第13回 東京都立神代高等学校 アコースティックギター同好会

第13回目となる今回は、京王線仙川駅から徒歩7分のところに位置する、東京都立神代高等学校さんです。同校は1940年に東京府立第十五高等女学校として設立されてから今年で74周年を誇り、調布市内の都立高校3校の中では一番歴史が古い学校です。早速、顧問の西森先生に伺いました。(2014/6/DiGiRECO.JR VOL.3 掲載)

ー アコースティックギター同好会の歴史について

西森:アコースティック同好会は私が当校に赴任した4年前からあったのですが、当時はあまり積極的な活動が行われていませんでした。そんな状況を鑑みて、「アコースティック同好会をバンドの部活にしよう!」と決意して、活動を盛り上げていくことにしたんです。高校生ということもあり、どうしてもアコースティック・ギターだけでは表現できないものがあるんですよね。私は、バンドでの活動をメインにしながら、アコースティックな部分も表現できるようになって欲しいな…と考えています。同好会なので予算もあまりないので、譲ってもらったミキサーを修理したり、中古楽器を購入してはメンテナンスを行って使えるようにしたり…ということをやってきました。バンドのアンサンブルを通じて、音楽の楽しさに接して欲しいですね。

それから、高校生は部活動ももちろんですが、クラスのことも大切です。部活動をしながらクラスの行事にも積極的に参加して、勉強にも励んで…という風にバランスの取れた状態で取り組める部活動の運営を目指してきたので、これからもこのスタンスで活動していこうと考えています。

ー 現在の部員数/バンド数は

西森:部員数は3年生までを含めると、76名です。バンド数は21バンドになります。

ー コンテストなどの受賞歴は

西森:直近のもので言いますと、今日のクリニックを受講した中にアコースティック・ユニットを組んでいる部員たちがいて、彼らがMusic Revolution 宮地楽器大会 Vocal & Acoustic Stage「うたごころ選手権2014 Winter」でグランプリを獲得しました。このユニットは9月に行われるThe 8th Music Revolutionの東京のセミファイナルに進みます。また、昨年もアコースティックでMusic Revolutionの南甲信越大会の東京ファイナルまで進むことができたんです。アコースティックに限って言うと、4年連続でMusic Revolutionのセミファイナルくらいまでは進出しています。

ー バンドはもちろん、アコースティックにも力を入れてらっしゃるのですね

西森:バンド形態だとメンバーは4人や5人になりますが、3年生になって、理系コースに進むメンバーがいると、引退まで活動を続けていくのがなかなか難しくなってしまうんですよね。一方、アコースティックだと勉強との両立もできなくはないので、当校ではアコースティック・ギターを弾いている部員たちもたくさんいます。それに、昼休みはアコースティック・ギターなら演奏することができるんです。3年生になってからの人間的な成長というのは著しいものがあるので、昼休みにアコースティック・ギターの練習ができるメリットは大きいと思います。軽音楽連盟主催の大会でも、アコースティックで入賞したことがあります。

ー 練習場所や普段の活動について

西森:普段は3会場を使って練習しています。今日のクリニック会場となっていた場所がAスタで、その隣の準備室がBスタ、1つ下の階の普通教室をCスタと呼んでいます。他校さんとの違いを上げるとすれば、毎日練習しているところでしょうか。練習の度に機材を出して、練習して、片付けて…ということをやっています。

3部屋しかないので、「このバンドはこの日とこの日が練習に入れる日で…」という感じでローテーションを組んでいることが多いと思いますが、当校はそうではなくて、全バンドが毎日練習しています。つまり、7バンドあって、使用できる時間が70分しかなかったとしたら、1バンド10分ずつ実際に音を出して練習するんです。

ー 1バンドあたり10分ですか

西森:はい、そうなんです。70分なら、それを35分ずつにして2バンドが使う…という風に何日間かで周期させるのではなく、待っている時間は廊下などで生音で練習しておいて、自分のバンドの時間になったら、さっと準備をして、演奏する…ということをやらせています。

そのやり方を続けてきた中で、1回あたりの練習時間が7分間しかない学年があったのですが、その学年は特に優秀でした。毎日7分間しか実際に大きな音は出せないけれど、楽器を毎日学校に持って来て、待っている間は生音で練習していました。そこが他校さんとの違いかな…という風に思いますし、当校ではずっとこれを続けてきています。

ー 基礎練習というのはされていますか

西森:いえ、当校では基礎練習はしていません。これは私の考えなのですが、基礎的な練習というのは顧問が「こんなことをやりなさい、メニューはこれですよ!」という風に用意するのではなく、「ちゃんと基礎練習をして、もっとちゃんと弾けるようにならなくちゃ!」という風に本人たちが気付いて、取り組まないといけないと思っています。ですので、顧問の私が部活動として、練習のことで指示することはありません。

ー 軽音楽部のモットーやスローガン、先生の指導方針は

西森:やはり「演奏していて楽しい」ということですね。これに尽きると思います。いろいろな考え方があるので、「本当に楽しいだけで良いのか?」とか「厳しい方が部活動はもちろん、それ以外のところでもプラスに作用するのではないか?」とお考えの顧問の先生もいらっしゃると思いますが、私は「楽しい」が一番です。毎日欠かさずに練習をして、皆で部活動を楽しむこと。やはりそこが一番の基本だと思います。

ー 次の目標や目指しているものは

西森:目標と言ったらまた違うかもしれませんが、アコースティックギター同好会という名前の通り、いずれは部員全員がアコースティック・ギターを弾けるようになって欲しいですね。それはドラム担当も含めて、です。バンドで演奏するには大きな音が出せるスタジオが必要になりますが、アコースティックならギターが1本あればすぐにできちゃうんですよね。「生涯、音楽が人生の側にある」ということを考えると、いずれはアコースティック・ギターを弾けるようになって欲しいな…という気持ちがあります。

ー 現状はいかがですか

西森:ボーカル担当の部員たちは全員アコースティック・ギターが弾けます。それがうちの決まりなんです。楽器を持たないボーカル専門の部員もいますが、もちろん弾くことができます。また、アコースティック限定のライブイベントも開催しているのですが、それにはボーカル担当の部員を全員アコースティック・ギターの弾き語りで出させているんです。

エレキ・ギター/ベース担当の部員までならアコースティック・ギターにも手が届きやすいのですが、ドラムまでとなる、なかなか大変なんですよね。すぐにはできなくても、アコースティックギター同好会という名前で活動しているんだから、いずれは「皆がアコースティック・ギターを弾ける」というところまでいきたいな…と考えています。

ー 顧問の先生から生徒に一言

西森:「勉強しなさい」ということですね(笑)。勉強と部活動をうまく両立させないといけません。「人生」という観点で考えると、何か特定のことに偏って集中するのではなくて、バランスを保ちながら要領良くやっていかないといけないと思います。今はバンド活動に一生懸命取り組んでいるので楽しいかもしれませんが、その前提には「勉強や学校生活、部活動などをうまく両立する」というのがあることを学んで欲しいですね。これはすごく大事なことで、「勉強にも一生懸命に取り組んだし、バンド活動も熱心にやっていました!」というような模範になるような部員が何人も出てきているんです。それがなかなか残りの部員には伝わらないものなのですが、当校は学校行事も重視しているので、「勉強」「クラス」「部活動」という3つの要素にバランス良く取り組めるようになってくれば良いな…と思います。

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