第8回 東京農業大学第一高等学校 音楽部軽音班

第8回目となる今回は、小田急線経堂駅/東急世田谷線上町駅から徒歩15分のところに位置する、東京農業大学第一高等学校さんです。「質実剛健」「自主独立」を校訓としている同校は中高一貫教育を提唱しており、今年で創立65周年を迎えます。早速、顧問の奥田先生に伺いました。(2014/6/DiGiRECO.JR VOL.3 掲載)

ー 音楽部軽音班の歴史について

奥田:当校には「軽音班」の他に「アンサンブル班」という弦楽器を主に扱う音楽団体があり、軽音班とアンサンブル班の2つを「音楽部」と定義しています。ですので、正確には「音楽部軽音班」という名称なんです。とはいえ、「軽音楽部」と呼んでいる生徒もいるのですが…。吹奏楽部もあるので、当校は音楽系の部活動が盛んな高校と言えると思います。軽音班の歴史について前任者に聞いてみたところ、少なくとも30年前から活動していたとのことです。私が顧問を担当するようになってから5〜6年が経つのですが、今はとても真面目な生徒が多いと言えます。以前はヤンチャな生徒もいたようで…。また、校舎を建て替えて、新たに中等部を設立するにあたり、音楽部軽音班は活動縮小を要請されました。前任者からバトンタッチされた私は、真面目に活動して、良いところをたくさん出せるようになれば、少しずつ認められていくのではないかな…と考えて、ミーティングをしっかりと行ったり、挨拶や姿勢、服装にも気を付けるように指導するところから始めました。そんな感じで、顧問の私が先頭に立って、真面目に取り組ませています。

ー 現在の部員数/バンド数は

奥田:部員数は2年生と3年生を合わせて39名で、バンド数は11バンドです。大体、毎年30人くらいの新入部員が来て、そのうち10人くらいが抜けて…という感じなので、毎年20人前後の新1年生が軽音班に入部します。3学年を合わせると、60名くらいの部員数になります。

ー コンテストなどの受賞歴は

奥田:残念ながら、コンテストには出場したことがありません。ヤンチャな部員がいたこともあり、「学校の名前」という看板を背負って外に出て行くことを学校側があまり良いとは思っていなかったようで…。今はそのような風潮はないのですが、当時はそんな背景がありました。ですので、本当に「井の中の蛙」のような状態になっていたんです。外の人たちに演奏を披露するのは文化祭の時くらいだけで、あとは校内ライブやOB/OGを招いてのライブを年に5回くらい開催するなど、内部での盛り上がりがメインと言えます。

ー 練習場所や普段の活動について

奥田:普段は4つの教室を使って活動しています。2つの教室を「スタジオ」にしてバンドが演奏し、残りの2教室を自主練習の場所にしているんです。現在は週に4日間活動しており、毎回すべての部員が参加しています。土曜日は少し長めに活動できるのですが、平日は放課後〜18時半までなので、時間を区切って各バンドが練習しています。大きな音を出しての練習は大体、1バンドあたり30分くらいです。

ー 軽音班の特徴は

奥田:当校では「ライブの企画から運営まで、すべての役職を自分たちでやる」というところにこだわっています。文化祭ライブでは体育館の一部を使い、机を200個近く運んできて、脚を縛ってステージを組み上げたり、暗幕を吊るなどの工夫をしながらライブハウスのような空間を作るんです。当日はスタッフとしてはもちろん、出演者としても、お客さんとしてもライブを楽しむようにしています。ちなみに、ライブの出演順はオーディションを行って決めるので、部員数は3学年すべての生徒が参加する文化祭の時期が最も多いと思います。

ー 軽音班のモットーやスローガン、先生の指導方針は

奥田:顧問の立場としては、軽音班での活動を通して「表現力」を身に付けて欲しいと思います。ただ、それが部活動の中だけで終わってしまうのはもったいないと考えているんです。例えば、人前に立って喋るという機会は大人になってからもたくさんあります。そんなシーンでも高校時代の部活動で学んだことが使えるようになって欲しいですね。「自分で身に付けたことを外に表現していく」というのが僕が一番伝えたいことなので、部活動の中だけでなく、いろいろなところで出せていければ良いな…と考えています。生徒には「表現力を養うために、演奏時はパフォーマンスを意識しなさい」と、いつも言っているんです。

また、楽器の演奏はすごくうまいけれど、普段の学校生活ではあまり目立たない…というタイプの生徒もいます。そういう子はギターを持つと人が変わったように演奏するのですが、そこがすごく魅力的であり、その内なるパワーを普段から出せるようにする「表現力」を磨いていって欲しいと考えています。

ー 次の目標や目指しているものは

奥田:今まで、うちは外部の大会などに出場できるようなレベルではないんじゃないかな…という不安があったのですが、今日のバンド・クリニックでは講師の先生方からお褒めの言葉をたくさんいただけたので、そろそろコンテストや合同ライブにも参加させていただこうかな…と考えています。

目標としては「音楽の幅を広げる」ということを掲げていきたいです。本当に今の子たちは音楽のジャンルが偏っていて、J-POPが好きであればJ-POPしか演奏しないんです。いずれはオリジナル曲も作らせたいと考えているのですが、今のところは聴いている音楽の幅をもっと広げることができれば良いな…と思います。それらができた上での「コンテスト出場」かもしれません。

ー 顧問の先生から生徒に一言

奥田:これは当校に限ったことではないと思いますが、多くの軽音楽部さんが堂々と学校内で活動することができず、肩身の狭い想いをしていることが少なくありません。ですので、どうしても自分たちの閉ざされた世界の中でしか活動できていない部分があると思うのですが、これからは「音楽の良さ」というものをもっと外に発信して欲しいですね。そういう意味でも、この「DiGiRECO」や「DiGiRECO.JR」というフリー・マガジンは本当に素晴らしいと思います。「発信する力」を持って、自分たちのやっている活動や音楽にもっともっと自信を持って欲しいです。また、頑張って活動している姿を見せて、「真面目に取り組んでいる」ということを周囲にも理解してもらいたいので、今後も仲間と一緒に演奏する「バンドの良さ」を広めていければ良いな…と考えています。

ー「軽音楽部の人たちは頭が良くて、きちんとしている」と言われたいですよね

奥田:そうですね。実際のところ、軽音班に所属している生徒たちの頭は良くなってきていて、昨年度も国公立大学や難関大学に合格した生徒がたくさんいるんです。「バンドだけでなく、勉強もちゃんとやりなさい」と部員にいつも話していて、その効果があってか、頭の良い生徒が増えてきています。一概にして、そういう生徒は楽器の演奏もうまいんですよね。要領が良く、上達するスピードも速いなど、勉強と楽器の演奏はつながっているんだな…と感じています。

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