第102回 実践女子学園高等学校 軽音楽部

第102回目のデジレコ・バンド・クリニックの実施校は東京都渋谷区にある実践女子学園高等学校です。渋谷駅から徒歩10分のところに位置する同校は1899年(明治32年)に設立と、非常に歴史のある中高一貫校です。中学、高校と部活動が盛んで、軽音楽部もコピー曲やオリジナル曲の演奏に励み、公式大会への出場や他校との合同ライブへの参加など、活発な活動が行われています。(DiGiRECO.JR VOL.42 掲載)

まずは開会式からスタートです。当協会の理事長がクリニックの趣旨やタイムテーブルを説明した後、軽音楽部の部長と顧問の小越先生から歓迎の挨拶をいただくと、座学へと移行。プロジェクターを使用しながら「部活動としての軽音楽部を考える」というテーマで講義を行いました。講義では「部活動は学校に認められた、課外授業の一環としての取り組みです。軽音楽部は野球部やサッカー部、吹奏楽部や美術部などと同じく、学校の部活動の1つです。たくさんの音楽に触れることができたり、オリジナル曲にチャレンジすることで、かけがえのない宝物を得ることができるなど、素晴らしいところがあるほか、教室や視聴覚室が使えたり、公式大会に出場できたり、他校の軽音楽部と演奏を通じて交流することができたり、先輩や同級生、顧問の先生から客観的なアドバイスがもらえたり…と、部活動を通して得られるものがたくさんあります」と紹介。「運動部や他の文化部と同じように、コミュニケーションとチームワークを育むことができるほか、特に軽音楽部はオリジナル曲やコピー曲を演奏することで、クリエイティブ力を養うことができます」と、部活動の基本や軽音楽部の特色を1つずつ解説しました。

途中休憩を挟み、第2部の「初歩の電気と音響の知識」「エレキ・ギターの音作りの基本」「初級エフェクター講座」の座学では、マイクロフォンから入力された電気信号がミキサーを通り、パワー・アンプを経由して、スピーカーから出力される仕組みやマイクやダイアフラムの構造、マイクの指向性やハウリングが起こる要因などを解説。エレキ・ギターは弦の振動をコイルがキャッチし、それが信号となり、シールド・ケーブルを伝って、アンプに送られることも紹介しました。さらに、マルチ・エフェクターを用いて、オーバードライブやディストーションなどの歪み系からコーラスやディレイなどの空間系、フランジャーやワウなどの揺れモノまで、様々なタイプのエフェクトを解説。周波数の帯域を理解することで、バンドのアンサンブルが聴こえやすくなったり、聴こえにくくなることがあり、「いかに楽器同士の帯域が被らないようにするか?」が重要であることを伝えました。

▲アンサンブルが良くなるノウハウを目的別に解説しました

第3部は副理事長による「アンサンブルが良くなるための練習方法」の講義です。普段の練習を「個人のスキルアップのためなのか」「バンド全体で合わせるためなのか」「ライブの本番を想定したものなのか」という風に見直し、練習の要点を明らかにすることで、限られた時間の中で取り組む練習の目的が明確になり、効率よくスキルアップが狙えることを紹介。また、バンド練習では「リズムやグルーヴ」「ユニゾンやキメ、シンコペーション」「ダイナミクスや音量」などに注意し、「バンドでないと確認できないことに注力すべき」と提案。参加した生徒は真剣な眼差しでメモを取り、講義に耳を傾けていました。

後半は各バンドによるアンサンブルのレッスンです。邦楽ロックを中心に演奏し、理事長や副理事長が講評や今後につながるアドバイスを伝えました。具体的には「どの楽器も音量が大きすぎてしまい、最初から最後まで『全力投球!』という感じでした。もう少し音量の差によるメリハリが付けられると、さらに良い演奏になります」「ボーカルはゆったりと流れるように歌う歌唱法ですが、それをそのままベースやドラムもやってしまうと、一気に演奏が締まらなくなってしまいます。この楽曲ではドラムのハイハットが『チャカチャカ…』という風に16ビートを刻んでいるため、タイトさが出ています。ぜひリズム感を大切にしながら、楽曲の世界観を演出してください」と伝えました。

▲クリニックの後半は講師や部員が見守る中、演奏を披露

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