第100回 名古屋経済大学市邨高等学校 軽音楽部

記念すべき、第100回目のデジレコ・バンド・クリニックの実施校は愛知県名古屋市にある名古屋経済大学市邨高等学校です。1907年(明治40年)に開校された歴史のある学校で、高校は「特進」「文理」「キャリアデザイン」の3コース制が導入されています。運動部・文化部を問わずに部活動も盛んで、軽音楽部も1年次からオリジナル曲の制作に励み、愛知県大会や中部大会での入賞をはじめ、全国大会への出場経験もあるなど、活発に行われています。(DiGiRECO.JR VOL.42 掲載)

定刻となり、クリニックのスタートです。はじめに、当協会の理事長が開催趣旨や1日の流れを説明し、軽音楽部からも代表の生徒と顧問の中村先生に挨拶をいただきました。最初は「部活動としての軽音楽部を考える」というテーマの座学です。「軽音楽部の評判」と「軽音楽部の定義」、「部活動としての軽音楽部のあり方」という3つの観点から自校の軽音楽部のことを振り返り、部活動は学校教育の一環であり、普段の授業では学べないことを補完する「課外授業」であることを紹介しました。具体的には「音楽やバンド活動を通して、コミュニケーションとチームワーク、クリエイティビティーを磨くことができる」と説明。「バンド活動や楽器の演奏を通して、社会が求める人材育成を行えるのが、軽音楽部の素晴らしいところの1つです」と述べたほか、「部活動の1つなので、軽音楽部だけは特別であり、何をしたって良いということはありません。行動規範は他の部活動と同じでなければならず、挨拶や身だしなみ、時間厳守といった学校生活の決まりを守るのはもちろん、常に周りの人たちから見られているということを意識して、行動してください」と話しました。

小休憩を挟んで、「初歩の電気&音響の知識」「エレキ・ギターの音作りの基本」の座学に移行。マイクからミキサーを通り、パワー・アンプを経由して、スピーカーから音が出力される仕組みを図解で紹介したほか、ギター・アンプのつまみ(BASS/MIDDLE/HIGH)の役割をはじめ、オーバードライブやディストーション、コーラス、ディレイといったエフェクトの種類と効果を1つずつ解説。実際に音を聴きながら、かかり具合を体験しました。また、音が被ってしまう理由や音の抜けを良くするためのコツも紹介し、楽器にはそれぞれの帯域があり、バランスよく役割分担をすることで、スッキリとしたサウンドになることを学びました。

▲部活動としての軽音楽部のあり方を事例を交えて紹介

次は副理事長による「アンサンブルが良くなるための練習方法」に関する座学です。当日は「ビデオ講義」という形で実施し、普段の練習を目的別に仕分けることの大切さを解説。「アンサンブル=合奏」であるという原点に立ち、良い合奏を目指すのがバンド練習の目的であり、個人の技術的なスキルとバンド全体の合奏のスキルは似て非なるもので、良い合奏をできるバンドが「良いバンド」であることを説明。それらを計画性と責任感を持って臨むことが重要である、と述べました。

昼食休憩の後はバンドごとのアンサンブルの実習です。1バンド/20分という持ち時間で演奏を披露。演奏後はイントロやAメロ、サビだけ…とブロックごとに再演奏し、細いポイントを確認したほか、「まだまだ自分の楽器を演奏するのに精いっぱい…という演奏でした。目線が手元に落ち、バンド内で完結してしまっている感じがします。まずはしっかりと前を向き、目線は少し先の方を見るようにしましょう」「全体的にうまくコピーができており、良い演奏でした。もっと良くするには、例えば、スネアのオープン・リムショットの精度を上げたり、ルートを弾くベースは最後の音までキッチリと弾いてから移行しましょう。すると、演奏にムラがなくなり、タイトなサウンドになります」といった具体的なアドバイスを各バンドに伝えました。

滞りなく、すべての講義が終了。閉会式では「軽音楽部はプロ・ミュージシャンの登竜門でもなければ、養成する場所でもありません。1つのことに一生懸命に打ち込んだ経験は必ず人生の糧になり、切磋琢磨した仲間は一生の宝物です。ぜひ皆さんの手で市邨高校の伝統を紡いで、次の世代に伝えていってください」と話し、閉会しました。

囲み枠b▲良い合奏ができるのが、良いバンドであることを解説

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