御住職

▲坐禅も体験してみたいですが、絶対寝る自信あります。足組めないし。

先日は、義父の三回忌。コロナ感染予防のため極少人数でとりおこない、少し寂しい法要でしたが、親戚はご年配が多いので仕方ありません。このお寺さんには義母も納骨しているので行く機会が多くなっています。御住職はまだ若く、自分と同年代ぐらい。聞けば、大学からこの道に入り、お寺の息子とかそういったサラブレッドではないのだそう。だからなのか、他のお寺では聞けないようなお話をしていただけます。おしゃべり好き、ということもあるかと思いますが、下手するとお経の時間よりも長く御説法いただける日もあったりして…笑。でも、それが仏教漫談のようで楽しくもあり、胸にスッと教えが入ってくるのです。

お寺は曹洞宗。今回のイントロは、日本での開祖である道元禅師の言葉「限横鼻直」についてのお話でした。これは、エリート僧だった道元が宗(中国)からの帰国後、何を言うかと期待する人々に言い放った言葉なのだそうです。「人は目が横に、鼻がまっすぐについてるということがわかりました」という意味らしいのですが、道元の言葉となると何やら深読みしてしまいます。曹洞宗は禅宗ですから、坐禅を続け、当たり前のことに向き合うことで宇宙の真理がわかっていく…ということなのでしょうか。しかし、御住職のお話はどちらかというと「と、言われてもよくわかりませんよね笑。私なんか毎日のように坐禅をしていますが、未だにわかりません」から始まって、修行は大変なんです話に流れていきます。曹洞宗の大本山は、福井県の永平寺。厳しい修行が有名です。住職になるにはここで2年ほど修行しなくてはいけないらしく、その厳しさも面白おかしくお話ししてくれます。しかし、今回のサビはそこにはなく、今日もオハコの話にたどり着きます。

その話とは、「車を買った時に4と9をナンバーに入れたいと言うとディーラーが驚き、確認もしないで大丈夫だと言う」と。死とか苦とかを想像する数字は皆んな避けがちで、お坊さんならなおさらなのでは?と聞かれるそうです。でも、御住職曰く、「永平寺では4の付く日と9の付く日は修行の厳しさが少し緩まるんです。修行僧はこの日を心待ちにしてたので、どちらかと言うと嬉しい数字なんです」とのこと。さらには「死、苦」ではなく「良く(4、9)なる」なのだと仰います。一休さんのとんちみたいですが、素直に「なるほどね」とか思っちゃうのは、御住職のお人柄のせいかもしれません。音楽も説法も流れが大事。感動はサビへ持っていくテクニック次第なのだなぁと感じつつ、なぜかこのお寺なら義父義母も安心だな、と毎回思ってしまう私なのでした。

機会があれば、他の御説法もいつか書きます(笑)。

 

辻伸介:全国学校軽音楽部協会副理事長/ドラマー/サウンド・プロデュース&ディレクション/専門学校ESPエンタテインメント東京講師/ライター◉藤子不二雄と手塚治虫の蔵書は1500冊以上/昼寝うたた寝愛好家/古代史&日本史好き

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