第94回 愛知県立旭丘高等学校 軽音楽部

第94回目のデジレコ・バンド・クリニックの実施校は愛知県名古屋市にある愛知県立旭丘高等学校です。2017年7月以来、3年ぶりの開催となります。創立は1870年(明治3年)と歴史があり、尾張藩が設立した藩校・洋学校が起源とのこと。普通科と美術科が設置されており、私服通学が認められているなど、自由度の高い校風も特徴の1つです。部活動が盛んで、軽音楽部も「第3回 高等学校軽音楽コンテスト中部大会」と「第8回 愛知県高等学校軽音楽大会」で準グランプリや奨励賞を受賞するなど、活発に活動しています。(DiGiRECO.JR VOL.40 掲載)

定刻の9時30分となり、クリニックのスタートです。当協会の理事長が趣旨や1日の流れを説明し、軽音楽部からも代表の生徒と顧問の先生に挨拶をいただきました。最初は「部活動としての軽音楽部を考える」というテーマの座学です。「軽音楽部の評判」と「軽音楽部の定義」、「部活動としての軽音楽部のあり方」という3つの観点から軽音楽部を振り返り、部活動は学校教育の一環で、普段の授業では学べないことを補完する「課外授業」であることを話しました。具体的には「コミュニケーションとチームワーク、クリエイティビティーを磨くことができる」と理事長が解説。「バンド活動や楽器の演奏を通して、社会が求める人材育成を行えるのが、軽音楽部の素晴らしいところの1つです」と述べたほか、「部活動の1つなので、軽音楽部だけは特別であり、何をしたって良いということはありません。行動規範は他の部活動と同じでなければならず、挨拶や身だしなみ、時間厳守といった学校生活の決まりを守るのはもちろん、常に周りの人たちから見られているということを意識して、行動してください」と話しました。

休憩を挟んで、「初歩の電気&音響の知識」「エレキ・ギターの音作りの基本」「DAWを使った音作りのヒント」の座学に移行。マイクからミキサーを通り、スピーカーから音が出力される仕組みを図解で紹介したほか、ギター・アンプのつまみ(BASS/MIDDLE/HIGH)の役割をはじめ、オーバードライブやディストーション、コーラス、ディレイといったエフェクトの種類を1つずつ解説。実際に音を聴きながら、その効果を体験しました。また、音作りのヒントに関する講義ではDAWソフトを用いて、音が被ってしまう理由や音の抜けが良くなるコツを解説。楽器には、それぞれの帯域があり、バランスよく役割分担をすることで、スッキリとしたサウンドになることを学びました。

▲軽音楽部のあり方を事例を交えながら紹介しました

次は、副理事長による「アンサンブルが良くなる練習方法」に関する講義です。当日は「映像出演」という形で実施し、普段の練習を目的別に仕分けることの大切さを解説。「アンサンブル=合奏」であり、良い合奏を目指すのがバンド練習の目的であり、個人の技術的なスキルとバンド全体の合奏のスキルは似て非なるもので、良い合奏をできるバンドが「良いバンド」であることを解説しました。

昼食休憩の後は、1バンド/20分という持ち時間で、5バンドが演奏を披露。イントロやAメロ、サビだけ…とブロックごとに再演奏し、細いポイントを確認したほか、「まだまだ自分の楽器を演奏するのに精いっぱい…という演奏でした。目線が手元に落ち、バンド内で完結してしまっている感じがします。まずはしっかりと前を向き、目線は少し先の方を見るようにしましょう」「全体的にうまくコピーができており、良い演奏でした。もっと良くするには、例えば、スネアのオープン・リムショットの精度を上げたり、ルートを弾くベースは最後の音までキッチリと弾いてから移行しましょう。すると、演奏にムラがなくなり、タイトなサウンドになります」といった具体的なアドバイスを各バンドに伝えました。

滞りなく、すべての講義が終了。閉会式では「軽音楽部はプロ・ミュージシャンの登竜門でもなければ、養成する場所でもありません。1つのことに一生懸命に打ち込んだ経験は必ず人生の糧になり、切磋琢磨した仲間は一生の宝物です。ぜひ皆さんの手で旭丘高校の伝統を紡いで、次の世代に伝えていってください」と話し、閉会しました。

▲良い合奏をできるのが、良いバンドであることを解説

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