第86回 東京都立狛江高等学校 軽音楽部

第86回目となるデジレコ・バンド・クリニックの実施校は東京都立狛江高等学校です。小田急線の和泉多摩川駅から徒歩3分のところに位置する同校の設立は1972年と比較的新しく、多摩川が校舎のすぐ近くを流れる、穏やかな場所にある高校です。部活動も盛んで、運動部と文化部を合わせると30以上の部活動があるそうです。早速、軽音楽部の様子を顧問の藤田尚志先生に伺いました。

ー 軽音楽部の歴史を教えてください
藤田:本校の軽音楽部は今から10年以上前から活動していたと聞いていますが、詳細は記録などがないため、それ以上のことはわかりません。本校に着任した当初は副顧問をしていたのですが、その2年後に校長からお話をいただき、軽音楽部の主顧問を引き受けました。

ー 現在の軽音楽部の校内での評判はいかがですか
藤田:とてもしっかりとした部長が3年前にいたこともあり、当時は「軽音楽部は良いね」と周りの方から言われていました。しかし、私が主顧問になった2017年の文化祭の時に当時の3年生が引退ライブを行った後夜祭で、観客の生徒たちが盛り上がって飛び跳ねたため、アリーナの床を凹ませてしまったんです。それ以降、あまり良い印象を持たれていないのが正直なところです。ちなみに、昨年度の文化祭はアリーナではなく、剣道場でライブを行いました。

ー 現在の部員数と男女比を教えてください
藤田:新2年生が29名と新3年生が15名の計44名です(取材時)。男女比は半々で、若干男子生徒が多いです。

ー バンド数を教えてください
藤田:バンドを2〜3つほど掛け持ちしている部員もいるのですが、現在は12バンドが活動しています。

ー 部員数の推移はどのような感じですか
藤田:一時期は3学年を合わせて100名近くがいたのですが、最近は段々と入部希望者が少なくなってきています。人数的にちょうど良いので、その分、練習時間を確保することができています。

ー3年生の引退時期を教えてください
藤田:毎年、5月から6月にライブハウスをお借りして、3年生の引退ライブを行っています。

ー 新入部員の募集方法を教えてください
藤田:毎年、新1年生に向けた部活動発表会を行っています。そこで先輩が演奏しているのを見て、入部を決めた生徒には説明会に来るように話しています。生徒に活動内容を説明し、入部希望者は「仮入部」という形になります。その後、希望の楽器パートごとに集まり、各パートの先輩にいろいろと教えてもらう…ということを2~3週間かけて行い、やる気のある生徒は正式に部員となります。数年前までは「入部テスト」として課題曲を演奏させていたのですが、できるだけ全員を入部させたいと考えているので、現在はテストという形ではなく、しっかりと最後まで活動できるかを確認し、入部させています。

ー 生徒会予算や部費の徴収に関して教えてください
藤田:生徒会から活動費をいただいているのですが、今年度から厳しくなりました。これまでは年間で5~6万円あったのですが、今年度からは消耗品代としての2~3万円ほどになってしまいました。楽譜などを購入するだけで消化してしまうので、それ以外のものに使う予算はありません。部費はこれまで1,000円を集めていたのですが、今年は何を購入しなければいけないかを決めてから部費を集めようと考えて、現在、検討しているところです。
ー バンドのメンバーはどのように決めていますか
藤田:4月の終わりから5月の上旬くらいに仮入部期間を経て、正式に軽音楽部に入部した時点で、本人たちの話し合いでバンドを組ませています。部員が100名近くいた時期は練習時間を確保できないため、バンドの掛け持ちは一切禁止にしていました。現在は掛け持ちをしないと活動できないバンドもあるため、メンバーの変更もある程度は聞き入れるようにしています。

ー 普段の練習時間はどのくらいありますか
藤田:月曜日から金曜日までは毎日15時半から18時まで活動しています。土曜日の授業がある日は放課後から17時近くまで練習しており、授業のない土曜日は要望があれば、丸1日活動している日もあります。

ー 練習場所はどのくらいありますか
藤田:普段は普通教室を2部屋使用しています。1つの部屋では個人練習を行い、もう1つの部屋にはドラムセットを置いて、バンド練習をしています。また、部室にもドラムセットがあるので、計3部屋で練習することができます。

