第9回 東京都立立川高等学校 Music Create Club

第9回目となる今回は、JR中央線立川駅から徒歩8分のところに位置する、東京都立立川高等学校さんです。今年で創立113年を迎える、歴史ある同校には36もの部活動があり、運動系/文科系を問わず、多くの生徒が活発に活動しています。早速、顧問の尾澤先生に伺いました。(2014/6/DiGiRECO.JR VOL.3 掲載)

ー Music Create Clubの歴史について

尾澤:Music Create Clubは2011年に設立しました。立川高校には他にも軽音楽系の部活動があるのですが、私が目指している活動内容や音楽に対する考え方とは少し異なっていたんです。作曲を中心とした音楽の部活動があればな…と考えている時に近付いてきた生徒がMusic Create Clubの第1期生です。その生徒とは、音楽や楽曲理論についていろいろと話をし、文化祭で弾き語りもしました。私としてはオリジナルや弾き語りの良いところや面白さをその生徒に伝えたかったのでした。その後、生徒が1人、2人と集まってきたことで土台ができて、同好会となりました。彼らは設立1年目から私の主旨を理解して、自分で曲を作ったり、いろいろな楽器で演奏してくれたんです。この時に、積極的に専門学校さんからアドバイスを受けました。

同好会から始めて1年が経ったところで、部活動に昇格することができました。その間に東京都高等学校軽音楽連盟に参加している学校さんや他県の優良軽音楽部さんと交流を持ち、大会に参加するようになったんです。また、それに向けた合同練習もやることになり、楽曲的にも磨きをかけていくことになりました。

現在も部員1人1人を手厚く指導して、音楽の能力を伸ばしています。Music Create Clubはバンドだけでなく、個人の能力伸長を目指す部活なんです。

ー 現在の部員数/バンド数は

尾澤:現在の部員数は5名(+1名)です。1名はイタリアに留学中で、日本を出国する時に「Music Create Clubのことだけが心配…。名残惜しいです」と言っていました(笑)。6月に帰国するので、戻って来たら、また頑張って活動してくれるんじゃないかな…と思います。

Music Create Clubは個人のミュージシャンを育てるクラブなので、「バンド数」というカウントはしておらず、主体はあくまでも「個人」なんです。個々の部員が大会の時にバンドを組むのであって、基本的には個人という考え方をしています。大会などがある時には、このメンバーでユニットを組む…という感じでやっています。ちなみに、私は顧問として今日のクリニック中も査定をしていたので、日頃の立ち居振る舞いも考慮しつつ、誰がどのパートに相応しいかな…どんな組み合わせが良いかな…ということを考えていました。

ちなみに、現在ユニットは2人、2人、1人の編成でも演奏をしています。これらが軽音連盟の大会にて後輩を入れて受賞を目指すユニットになります。学年バンドはそれとは別に存在させるようにしております。

ー コンテストなどの受賞歴は

尾澤:東京都高等学校軽音楽連盟主催の大会では、2013年度の夏に入賞、秋に優秀賞を獲得しています。2012年の同大会でも夏に優秀賞を、秋に準グランプリ…第2位を獲ることができました。この時には東京都教育委員会からも表彰されています。民間大会では、2013年度の5月にはTEENS ROCK IN HITACHINAKAの全国大会に1バンドが出場することができました。頑張っている先輩たちの姿を見て、後輩たちも「オリジナル曲を作ってみよう!」「人を感動させよう!」というような目標を掲げているので、たくさんの賞をいただけたことは、とても良い出だしだったかな…と思います。この勢いのまま、当部のウリである「少数精鋭の活動」を続けていきたいですね。

ー 練習場所や普段の活動について

尾澤:当校にはMusic Create Clubの他にも吹奏楽部や室内学部など、いろいろな音楽系の団体があり、練習場所も限られているので、普段は一般教室でミニアンプや電子ドラムを使って練習しています。唯一、日曜日が生ドラムを使って大きな音を出せる日なので、有効的に利用しています。要するに、隙間産業なんですよね。今日は吹奏楽部が定期演奏の練習で食堂を使っているから、音楽室を使わせてもらえますか?という感じで、他の部活動と連携を取りながら、練習スケジュールを組んでいくのが私の仕事だと考えております。練習を途切れさせることはありません。

