること」「身の回りを綺麗にすること」などは社会に出てからも大切であるほか、大会や合同ライブをはじめ、ある程度は大人の手を借りないと成り立たない部活動なので、そのあたりの常識や礼儀はしっかりと覚えてもらわないといけないと考えています。

ー 千葉県高等学校文化連盟(高文連)の軽音楽専門部の立ち上げにも挑戦されているのですね

:軽音楽連盟を立ち上げるのと同時期に高文連の軽音楽専門部の設立を申請しました。しかし、千葉県は運動部が主流な県であるほか、「軽音楽よりも吹奏楽の方が盛んな県であること」や「まだ全国に軽音楽連盟ができていないのだから、専門部の立ち上げは時期が早い」ということで、残念ながら現在も許可は降りていません。

ー まだ千葉県の軽音楽連盟に加盟していない高校に向けて、メッセージをお願いします

:ぜひ、千葉県高等学校軽音楽連盟に加盟してください。11月には1年生を対象とした新人大会を行います。「勝ち負け」や「あのバンドよりもカッコ良く演奏することができた!」といったことではなく、連盟に加盟していると、たくさんの高校が集まる合同ライブに参加したり、他校に友達ができたり、大勢でワーッと盛り上がることができるなど、「音楽の素晴らしさ」にたくさん触れることができます。また、千葉県の軽音楽部にはハードロックやパンクを演奏するバンドがたくさんあるなど、東京や神奈川よりも男の子のバンドが元気と言えます。ぜひ、一緒に千葉県の軽音楽部の活動を盛り上げていきましょう。

ー 全国の軽音楽部員にもメッセージをお願いします

:試行錯誤を繰り返して、楽曲を忠実にコピーすることは簡単そうに見えて、実はとても難しいことなので、これからも挑戦して欲しいと思います。また、ゼロから楽曲を作り出す「オリジナル曲作り」は高校生にしか作れない楽曲の展開があったり、歌詞のメッセージ性もあるなど、とても素晴らしい音楽活動です。既に存在している曲を演奏するのではなく、最初から作り上げていって、その歌詞を人に伝えることで、場合によっては幸せな気持ちにさせたり、感動させたり、心を動かすことができるなど、「これはものすごいことだな…」と思いながら、いつも部員たちの演奏を聴いています。ですので、夏の大会や文化祭が終わって、3年生が引退してしまう時期になると、他校の生徒でも、まるで自分の子のような感覚になり、ジーンとしてしまいます(笑)。

ー それは顧問の先生だからこそ感じるものですね

:はい、そうですね。3年間という活動期間は長いようで、あっという間なので、部活動を引退する際に「軽音、やってて良かったな〜!」と言えるように、一生懸命に部活動へ臨み、「高校時代は何に取り組んでいましたか?」と聞かれた際も「軽音楽部で活動していました!」と、胸を張って言って欲しいと思います。

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