ー 教室の使用方法はどのように決めていますか
藤田:本校には部長や副部長以外に「管理」という役職の部員がいます。その管理役の部員が各バンドのリーダーに教室を使用したい日にちを聞き、毎週の時間割を組んでいます。大会が近いと多めに練習を入れたりしながら、練習できないバンドが出ないように工夫しつつ、組んでいるようです。毎日2部屋でバンド練習ができるので、1部屋あたりを2~3バンドで区切って使用することで、毎日6バンドくらいが練習しています。

ー 全体練習はしていますか
藤田:行事が控えている前は全員を集めてミーティングなどを行いますが、全体練習は行っていません。普段も個人練習を熱心にやっている部員がいたり、そうでない部員もいるなど、自由にさせています。

ー 上級生から下級生への指導体制はどのようにされていますか
藤田:仮入部期間中は初心者の生徒がたくさんいるので、2年生が面倒を見るように指導しています。また、「今年は曜日ごとに各パートを分けて、パート練習をしたい」という要望が部員から出たのですが、なかなか実現するのは難しいようです。ですが、顧問としても取り入れていきたいと考えています。

ー 年間の行事予定を教えてください
藤田:4月は部活動発表会での演奏があり、5月〜6月に3年生の引退ライブ、夏は軽音楽連盟の公式大会があるほか、調布市の「むらさきロックフェスティバル」というイベントに招待されているので、毎年参加しています。また、和泉多摩川の商店街でも演奏させていただいています。10月上旬には文化祭での演奏があるほか、学期に1~2回、学年ごとの校内ライブも行っています。民間のイベントへの参加は募集要項などを確認し、部員に参加したければ、声をかけるように言っています。

ー 近隣校と交流はされていますか
藤田:東京都立神代高等学校さんから合同ライブやイベントへのお誘いをいただくので、部員に話をして、希望があれば引率しています。それ以外、他校と関わることは今のところはありません。

ー コンテストでの受賞歴を教えてください
藤田:残念ながら、軽音楽連盟の公式大会での受賞は、まだありません。先ほどの「むらさきロックフェスティバル」ではギタリスト賞やベーシスト賞などをいただいたことがあります。

ー 校外での活動は許可されていますか
藤田:「部活動」としてではなく、「個人」として出る分には認めています。「周りに迷惑をかけないように…」と話しており、すべて自己責任であるという風に理解させています。大会前の練習で外のリハーサル・スタジオを借りることもあるようですが、学校としては関与していません。

ー 合宿はされていますか
藤田:現在は行っていません。部員からは「合宿をしてみたい」という声はあったのですが、当時は夏を過ぎていたので間に合わず、次の代の部員からはそういった声も上がらず、今のところは予定もありません。合宿を実施してみて、どのくらいのメリットがあるのかもわからないので、まずは実績が伴うまでは難しいと考えています。

ー 今後はどのような軽音楽部にしたいですか
藤田:顧問があれこれと言わなくても、しっかりとした学校生活を送り、楽しく、一生懸命に演奏する姿が見られるように、また、周りの先生からも軽音楽部が良く思われるようにしていきたいです。部員たちには精一杯活動に打ち込んで欲しいです。

ー モットーやスローガンを教えてください
藤田:副顧問の先生が活動を見てくださる時もあるので、始まる時と終わる時はしっかりと挨拶をするように、と指導しています。

ー 顧問としての苦労や、やりがいを教えてください
藤田:部員たちでしっかりと考えて、行動してくれているので、特に顧問として苦労したことはありません。何かを行う際の事前連絡や手配といった監督業務くらいです。部員たちが楽しそうに演奏している姿を見ている時が一番やりがいを感じる瞬間です。

ー 誌面を通して、部員に一言お願いします
藤田:軽音楽部員として人前で演奏するからには聴いている人を感動させたり、楽しませるような演奏や技術力などのスキルを磨いていってください。そして、軽音楽部で活動する中で必ず何かを得て、卒業して欲しいと思います。

ー クリニックを受講しての感想をお願いします
藤田:私は楽器の演奏経験がないので、今日は基礎的なことから専門的なことまで、多くのことを指導していただきました。丁寧に教えていただいたので、部員たちも理解を深めながら話を聞いていたと思います。今後はこれを糧に活動していけると思いますので、今日はとてもありがたい時間を過ごすことができました。

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