Vol.78 東京都立東村山西高等学校 軽音楽部

第78回目の訪問校は東京都立東村山西高等学校です。緑が豊かな都立東村山中央公園に隣接しており、周辺には閑静な住宅街が広がっています。西武新宿線の久米川駅や西武多摩湖線の八坂駅が最寄駅となる同校の創立は1984年。開校から約35年しか経っていない、比較的新しい学校で、校訓には「開拓」「自立」「協和」「情操」を掲げています。ちなみに、ガールズ・バンドの「赤い公園」はメンバー全員が同校の軽音楽部出身だそうです。早速、軽音楽部の様子を顧問の大山英一先生に伺いました。


ー 軽音楽部の歴史を教えてください

大山:本校に着任したのは今年度の4 月なので、まだ1 年経っていません。10年以上前から活動していたと聞いています。

ー 現在の部員数と男女比を教えてください

大山:1年、2年の総員で54名が在籍しています。中には、練習に来ない部員もいますので、実際に活動しているのは現在36名です。近年は女子部員が多いと聞きますが、本校では男女半々くらいです。

ー 部員の推移はどのような感じですか

大山:毎年、部活動の中でも1、2を争うくらいに人気のようですが、入部した30名から40名のうち、1年生の途中で半分以下の10名から15名くらいにまで減ってしまうようです。今年の1年生はまだ37名いますので、残っている方だと思います。

ー 新入部員の募集方法や入部するための規定などはありますか

大山最初に、軽音楽部はお金がかかるし、練習時間も取られるなどの点を伝えた上で決めさせていますが、特に規定はないです。他校では入部にあたっての作文の提出などをしていると伺ったので、来年度からは何か検討しようかと考えているところです。入部までには検討時期がありますので、部活動体験をさせたり、説明会を行い、正式に入部届の提出をするという流れになります。

ー 機材は揃っていますか

大山:潤沢な予算はないので、学校に申請し、了承を得たものだけを購入するという状況です。 現在は部費を集めていないので、運営予算はありません。

ー 現在欲しい機材はありますか

大山:照明・演出機器です。いろいろと調べてみたのですが、最初に購入した方が良いと聞いたこともあり、まずはLEDのパーライトやe-liteのPower Party Barなどの購入を考えています。現在軽音楽部に照明機器がまったくない状態なので、1 つだけでも欲しいと思っています。

ー バンドメンバーはいつ頃、どのように決めますか

大山:5月くらいに組めるところから自主的に組んでいます。基本的には部員に任せていますが、人数を合わせるために組む場合もあるので、やりたい楽器ができない部員も出てきます。また、退部してしまう部員もいるので、途中で「どうしても…」というバンドだけはメンバーの変更を認めています。

ー 練習場所と活動時間について教えてください

大山:練習場所は視聴覚室と放送室が使用可能です。活動は毎日で、平日は放課後から6時まで、土曜日と日曜日はケース・バイ・ケースで、午前中顧問がいるときだけ活動しています。

ー 練習場所の利用方法はどのように決めていますか

大山:前月までに入りたい日時や曜日を決めて、副部長がスケジュールを組み、なるべく均等になるように回数を配置しています。それ以外の部員は帰宅することもありますが、視聴覚室は解放していますので、練習しているバンドを鑑賞し、アドバイスをする部員や毎日、先輩の演奏を熱心に観察している部員もいます。

ー 校内発表の開催などはありますか

大山:4 月は新入生歓迎ライブ、7 月の終業式にサマーライブ、9月は文化祭、12月にクリスマスライブ、3月に卒業ライブがあります。見学はできるのですが、告知をして集めたり、友人を呼んだりする部員が少ないのか、あまり見にくる校内の生徒がいないので、今後は宣伝もしていきたいと思っています。

ー 近隣校との交流はありますか

大山:東京都立多摩工業高等学校さんとは毎年交流があり、今年度も7月に合同練習を行いました。また、今年は1年生を連れて、東京都立足立新田高等学校さんのところに行きました。東京都立武蔵丘高等学校さんのところにも行ったので、オリジナル曲の演奏を聞いて、刺激を受けたようです。

ー コンテストや大会などの参加はありますか

大山:今年度、東京都高等学校文化祭 軽音楽部門/東京都高等学校対抗バンドフェスティバルに初めて参加しました。今までコンテストなどにはまったく参加したことがなかったので、予選敗退でしたが、1歩ずつ前進していきたいと考えています。

ー 郊外活動はどの程度認められていますか

大山:リハーサル・スタジオの使用は許可しており、コンテストの応募も学校の許可があれば、認めています。

ー 合宿はされていますか

大山現在はやっていません。部員の中でも全員がやりたい感じではないので、まだ時間がかかりそうですが、今後はやれたらと良いと思います。

ー 現在はどのような部活動ですか

大山バンドが個々に活動している感じです。そのため、先輩と後輩の連携もあまりできていません。組織として「部活動」になっておらず、バンドサークルやリハーサル・スタジオのような状態です。今年はコンテストに初めて参加させたり、パート練習を試みたり、OBのクリニックを受けさせており、まだ手探りですが、発展途上の最中にあると思います。

ー 今後はどのような部活動にしていきたいですか

大山:毎日来る部員の中には、仲の良い先輩/後輩の関係ができていますが、活動日だけにしか来ない部員には、そのようなつながりがありません。もっと先輩が後輩を体系的に指導できるような仕組みを作っていきたいです。上手なバンドがいなくなったら終わりではなく、技術を先輩から後輩に受け継いでいく、伝統のような形態の組織にしていけたら、と思っています。

ー 部活動のモットーや部則などはありますか

大山:部則には「時間厳守」があります。遅刻の指導としては、1学期に5回以上の遅刻をすると生徒指導部からの指導が入ります。それを受けた部員は次の校内ライブまで練習禁止とし、直後のライブにも参加できなくなります。

ー 指導方針を教えてください

大山:学校生活をきちんとしないと、軽音楽部の評判も下がるので、まずは「学校生活」が基本です。あとは「一人ひとりが楽しいライブをする」という表面上だけの活動ではなく、あらゆる努力をして欲しいと思います。

ー 顧問としての苦労や、やりがいを教えてください

大山学校や部員の意向を配慮しながらなので、何事も企画を実現するのは大変ですが、やってみると部員も「良かった」と言ってくれるので、やりがいを感じます。今までバンド単位で動いていた部活動だったので、集団行動のイメージがなく、「部活動」という活動形態に少し抵抗があります。合同演奏会や大会などの引率や参加をまとめるのも大変です。以前もクリニックを開催したのですが、3バンドしか参加しませんでした。しかし、その時に参加した部員が「良かった」と広めてくれたので、今回はほぼ全員が集まり、良かったと思います。

ー 部活動の次の目標は何ですか

大山合同ライブの主催をしたいです。まだ接触したことはないのですが、せっかく近隣に高校がいくつもあるので、開催できたらと思います。

誌面を通して、軽音楽部員に一言お願いします

大山:部活動という組織の「集団」をイメージして欲しいと思います。部活動から学べることはたくさんありますので、「自分だけ」「バンドだけ」ではなく、軽音楽部に所属している「部員」であるという自覚を持って行動してください。

ー デジレコ・バンド・クリニックを受講した感想を教えてください

大山:クリニック中は、部員が本当に生き生きとしていました。午前中のパート練習も全員が必死で、質問もたくさんしていました。午後のクリニックも楽しみにしており、メンバーが欠けていたバンドも「どうにか出させてもらえませんか?」と言ってくるなど、最初は乗り気ではなかった部員も夢中になっていました。開催をお願いして、本当に良かったと思いました。

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