初めて東京都高等学校軽音楽連盟の会合に参加させていただいた時に、きっちりとやっている先生から、音にこだわっている先生、決まりごとに厳しい先生など、いろいろな先生方がいらして、とても刺激を受けました。そこで、自分のスタンスを見直したんです。やはり自分の学校の中だけで活動をしていると、顧問も生徒も「井の中の蛙」状態になってしまいます。そういう意味で、「合同練習」というのはとても良い機会なんですよね。今ではスタンスが近い高校さんに声をかけて、こちらにお呼びして主催できるまでになりました。他流試合はとても大切だと思います。顧問は普段から見ているので、「親」のような気持ちになってしまうことがあると言えます。しかし、客観的に見てみたら、その演奏ではダメだよ!と感じることが多々あるんです。

ー Music Create Clubらしい特徴は

尾澤:電子ドラムを使ってのリズム練習をよくやっています。クリックを出しながら、それに合わせて練習するんです。テンポをハーフに落としてリズムキープをする力を養ったり、タメを作ってみたり、あるいは裏クリックにして拍の「裏」を意識してみたり…という練習を自主的に行っています。残念ながら、夜の部との絡みで17時終了で、平日の活動の様子はほとんど見ることができないんです。しかし、リズム練習をはじめとする基礎的なことをきっちりと行ってくれているので、私は安心して平日は生徒に活動を任せることができています。

また、2010年にPTAの全国大会があり、日本武道館でアトラクション演奏をした、私の前任校の卒業生の山田さんに公式のコーチをお願いしています。やはり「武道館に出た」という人がいるだけで、空気が違うんですよね。「目指している目標が違ってくる」と言いますか…。生徒に「うちはこのレベルでやるから、こういう目標を持っていないとイヤだよ」と言えるんです。ライブは「その時だけ盛り上がれば良い」ということではありません。「日々の練習の積み重ねの上にライブがあるんだ!」ということを実践してくれたのが、山田さんの「褒め殺し。」というバンドでした。彼女たちも最初は初心者ばかりで、大丈夫なのかな…と思っていたのですが、ゼロから始めて最後は日本武道館に行けるまでになったので、そういうコーチが経験を語ったり、アドバイスをくれるだけで全然違うんですよね。

ー Music Create Clubのモットーやスローガン、先生の指導方針は

尾澤:「生涯、音楽を楽しむ姿勢を培う」ということに尽きると思います。また、プレイヤーとしてドラムを極めたり、徹底的に速弾きにこだわったり…という姿勢も良いと思いますが、当部の場合、基本は「曲作り」なので、まずは弾き語りから始めています。弾き語りを基本にして、その延長線上にバンドがあり、音楽制作がある…と考えているんです。楽曲研究もいろいろとやらせてみたいところです。

ー 次の目標や目指しているものは

尾澤:今後も、この活動が続いていくと思います。引退した生徒や卒業生などが、しっかりと音楽を続けてくれて、戻ってきてはたまに演奏して良いものを見せてくれるなど、「生涯、良い音楽を追求していく」という姿勢が生まれたら良いな…と考えています。

私は「演奏力」が問題なのではなく、「表現力」に注目するべきであり、「想い(ハート)をどう伝えるか」というところが大事だと思います。「歌詞や楽曲で人を感動させる」ということを教えたいんですよね。ただ数人の友達を呼んで、「ライブで盛り上がるから楽しい!」というのではなく、見知らぬお客さんが座っていても自然と身体が揺れるというか、聴いているだけで、その楽曲の世界にのめり込んでいけるような作品を作って欲しいと考えています。それがアマチュアであり、私たちが目指すところです。

ー 顧問の先生から生徒に一言

尾澤:「このジャンルは嫌い」とか「○○ちゃんがいないからやらない」というのではなく、いろいろなものを吸収して、真面目に一生懸命な気持ちで続けていれば、きっと良いこと(大舞台に出られて、賞賛を得られる)が返ってくるよ、ということを伝えたいですね。

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